278: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:47:23.61 ID:D5WuQXP1o
決勝戦当日、控え室


淡「ついに、きたね」

セーラ「今日で全部終わりや」

照「うん」

智葉「そうだな、3年生はこれで高校麻雀からは卒業だ」

菫「コクマに個人戦はないからな、本当に終わりだ」

淡「…そう、だね」

菫「私は試合に出られないが…お前ら3人に全てを託すよ」

セーラ「ん、任せろ」

照「菫の分も、頑張るよ」

智葉「今大会における弘世の功績は大きい、それは誇れることだと思う」

菫「…ありがとう、嬉しいよ」

引用元: セーラ「白糸台の麻雀部を引退したで」

279: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:48:46.19 ID:D5WuQXP1o
真佑子「気合を入れるのはもちろんですけど、でも、
    やっぱり、少し寂しいって思っちゃいます」

照「私も寂しい、でも、私の麻雀はここで終わるわけじゃないから」

セーラ「(…やっとはっきり口に出したか、よかった)」

真佑子「そうですよね、プロ行き…ですよね」

照「うん、そうだね」

セーラ「…自分の麻雀を、ていうか、その、」

照「ちゃんと守る。ていうか守れなかったら、私は戦えない」

菫「あぁ、そうなるだろうな」

淡「え、何を守るの?」

照「自分が自分らしくあるための気持ちであり、私の麻雀そのものだよ」

淡「…よくわかんない」

智葉「3年生が培ってきた全てが1年坊にわかるわけないだろ」

淡「うぅ、それはそうかもだけど」

280: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:49:16.81 ID:D5WuQXP1o
アナウンス『まもなく先鋒戦が開始となります、出場する選手は…』


淡「さて、…いきますか」

セーラ「思いっきりいったれ」

淡「おまかせあれだよ!」

照「あれ、それ、誰かが…」

菫「ん?」

真佑子「確か、奈良の…?」

照「松実の妹さんか」

淡「それそれー!って私はインターハイでも言ってたよ!」

照「そうだっけ?」

セーラ「覚えてへんな」

菫「右に同じ」

淡「えぇー」

281: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:49:42.28 ID:D5WuQXP1o
智葉「ふざけてないでマジメにやれ」ポカッ

淡「痛っ…くない」エヘヘ

智葉「お前らしくやれば何の問題もない。頑張ってな」ポンポン

淡「う、うん!ありがと!」ニコニコ

菫「今日もいい顔しているよ。お前なら、大丈夫だ」

セーラ「おう、いけるで、淡」

淡「うん!」

照「私からは…何もない。淡は、大丈夫」

淡「照…うん、頑張るよ」

照「そうだね、頑張ってね」ナデナデ

淡「あ、ありがと//」

282: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:50:19.66 ID:D5WuQXP1o
淡「…あ、あのさ、セーラ」

セーラ「なんや?」

淡「…対局室まで、一緒に行こう?」

セーラ「あぁ、そういやインハイでもそうやったな。ええよ~」

淡「やった!」

智葉「ガキ」

淡「い、いいの!」

セーラ「はい、お手をどうぞ。お姫さん」

淡「えへへ、はい」

セーラ「ほなちょっと送り届けてくるから」

淡「いってきます!」


ガチャリ

バタン

283: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:50:51.76 ID:D5WuQXP1o
対局室前


セーラ「お前、めっちゃ緊張してるやろ?」クスクス

淡「だ、だって…だけど、でも、セーラもだよ」

セーラ「うん、俺の手もお前の手もめっちゃ震えてるもんな」ケラケラ

淡「でも、セーラも私と同じだと思うと少し気が楽だよ」

セーラ「そうか、ならまあええか」

淡「…ねえ、セーラ」

セーラ「んー?」

淡「えっとね、その、」

怜「あっ!セーラ!」

セーラ「おぉ、怜かぁ。あ、竜華と同伴か?」

竜華「セーラもやん」クスッ

セーラ「やなぁ」クスクス

284: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:51:35.03 ID:D5WuQXP1o
淡「…じゃあ、行くね」スタスタ

セーラ「あ、あぁ。頑張れよ!!」

淡「うんっ!!」


怜「あれ、なんか邪魔したっぽい?」

セーラ「いや、ええよ。それより怜、応援してるで」

怜「え、ほんま?」


セーラ「淡の次、にな。んで、優勝はもらうけども」

竜華「そらそうやで」

怜「あはは、そうやんな」

285: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:52:00.45 ID:D5WuQXP1o
セーラ「じゃ、俺は戻るから」

竜華「うん」

怜「またな、セーラ!」

セーラ「お前ら、後悔せんようにな!」


タッタッタッ


竜華「ふふ、セーラって変わらんなぁ」クスクス

怜「そこがええの」

竜華「まあな。じゃあ、怜…頑張ってな」

怜「任せといて!」

290: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 21:25:36.30 ID:nXaceJLwo
対局室


淡「…はぁ(言えなかったなぁ)」

淡「(大会が終わったら話がある…ただ、そう言いたいだけなのにな)」

淡「(…だめだめ、切り替えよう)

淡「(私はエース、私らしく、白糸台を支えるエースとして
   ここでも、力を発揮する!誰にも負けない!)」

淡「(…よし、いける!!!)」ゴッ!


淡「リーチっ!!!」


怜「(来た来た…大星淡のダブルリーチや!ゾクゾクするわ~!)」

玄「(うぅ、やっぱり6向聴スタートだよー…
   けど、今日は絶対負けられない!お姉ちゃん、私頑張るから!)」

美穂子「(大星さん…手ごわい相手ですね。でも、負けるわけにはいきません!)」

291: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 21:29:59.25 ID:nXaceJLwo
アナ『先鋒戦終了!エース区間は壮絶な争いが繰り広げられました!!』

アナ『トップに躍り出たのは大阪代表の園城寺怜!終盤の3連荘で、
   1位を守り続けていた東京代表の大星をかわしました!』

アナ『1位の地元大阪チームには盛大な歓声が送られています!』

アナ『長野代表の福路と奈良代表の松実玄は3位4位ではありますが
   1位の大阪とは僅差に詰めており、勝負はまだまだこれからです!』


怜「ふぅ、お疲れさんです(本気出しすぎてフラフラやで…)」

淡「うぅ…(まくられたぁ…園城寺さん恐い!)」

玄「はぁ…(4位だけど、だけど、でも、頑張った…よね?お姉ちゃん!)」

美穂子「おつかれさまです(非常に疲れる試合でした…)」ペコ

292: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 21:31:24.24 ID:nXaceJLwo

先鋒戦終了、控え室


セーラ「ひゃー…怜め、やりおる」

智葉「最後はヒヤヒヤしたぞ、これ」

照「まあ、最後のツモは仕方ないというか」

菫「むしろこのメンツでずっと1位保ってたのが素晴らしい」

真佑子「園城寺さん、後半の南場に入って目の色変わりましたよね」

セーラ「無茶しよるわ…病弱のくせにして、ほんまにもう。大丈夫かな…」

照「それに準決勝でも感じたけど、松実玄さんは強くなったね」

真佑子「そ、そうですか?今日はともかく準決勝はだいぶ削られていたんじゃ…」

セーラ「いや、インハイの頃と比べて隙が減ったように思うで」

真佑子「そうなんですか」

照「うん、選手として一皮向けたような印象は受けるな」

293: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 21:31:56.29 ID:nXaceJLwo
菫「あぁそういえば、インハイ後にはドラ置き場と揶揄されて落ち込んだらしいぞ」

智葉「どこ情報だそれ、ひどいな」

菫「確か今大会のパンフレットで本人が言ってる」

セーラ「へぇ」

照「ドラとの付き合い方を少し変えて、それが功を奏したんだね」

智葉「なるほどな、ドラ爆のコントロールも難しいもんだ…」


ガチャリ

バタン


淡「た、ただいま…」シュン

セーラ「なに凹んでんの」ホッペツンツン

淡「ごめんなさい、最後のポンをしなければ…」

294: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 21:33:13.73 ID:nXaceJLwo
照「うーん、そうは思わなかったけど」

淡「え、ほんと?」

菫「あぁ、あの場面なら大丈夫だ。園城寺怜のツモはある意味仕方ない、切り替えろ」

智葉「少しヒヤヒヤしたが、まあ、よくやったよ」

淡「あ、ありがと…」ニコッ

智葉「そうそう、お前は笑ってたほうがいい」ポンポン

淡「う、うん」

真佑子「大星さんはあの中で唯一の1年生だし、すごいよ!」

淡「でも、…私はエースだから。もっと頑張る」

セーラ「あぁ、ええ心がけや。偉いなぁ、淡は」ナデナデ

淡「え、えへへ…」

295: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 21:33:58.50 ID:nXaceJLwo
次鋒戦、対局室


智葉「今日はよろしく(…ダブルドラゴンねぇ)」ペコッ

竜華「どうも、よろしゅうお願いします」ペコッ

智葉「(清水谷竜華は謎が多い。平均獲得点数は関西随一で
    完全なデジタルではないが、基本に忠実な打ち手…、)」

智葉「(しかしインハイでは時折不可解な手順で和了していた…
    その謎はいまだ解けない…一度、正面からぶつかってみるか)」 

透華「お願いいたしますわ」

智葉「よろしく(龍門渕透華…ダヴァンが言っていた相手…
   普段はデジタルだがよく道筋を外れて痛い目にあっている)」

智葉「(しかしこの龍門渕は試合中に突如豹変するらしい…
準決勝では変わった様子は見られなかったが)」

智葉「(これはじっくり様子を見させてもらわなければ)」

296: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 21:35:23.27 ID:nXaceJLwo
竜華「あれ、奈良の子遅いなぁ」

智葉「遅刻か?」

透華「もう時間がありませんわ」


やえ「おまたせ!」ドーン


智葉「…遅い」

やえ「す、すまない」シュン

透華「さぁ、サクサクはじめますわよ!」

竜華「ほなはじめるでー」

智葉「(…小走やえ、だったか。奈良では阿知賀女子以外から
    唯一選出された選手だったな)」

智葉「(堅実かつ実直な打ち手…ふふ、捻ってやるよっ!!)」ハハハ

297: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 21:36:03.98 ID:nXaceJLwo
控え室


セーラ「おぉ、恐い怖い」ケラケラ

菫「え?」

セーラ「いや、辻垣内がやな、この奈良の小走さんやっけ?を見て笑ってたんよ」

真佑子「え、笑ってないですよ?」

セーラ「さっき一瞬笑ってたんやって、それがもう邪悪な笑顔なんよ」ケラケラ

淡「智葉怒るよー、それ」クスクス

セーラ「そうかー?辻垣内らしさなんちゃうの、それが」

照「まあ、それもわからなくはないね」

セーラ「ほら、何回も戦ったことある照が言うねんから間違いないって!」

照「試合ってワクワクするって言ってたと思う」

菫「ワクワクねぇ」

照「決勝は強敵揃いだからね、楽しくて仕方ないんじゃない?」

セーラ「あぁ、そんな感じやろな~」

淡「ふむ…あ、また笑った」

真佑子「確かにちょっと恐い…」

セーラ「さて、どうなるかな」

301: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 15:36:30.43 ID:/+P2UXvdo
次鋒戦終了後、対局室


智葉「…ふぅ」

透華「……」

竜華「はぁ…」

やえ「……」

智葉「…誰か何か言え」

透華「……」

竜華「おつ…かれさん?」

やえ「お、おつかれ」

智葉「あぁ、お疲れ」

智葉「(なんだこの異常な疲労感は…)」

智葉「(原因はあいつだ…龍門渕透華…クソ)

302: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 15:36:57.08 ID:/+P2UXvdo
透華「…お疲れ様でしたわ、失礼いたします」スタスタ

智葉「お、おぉ」

竜華「ほな、うちもこれで」スタスタ

やえ「…悔しくはないのか?」

智葉「悔しくないわけないだろ」

やえ「……よくわかった」スタスタ

智葉「(前半戦の南場に入った頃から龍門渕の様子がおかしくなった…
    テンションの高かった彼女がすぅっと静かになり、)」

智葉「(無表情になり、どこかをじっと見つめて…
    これがあいつの言っていた豹変したということなのか)」

智葉「(…クソ、最後の大会だったのに。私は臨海女子を代表してやってきたのに…クソ!!)」

智葉「(悔しくないわけない、悔しくないわけが…!!!)」ドンッ!

303: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 15:37:22.24 ID:/+P2UXvdo
アナ『次鋒戦は長野代表龍門渕透華の独壇場で長野が1位に浮上っ!!!』

アナ『東京、大阪、奈良は軒並み大幅に点数を削られています!』

アナ『さぁ、中堅戦でどこまで盛り返せるか注目となります!』


次鋒戦終了後、控え室


セーラ「ふぅ」ハァー

菫「らしくない、緊張か?」

セーラ「ん、まあ、それなりに」

照「気負わないこと、セーラが淡に言ったことだよ」

セーラ「ん…うん、それは、うん」

淡「元気ないね、セーラ」

セーラ「や、元気はあるで!武者震いっちゅうやつってことにしとけ」

菫「よく言うよ」ハァ

304: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 15:37:48.47 ID:/+P2UXvdo
ガチャリ

バタン


智葉「はぁ」

真佑子「あ、おかえりなさい!」

セーラ「お、おっかえり~」

智葉「もう着替えてたか」

セーラ「まあな」

智葉「…あとは任せた」

セーラ「おぉ、任せとけ」

照「辻垣内さん、龍門渕さんには一体何が?」

菫「長野の打ち筋が急に変わって、誰もついていけなくなっていたな」

智葉「…さぁ、何が起きたのかは結局よくわからない」

智葉「ただなんて言えばいいか…上から押さえつけられるような重圧というか
   そういうものが卓全体に広がっていたような気はする」

照「重圧…か。なるほど…」

305: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 15:41:15.42 ID:/+P2UXvdo

淡「智葉、お疲れ様」

智葉「ありがとう、大星」ナデナデ

淡「ねぇ智葉、…落ち込んでる?」

智葉「はぁ?」

真佑子「大星さんストレートすぎるよ」

智葉「…落ち込んでる、めちゃくちゃ」

照「…辻垣内さん」

智葉「消え入りたい、無様だ、格好悪い…」シュン

淡「じゃあ、笑おうよ?ほら、智葉が笑ってたほうがいいって言ってたから」ニコニコ

智葉「大星…」

淡「ね?私、そう言ってもらえて嬉しかったし…」

智葉「…ありがとう」ウルッ

306: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 15:41:42.37 ID:/+P2UXvdo
セーラ「さて、ほな俺は行ってくるで」

照「頑張れセーラ!」

菫「見納めだな、スカートも」

セーラ「うん、ま、後悔せんように頑張る」

智葉「ほんと、そうだ」

真佑子「江口さん、頑張ってください!」

淡「セーラ…頑張って」

セーラ「あぁ、最後や。最後やから、楽しんでくるわ!」


ガチャリ

タッタッタッ

バタン

307: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 15:42:45.37 ID:/+P2UXvdo
アナ『さて、間もなく中堅戦の試合開始です!』

アナ『1位の長野からは清澄高校3年の竹井久、
   インターハイでは部長を務めました』

アナ『2位につけている大阪からは姫松高校3年愛宕洋榎、
   名門の主将は抜群の安定感を誇ります』

アナ『3位の東京からは白糸台高校3年、江口セーラ、
   史上初のインターハイ3連覇達成に貢献した高火力選手です』

アナ『4位は奈良の阿知賀女子1年、新子憧、
   中堅戦では唯一の1年生で、上手さの光る選手です』


照「…目標を超えろ、セーラ」

菫「大丈夫だよ、江口は」

照「うん…」

菫「私は、あいつを信じる」

照「…私も」

312: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 21:30:28.98 ID:UcEr05nko
中堅戦開始前、対局室


セーラ「まだ、お前だけかー」

憧「まーね。今日も、よろしく」

セーラ「またお前だけ1年坊やなぁ」

憧「そうね、でも、そんなの関係ないでしょ?」

セーラ「そらそうやな」

憧「…お互い、頑張ろうよ」

セーラ「あぁ、もちろん」

洋榎「あーあ、先に来てるやん」

セーラ「遅いで、アホ」

洋榎「遅ないわ、アホはお前や」

久「あなたたちインハイから何も変わらないのね」クスクス

セーラ「人間そう簡単に変わらへんって!」

313: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 21:30:55.39 ID:UcEr05nko
洋榎「こいつはいつまでたってもおっさんやからな~」

セーラ「なんやと!?」

憧「まぁまぁ、あんま時間ないんだからモメないで」

洋榎「お、ええなぁ、自分1年生やろ?」

憧「そうだけど?」

洋榎「うんうん、そういうツッコミ好きやで~」

憧「そ、そう…」

久「さて、愛宕さんも席について」

洋榎「へいへい、よっしゃ、はじめるで~!」

314: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 21:31:56.44 ID:UcEr05nko
中堅戦開始、控え室


久『ツモ』

セーラ『おっと…』


憧『それ、ロン!』

セーラ『あれ、そっちか~』


洋榎『ツモや、これは痛いやろ?セーラ』

セーラ『うっさい、はよ持ってけ』


洋榎『それロンや~。はんっ!甘いなぁ、セーラ。
   それが通るって本気で思ったんか?』

セーラ『くっ…』

315: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 21:32:48.12 ID:UcEr05nko
照「うーん…」

菫「今のところ江口はヤキトリじゃないのか」

智葉「萎縮…いや、緊張か?江口らしくないな」

淡「セーラどうしちゃったのかな…」

真佑子「江口さんが和了れないなんて…どうしちゃったんだろう?」


アナ『中堅戦前半終了ー!!愛宕洋榎、絶好調です!
   大阪が1位に躍り出ました!!』

アナ『長野は2位に転落ですが点差はごくわずかに位置し、
   奈良は4位から3位に浮上しています!』

アナ『一方、東京の江口セーラは一人沈みで、前半戦は和了できず!
   不用意な振込みが目立ち、東京都代表は最下位に転落です!』


照「ちょっと行ってくる」

菫「私も」


ガチャリ

タッタッタッ
タッタッタッ

バタン

316: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 21:33:25.12 ID:UcEr05nko
淡「じゃあ私も!」

智葉「お前は止めとけ」グイッ

淡「なんで!?」

智葉「江口の気持ちを考えろ」

淡「…え?」

智葉「あいつはお前の前だといい所見せようとするからな」

淡「そうかな?」

智葉「そうだ。こういうことは同級生に任せとけ」

淡「う、うん…」シュン

淡「(…私はいつも蚊帳の外だよ……でも、でもっ!!)」


ガチャリ

バタン

タッタッタッ


智葉「ちょ、大星!…行きやがった」

317: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 21:34:07.92 ID:UcEr05nko
対局室前、ベンチ


照「セーラッ!」ハァハァ

セーラ「…照、と、弘世ね。えらい慌てて」

菫「お前…どうしちゃったんだ」ハァハァ

セーラ「…あぁ、なんか余計なことばっかり考えてしまうねん」

照「愛宕洋榎には負けたくない、1度は必ず勝ちたいって?」

セーラ「ま、そんなとこ。意識なんかしてないつもりやったのに、」

セーラ「いざ卓についたら、あいつと向き合ったら…あかんかった」

菫「…らしくないじゃないか。メンタルはお前の武器だろ」

セーラ「ん、そのつもりやったんやけどなぁ…ごめんな」

照「謝らなくていいよ、怒ってるわけじゃない」

セーラ「…そうか」

318: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 21:34:37.14 ID:UcEr05nko
淡「はぁはぁ、ちょっと、置いていかないでよ」

セーラ「淡!…どした?」

淡「どした?は私が聞きたいよ!」

照「淡、ここは私たちに任せて…」

菫「そうだ、お前は戻ってろ」

淡「嫌だよ!私はセーラの後輩だし、大切にしてもらってるんだよ?
  こんなときに何も出来ないなんて嫌だよ!」

淡「照だって言ったじゃん!私がして嬉しかったことをしてあげて欲しいって!」

照「あ、うんそれはそうなんだけど…」

淡「私が辛い時いつも励ましてくれて、そんな先輩に
  何にも出来ないなんて…そんなの嫌だよ…」ウツムキ

セーラ「……ありがとう、淡」ギュッ

淡「せ、セーラ…?」

セーラ「ありがとう、ちょっとだけこのままな」

淡「う、うん//(うわぁぁ、抱きしめられてるよー!)」

319: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 21:35:18.86 ID:UcEr05nko
セーラ「不甲斐ないなぁ。気負うなって淡に言うたのになぁ」ハナレル

淡「そんなの…」

セーラ「自分が一番気負って自滅してるんやもんなぁ、情けない」

照「そんなことないって、セーラ」

菫「これをきっかけにいつもの江口に戻ってくれ」

セーラ「ん…」

淡「あ、あのね、えっと、…私は、…」

セーラ「ん?」

淡「目から火が出るんじゃないかってくらい熱いセーラが……私は好きだよ//」

照「淡…」

セーラ「ありがとう、ほんまいい後輩や。ありがとう」ナデナデ

淡「苦しい時は頼ってって言ってくれて嬉しかったんだ、だから、お返しだよ」エヘヘ

セーラ「うん、わかった」

320: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 21:36:00.08 ID:UcEr05nko
菫「すっかり役割を奪われてしまったなぁ、照」

照「…そうだね」

セーラ「いや、淡もやけど、俺はお前らの姿見るだけで安心できた」

照「え?」

セーラ「あぁ、一人じゃないって思えた。わかってたことやねんけどな」

菫「…なら、きてよかった」

セーラ「うん、そやで。…よし、じゃあ気合入れなおすわ」

照「頑張れセーラ」

セーラ「あぁ。平常心でやってみる。照の好きなあれな」

照「…おぉ、いいね」

菫「それはいい考えだ」

淡「なになに?」

セーラ「俺は白糸台が大好きって話」

淡「え?」

セーラ「じゃあ、戻るな。ほなあとで!」

321: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 21:37:46.72 ID:UcEr05nko
照「…ていうか淡さ、さっきどさくさに紛れて告白したよね」ボソッ

淡「は、は?し、してないし!」アワワ

菫「江口はアホだからまず気付いていないぞ」

淡「だ、だからしてないって!」アワアワ

照「いつ言うんだろうって思ってたんだけど、…今なの?」

淡「い、勢いっていうか…ってしてないから!」

照「…まあでも、言うならちゃんと伝えるといいよ」

菫「………照、お前、」

照「なに?」

菫「いや…」


淡「…??」

328: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/17(金) 22:12:49.21 ID:ovmAdi2yo
対局室内、2人


セーラ「ふぅ…平常心。白糸台の麻雀…」ブツブツ

セーラ「最後の大会…悔いなく気負わず…」ブツブツ


洋榎「点数失いすぎて独り言か?」

セーラ「あぁ?うっさいわ垂れ目」

洋榎「お前なぁ、本気でやってんのか?」

セーラ「当たり前やろ!?」

洋榎「そうは見えんな、オーラスでうちに振り込んだやつ、なにあれ?
   あれが通るって本気で思ったん?」

セーラ「…まあ、危険牌ちゃうと思ったから」

洋榎「甘い、お前はやっぱり甘いな」

セーラ「はあ!?」

329: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/17(金) 22:13:15.45 ID:ovmAdi2yo
洋榎「そんなことやからうちに勝てへんねん、アーホ」ハァ

セーラ「そ、そんなん…!」

洋榎「お前はいっつもそうやねん。守りがスカスカでも
   それより稼げば問題ないって思ってるやろ?」

セーラ「まあ…」

洋榎「それもわからんことはないけど、それは格下にしか通用せんわ。
   わかってると思うけどうちはお前より格上やで、舐めんなや」

セーラ「誰がそんなもん認めるか!」

洋榎「認める認めへんはセーラの勝手やけどな、そのままのやり方やったら
   プロにいけても2流止まりや。ちゃんと防御せぇや」

セーラ「……」ギリッ

330: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/17(金) 22:13:53.89 ID:ovmAdi2yo
洋榎「今まで自分が負けてきた理由をちゃんと考えたらどうや
   周りはお前に調子ええことばっかり言うやろうけど、」

洋榎「お前は自分を振り返ったことあるんか。しゃーないとか
   そういうこともあるとか言うて弱点を見んようにしてたんちゃうんか」

セーラ「……(くそ、何も言い返せへん)」

洋榎「うちはお前と対局するのが楽しみやった。けど、今日はがっかりや
   お前のこと、ライバルやって思ってたんも考え直すわ」

セーラ「勝手にせぇや」

洋榎「セーラ、やっぱりお前は東京なんか行くべきやなかったと思うで
   中学時代のお前の方がよっぽど強いわ、ココ、メンタルがな」トントン

セーラ「お前どこまで言うたら気が済むねん!白糸台バカにしてんのか!?」ガタッ

洋榎「自分の弱さに向き合えへんやつなんか、うちには絶対勝てへん」キッパリ

331: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/17(金) 22:14:27.75 ID:ovmAdi2yo
洋榎「…っちゅーか、宮永照、あれとチームメイトになるんは
   お前にとって百害あって一利ナシやな」

セーラ「っ!!おいコラ!言うてええこととあかんことがあるやろ!?」グイッ!!

洋榎「引っ張んなや。事実やろ。あいつがいたら勝てる、お前は他の誰でもええんや。
   そういうことを考えたことくらいあるやろ?」イタタ

セーラ「…それは」

洋榎「ま、根性論や仲間意識で誤魔化してるんかもしれへんけど、
   うちは宮永照がいることでお前は一人の雀士として、」

洋榎「うまく成長できてないように思う。あれは蓋やな。
   お前がなんと言おうと、いくら宮永照を庇おうと、うちはそう思う」

セーラ「うるさいわ!お前に、お前に俺の何がわかるんや!
    何も知らんくせに…勝手なことばっかり言うなや!!」

332: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/17(金) 22:15:33.44 ID:ovmAdi2yo
セーラ「別に俺のことは何でもええ、弱いんは事実や、お前に勝てへん。
    でも、でも、照のことは関係ないやろ!?」

洋榎「あるから言うてんのやろ、お前は素直に千里山行ったらよかったんやって」

セーラ「黙れ、黙れや!」

洋榎「そうやって怒るんは思い当たることがある、図星ってことやろ」

セーラ「黙れって言うてるやろ!?」

洋榎「黙って欲しかったら麻雀で黙らせろや、な?」

セーラ「…くそ、やったるわ!絶対勝つ!ほんで、今言うたこと撤回しろや!」

洋榎「セーラが勝てたらな」

セーラ「勝ったるわ、覚悟しとけや!!」ゴォォォォ!!

洋榎「はいはい、まあ、頑張れや」

333: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/17(金) 22:16:16.60 ID:ovmAdi2yo
洋榎「(…世話のかかるやっちゃな。でも、これで本気になったか?)」

洋榎「(白糸台や宮永照を突付けばセーラは怒るやろうと思ったけど
    やっぱり怒ったな。…やっぱ好きな人って宮永照なんかな?)」

洋榎「(まあ、それはええ。楽しませてや、セーラ。
    うちのライバルがお前以外におるわけないやろ?)」


洋榎「(さて、…)」

334: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/17(金) 22:17:24.28 ID:ovmAdi2yo
久「…バカね、ほんとあなたたちって」

憧「声でかすぎなんですけどー」

セーラ「う、すまん…」

洋榎「アホにお説教してただけやで~」

セーラ「なんやと!?」

久「はい、もう止めて。後半始まるから」

洋榎「へいへい」

セーラ「…ほな、はじめよか」

憧「ったく、3年生のくせにガキなんだから」

セーラ「…うぅ」

洋榎「ガキで結構や~」

339: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 21:39:08.53 ID:UdV/CZR4o

後半戦開始、対局室


セーラ「(元より負けられへんけど、さらに負けられへんようになったな)」

セーラ「(愛宕のアホ、好き勝手言いやがって……でも、防御しろって…)」

セーラ「(あれって、アドバイスなんかな…いや、
     まあそら防御もそれなりにしてるけど…)」

セーラ「(確かに守りよりは攻めの方が好きやし、比重は当然そっちに傾いてた
     監督も照も弘世も、それを直せとは言わずに火力を褒めてさえくれてた)」

セーラ「(照相手にだって、淡相手にだって、全国の猛者にだっていつも
     それを貫いていた、それが俺のポリシーっちゅうか、スタイルやったし…けど、)」

セーラ「(実際、照には勝った事ないし、淡にもトータルでは負け越し、
     インハイの個人戦もベスト8にさえ残れへんかった…)」

340: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 21:40:12.35 ID:UdV/CZR4o
セーラ「(守りを固めて戦ったことはないから…なんか?
     じゃあ、守備に徹すれば勝機が見えるんやろうか?)」

セーラ「(そんなこと考えてみたこともないくらい、攻めの、高火力スタイルは
     俺の中に根付いてたし、他のやり方なんて今更…)」

セーラ「(それにスタイルを変えてまで勝つ必要が…いや、勝つ必要はあるか。
     東京都の代表として、高校生活最後の大会で、しかも、)」

セーラ「(大切なチームメイトを蓋やなんて揶揄されて…悔しい、
     絶対に勝つ必要がある。…なら、やっぱり守備を…)」

セーラ「(そういえばあいつ中学のときのこと言うてたな…
     ん?中学?インターミドル……あっ!!)」

341: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 21:41:41.07 ID:UdV/CZR4o
中学時代


怜『セーラ、なんでデジタル打ちの練習なんかしてんの?』     

セーラ『んー?まあ、試してるって言うか』

竜華『試してる?』

セーラ『火力勝負に頼りがちになってもあかんかなーと』

怜『そのままでええやん、それがセーラらしさやろ?』

竜華『デジタル打ちはうちのが得意やで?』

セーラ『あぁ、そやったなぁ』

怜『まあでも、セーラは地力が高いからなあ』

竜華『どんな打ち方でもある程度はできてしまうよなぁ』

セーラ『天才っちゅうことやな!』

怜『それはどうやろ?』クスッ

セーラ『えぇー』

342: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 21:43:22.35 ID:UdV/CZR4o
セーラ「(それでも、一度公式戦で試してみたくていつものスタイルではなく
     デジタルに専念してミドルの予選を何試合か戦ったことがある)」

セーラ「(和了率は少し上がってたし、小刻みに加点して、守備もそれなりに対応できてた。
     なかなか上出来で、ある程度の手ごたえさえ感じてた)」

セーラ「(怜が言うてたように、やっぱり地力の高さがあったからかもしらん
もちろん、相手がほとんど格下やったってのもあるけど)」

セーラ「(それでも、やっぱりこんな細々した麻雀は自分らしくない。物足りない。
     そう思って止めてしまった覚えがある…そやけど、…)」

セーラ「(…できるやろか?今の俺に…冷静にセオリーを積み重ねていけるやろか?
     そんな付け焼刃の戦法が通じるほど甘くないのはわかってる…それに、)」

セーラ「(デジタルなら長野の原村とかうちの多治比とかが上手いんやろうけど…
     ていうかデジタル勝負なら竜華にすら負けそうやけど、でも…)」

セーラ「(普通にやって、それでもどうしても勝てないなら
     それでもどうしても勝たないとあかんのやったら、…やるしかないよな?)」

セーラ「(……最後の最後にスタイルを変えるなんて悔しい。
     でも、…やるしかない!!)」

343: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 21:44:14.77 ID:UdV/CZR4o
中堅戦後半開始、控え室


アナ『江口セーラが早々にテンパイ!おっと!リーチをかけません!』


智葉「ん?どういうことだ、こういう場面ならあいつ必ずリーチを…」

照「…わからないね、なぜだろう」

菫「リーチ以前に、なんだか違和感があるぞ…なんだろうか」

淡「違和感?」

菫「あぁ、江口らしくない…でもそれがなんだかわからない」

真佑子「…この局、打ち筋が完全にデジタルのそれなんじゃないですか?」

照「デジタル…そうか、それで」

344: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 21:45:09.69 ID:UdV/CZR4o
淡「ま、確かにデジタルならダマは間違ってないけどさー」

智葉「お前デジタルわかってんのかー?」

淡「むぅ!それくらいわかるもん!」ムスッ

菫「でも、江口がデジタル?振り込んでも取り返せばいいとか言ってるやつだぞ?
  しかもなんでまた急にそんな慣れないことを…」

智葉「だが、多治比が言うようにこの局デジタルに徹しているのは違いないようだ」

淡「クスッ、セーラがデジタルかぁ。…ぜーんぜん似合わないね」クスクス

照「確かにらしくない、でも、…きっとなにか考えがあるんじゃ」

345: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 21:46:09.66 ID:UdV/CZR4o
セーラ『それ、ロンやっ!!』

洋榎『うっ、お前なんでリーチしとらんねん!』

セーラ『さぁな~』


菫「中堅戦初の和了りだな、…よかった」ホッ

照「これは他家が混乱しそうだね、セーラも考えたね」

智葉「このまま上手くいけばいいがなぁ、
   奇襲的な作戦なんて長続きはしないだろ?」

淡「大丈夫だよ、だってセーラだもん」

智葉「理由になってないだろ、それ」

淡「いいの」

智葉「なんだそれは」


アナ『江口セーラが怒涛の3連荘!1位の大阪、愛宕洋榎に2度の直撃です!』

348: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:42:48.90 ID:3eIVBOhqo

対局室


洋榎「(くっそ、どういうことやねん。なんかおかしいやろ
    セーラらしくない…ダマに鳴き、…どういうことや?)」

洋榎「(ひょっとして…これデジタルか?)」

セーラ「(混乱しとるなぁ…いつまで続けられるかわからへんけど、
     読まれるまではこのまま…けど、これでええのかな…?)」

久「(大阪と東京だけでやりあってるみたいね、おかげで点は減らなくていいけど…
   1位でタスキを受けたのに2位転落…なんとかしなくちゃ)」

久「(それにしても江口さんは前半戦とは別人ね、…これはデジタルかしら?)」

憧「(おかしい…江口セーラは大きいのを狙ってくるはずなのに、
   この3連荘はどれも安手ばっかり…何か、あるのかな)」

憧「(あれ、…あの場面でダマ、先局の鳴き…基本に忠実な打ち筋…デジタル?)」


洋榎・久・憧「「「(あの江口セーラがデジタル?)」」」

349: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:43:59.46 ID:3eIVBOhqo
セーラ「(相手をかく乱させて、混乱させて勝ちを得ることも
     作戦の一つやけど、でも…俺がしたいのはこれか…?」)

セーラ「(…くそ、結局火力は捨てられへんか。
     デジタル的にはダマやけど…でも、でも…やっぱ、)」

セーラ「リーチ!」





セーラ「(相手をかく乱させて、混乱させて勝ちを得ることも
     作戦の一つやけど、でも…俺がしたいのはこれか…?」)

セーラ「(…くそ、結局火力は捨てられへんか。
     デジタル的にはダマやけど…でも、でも…やっぱ、)」

セーラ「リーチ!」



アナ『中堅戦終了!!!東京都代表の江口セーラが1位を奪取!!
   前半戦のマイナスを取り返し、1位に立ちました!』

アナ『2位には前半戦で1位だった大阪が入りました!
後半戦は復調の江口セーラに苦戦を強いられました!』

アナ『3位には次鋒から1位でバトンを受けたましたが失速した長野、
   4位には奈良が入ります。奈良は浮上ならず、低空飛行が続きます』

アナ『残すところあと半荘4回、勝負の行方は!?』

351: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:45:57.36 ID:3eIVBOhqo
中堅戦終了後、控え室


照「か、勝った…」ホッ

菫「あ、あぁ…」


照「見ているだけなのに疲れたよ…」

菫「ん、確かに。急に意味の分からんリーチしたときはどうなるかと…」

淡「でも、あのリーチはセーラらしかったよね」

智葉「ま、デジタルならダマ一択だけどな」

真佑子「はい、あのリーチもそうですが、そのあとの局でも
     わざと三色を崩したりしていましたから…デジタルからは程遠いです」

照「多治比さんはガチガチのデジタルだもんね、気になるよね」

真佑子「はい、なので江口さんのデジタル、最初の頃は見やすかったんですが…」

菫「何を考えているんだか…」

352: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:46:49.12 ID:3eIVBOhqo
淡「でも、ちゃんと高い打点で上がってたよね。切り替えたってことだろうけど…」

照「まあ、なんにせよ…セーラが1位だからね」

菫「あぁ、勝ったな」

照「…うん、きっとセーラはめちゃくちゃ嬉しいだろうね」

淡「セーラってやっぱりすごいや…」

照「告白しちゃうくらいだもんね、淡」コソコソ

淡「し、してないって!」アワアワ

照「はいはい」

353: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:47:44.18 ID:3eIVBOhqo
対局室


セーラ「おっつかれさん」

久「あなた、ほんとえげつないわね」クスッ

セーラ「えーどこが?」

憧「なんで急にデジタルに切り替えてんの?」

洋榎「そうかと思って対策したら、元に戻して…アホか」

セーラ「ふふ、ま、成功やな」

久「でも、かなり頭を使わせてもらったわ。楽しかった」

セーラ「楽しかった?」

久「ええ、インターハイの頃よりもずっと楽しめたわ、ありがとうね」

セーラ「そらどうも、ありがと」

憧「あたしは楽しめなかったなぁ、4位だしなぁ」

久「あら、でもうちとの点差なんてあってないようなものよ
  私はだいぶ削られてしまったしね」

憧「ま、うちの後続に任せますか」

久「そうね。じゃあ、また」スタスタ

憧「…また、どこかの卓で」スタスタ

354: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:49:00.65 ID:3eIVBOhqo

洋榎「…負けたなぁ、まさか負けるとは」

セーラ「ふぅ、俺の本気やで」

洋榎「正直デジタルってわかったときはイラっとした」

セーラ「え?」

洋榎「そんなんお前らしくないやん。頭のネジ飛んだかと」

セーラ「あはは、でもそうでもせんと勝てへんし。
    しかも上手くいったのも奇跡的やし」

洋榎「ま、それで勝てたんやもんな」

セーラ「そうそう。俺はお前にどうしても勝ちたかった、それだけや」

洋榎「でも最後はスタイル戻したやん」

セーラ「デジタルを貫いて勝ててもそれはなんか違うんちゃうかって」

洋榎「なるほどな、それはちょっと安心したわ」

355: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:49:40.05 ID:3eIVBOhqo
セーラ「はぁ…やっと勝てたわ」ホッ

洋榎「…お前は、セーラはうちのライバルで間違いないわ」

セーラ「愛宕洋榎、お前もや」

洋榎「…ありがとう。ほんで、さっきは言いすぎた。
   全部撤回する、すまんかった」ペコッ

セーラ「もうええ、…ええから」

洋榎「…ん」

セーラ「じゃあ、次は…プロの世界か?」

洋榎「そやな」

セーラ「ほな、また」

洋榎「…またな」

洋榎「(…撤回したけどでもやっぱり、
    お前は大阪におるべきやったと思ってるで、セーラ)」

356: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:50:14.08 ID:3eIVBOhqo
控え室


ガチャリ

バタン


セーラ「たっだいま~!」

淡「セーラおかえりぃぃぃ~!!」ギュウ

セーラ「あはは、元気やなぁお前」ナデナデ

照「おかえり、1位浮上だね」

セーラ「おう、やったったで」

菫「ハラハラさせるなよ、まったく」

智葉「デジタルか、考えたな」

セーラ「普通にやっても勝てへん、なら、奇策でいくかってな」

照「すごよセーラ」

菫「最初は混乱したぞ」

357: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:50:41.76 ID:3eIVBOhqo
真佑子「江口さん、東3局はまだデジタルやってましたよね?」

セーラ「え?あぁ、…そやな」

真佑子「あの局、北を出すタイミングがおかしかったです、やっぱりデジタルなら…」ブツブツ

セーラ「わ、あわわ!」

智葉「勘弁してやれ、所詮付け焼刃だ」

真佑子「あ、ですよね…すいません」

セーラ「や、ええけど…アドバイスありがと」アハハ…

358: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:51:45.90 ID:3eIVBOhqo
少し離れて3人


照「やったね、セーラ」

セーラ「あぁ、嬉しいで」

菫「その割には顔は緩んでいないんだな」

セーラ「今回は混乱奇襲作戦やったからな、次はもっと、ちゃんと、」

照「自分のスタイルでぶつかりたい?」

セーラ「そう、だからもっと練習して腕磨くわ」

菫「向上心の固まりだな、お前は」

セーラ「そうそう、上見とかんとな~」

セーラ「あと、…お前らが来てくれて嬉しかった。力になったで」

照「それはよかった」

菫「お前、緊張しすぎだったんだよ」

359: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:52:20.92 ID:3eIVBOhqo
セーラ「…愛宕に言われたんよ。東京には行くべきじゃなかったって」

照「えっ…」

セーラ「素直に千里山にいっておけばよかったのにって」

菫「…それでお前はなんと返事をしたんだ?」

セーラ「俺が勝ったら、撤回しろって」

照「セーラ…」

セーラ「お前らのこと悪く言われたのが一番腹たったんや。
    俺は白糸台も、お前らも大好きやし」

セーラ「だから、頑張れた。我に返って冷静になれた。
    俺の大好きな麻雀を示せたって思う」

360: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:52:50.34 ID:3eIVBOhqo
菫「…そうか」

セーラ「うん、…ほんま、よかった…」グス

照「絶対、優勝しようね」

セーラ「あぁ…よし、着替えるわ!」

照「ね、せっかくだし表彰式まで着てれば?」

セーラ「えぇ、嫌や~」

菫「あぁ、そうだな。表彰式は制服で出ろ」

照「最後なんだよ?」

セーラ「う…わ、わかった」

361: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:53:42.41 ID:3eIVBOhqo
副将戦終了後、対局室


アナ『副将戦で1位を奪取したのは大阪代表の末原恭子!!
   2位スタートから1つ順位を上げてきました!
   大阪代表は安定感抜群です!』


恭子「(魔物がおらへんしまだ楽に打てたな…
    このまま優勝を…頼むで、憩ちゃん!)」


アナ『2位には奈良の鷺森灼が入りました!
   多面張の変則待ちは今大会も健在でした!』


灼「(疲れた…ハルちゃん、TV見ててくれたかな…
   頼んだよ、穏乃…頑張れ)」

362: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:55:32.81 ID:3eIVBOhqo
アナ『3位には順位変わらず長野代表、原村和!
   堅実な打ち筋でしたが、ツモで削られて点数は伸びません!』


和「(穏乃のところの部長さんはなかなかやりますね…
   でも、あんな非効率な待ち…理解できません)」


アナ『中堅戦1位の東京は大失速!!最下位に転落です
   確実さを求める打ち手ですが、慎重さが裏目に出てしまいました!』


真佑子「(…やばい、こんな失点…どうしよう…
     宮永さんがいるとはいえ、長野にも宮永さんの妹が…うぅ)」

363: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:56:27.24 ID:3eIVBOhqo
控え室


智葉「また派手に削られたものだ」

セーラ「緊張しとったんやろ、しゃーない」

菫「そうだな、まあ、よくやったよ」

照「何点でもいい、私が全部取り返す」

淡「テルーかっこいい~♪」

照「優勝は、私たちがいただくから」

セーラ「ん、でも、妹もえげつないやろ~?」

菫「荒川憩も控えているし、奈良の大将はちとやっかいだ」

照「大丈夫、何の心配も要らない」

智葉「こういうときはやはり、お前の強さに憧れ、安堵するよ」

照「辻垣内さん…ありがと」

智葉「優勝しかありえない、頼む」

照「…うん」

364: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:57:19.81 ID:3eIVBOhqo

ガチャリ

バタン


真佑子「すいません…グス、ごめんなさい」ズズ

照「あぁ、泣かないで」ナデナデ

真佑子「だ、ってだって」グス

菫「誰にだって起こり得る、そうだろ?」

智葉「私もバカみたいに削られたんだ、同じじゃないか」

セーラ「俺もそう、萎縮して削られたんや。せやから、気にすんな」

淡「そーそ!照がいるんだから大丈夫!ね?」

照「そうだよ、安心して。全部取り返して、優勝するから」

真佑子「は、はい…頑張ってください!」

照「任されたよ」ニコニコ

365: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 21:59:23.84 ID:3eIVBOhqo
セーラ「頼もしいなぁ、照」

照「キャプテンだしね?」

菫「おぉ、そういえばそうだった」

照「えぇ、ひどい」

淡「照頑張ってー!」

照「うん、じゃあ、行くね」


ガチャリ

バタン


セーラ「…頑張れ、照」ボソッ

370: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 21:22:28.85 ID:uRZC998Po
先鋒戦開始前、対局室


照「咲早いね、もう来てたの」

咲「待ち遠しくって」

照「そっか、私も」

咲「…全力で行くから」

照「私もそのつもり。だってほら、」

咲「え?」

照「最下位だからね、全力でやらなきゃね」

咲「そっか」

憩「あれ、もう来てはったんや~」

照「荒川さん、久しぶり、インハイ以来?」

憩「あーそうですねぇ」

371: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 21:22:55.48 ID:uRZC998Po
穏乃「うぉぉぉぉ!!!」

照「ど、どした!?」

穏乃「ちゃ、チャンピオン!あ、あの!よろしくお願いします!」ペコッ

照「こちらこそ、よろしくね」

憩「チャンピオンさん恐いわぁ」

咲「ですね、化け物ですね」

照「…どの口が言ってんだか、2人とも」

穏乃「でも楽しみですよね!」

照「……楽しみ、か。そうだね、楽しみだ」ニコッ


照「さぁ、はじめようか」

372: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 21:25:31.02 ID:uRZC998Po
照「(大会が始まる前から、なんとなくそうなるだろうな
   という予感があった。いつまでも、続くはずがないと)」

照「(何の根拠もないことだし、私の予感なんてよく当たるわけでもないし
   誰にも話したことはなかった)」

照「(でも、そうなるだろうという確信はどこかにあった)」

照「(麻雀で勝つことは私にとっては普通のことになっていた。
   高校の部活生活、負けたことは一度もない)」

照「(でも、やっぱり、…そうなるだろうという確信があった)」

照「(それはそうならなくちゃいけないとも思うし、
   それは必然なのかもしれないって思う)」

照「(コクマに出るのを渋った理由に、この確信も少しは関係している。
   セーラや菫にさえ言えなかったけど、でも、関係してる)」

373: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 21:26:27.80 ID:uRZC998Po
照「(お前なんかもう要らないと言われるのが恐かった。
   価値がないと言われてしまうのは恐ろしかった)」

照「(だって、私の全ては麻雀にある。勉強が得意なわけじゃないし
   運動にも全然自信がない。麻雀しかない)」

照「(麻雀のことは大好き、白糸台も、卒業した先輩も後輩も
   みんな大好き。だから、そんなみんなを失望させたくなかった)」

照「(だから、大会には出たくなかった。もちろん、他にも
   いろんな理由があったけど、でも、これも小さな理由の一つで)」

照「(言ったところで誰も信じてくれなかったと思うけど、
   それでもやっぱりセーラと菫には言うべきだったかな…)」

照「(そんなことあるわけないって言ってくれるかな。
   気休めくらいにはなったかもしれないよね、失敗しちゃったな)」

374: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 21:28:10.58 ID:uRZC998Po
照「(…でも、やっぱり、言えないよね)」



照「(私はきっと、負ける、なんて)」

照「(連勝は止まる。下の学年が、私を追い抜いていく、なんて)」 

照「(私の時代は終わる。連勝は止まる、ここが潮時なんだ…なんて)」 



照「(淡を先鋒に推薦して、私が大将になったことで
   この確信はより強くなった)」

照「(大将には咲がいるから。インハイで私に勝てなかった咲が
   全力で向かってくることが想像できた)」

照「(弱気になっていたわけじゃなかったけど
   頭にちらつくそれは消えなかった)」

375: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 21:29:06.44 ID:uRZC998Po
照「(そして、他府県のオーダー表を見てさらにさらに思いは強まる。
   荒川憩……あぁ、私はどちらかに負けるのだろうと心は決まっていた)」

照「(それでも全力を尽くすことに変わりはなかった。
   優勝したい、最後の大会で勝ちたいという気持ちは強かった)」

照「(ただそれ以上に、私の予感が強かったのかもしれない)」

照「(ごめんねみんな、キャプテンはこんなこと考えてたんだよ
   頑張ろうとか、大丈夫とか偉そうなこと言いながら、)」

照「(本当は負けることを予感していて、しかも
   それを恐いと感じていたんだ…ごめんね、でも、)」

照「(今出来ることを全力でやるから…だから、ごめん)」

376: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 21:31:00.30 ID:uRZC998Po
アナ『大将戦終了!!!幕切れはドラマチックだぁぁ!!
   長野代表宮永咲が姉の宮永照に数え役満の直撃っ!!!』

アナ『長野県が初優勝を果たし、宮永照の連勝記録を止めました!』

アナ『2位には地元大阪、3位に大健闘した奈良、
   宮永照率いる東京は役満直撃を受けて最下位に沈みました!!』

アナ『高校麻雀の全国大会の全てで優勝を果たしてきた宮永照ですが、
   最後の最後に、しかも妹によって大記録達成は阻まれました!!』

アナ『3年間王座を保ち続けたチャンピオンは今何を思うのか!?』

アナ『会場では死力を尽くした4人に惜しみない拍手が送られています!』

377: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 21:31:41.93 ID:uRZC998Po
控え室


セーラ「……終わったな」

菫「あぁ」

智葉「ん…」

真佑子「グス、ヒック…宮永さんっ」

淡「照、照ぅ…グス、ズズ、ウワーン!!」

セーラ「泣くな、2人とも」

真佑子「だ、って、だって」

淡「そ、だよ、悲しいよ…悔しいよっ!」

378: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 21:32:15.81 ID:uRZC998Po
セーラ「ほら、あの顔見てみ?」ユビサシ

淡「えっ?」

菫「テレビに映されているとも知らずにな、あんなにまあ…」

真佑子「笑って…る?」

智葉「穏やかな顔だな、気が抜けたみたいな顔でもあるが」

淡「…悔しくないのかな」

セーラ「さあな。でも、あの顔…楽しかったんやろなぁって思う」

真佑子「ズズッ、楽しい…?」

菫「そうだな…」

379: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 21:32:44.64 ID:uRZC998Po
対局室


照「…おめでとう、咲」

咲「お姉ちゃん…」

照「どうして?」

咲「え?」

照「嬉しくないの?咲、泣きそうな顔してるよ」ナデナデ

咲「だって…」

憩「妹さんが泣きそうなんは主に宮永さんのせいちゃいますか~」

照「…どうして?」

穏乃「えっと、咲さんは…お姉さんのことが好きだからじゃないですか?」

照「わからない、どういう意味?」

憩「アホやなぁ、宮永さんは」

照「……」ムッ

380: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 21:33:46.33 ID:uRZC998Po
咲「私はお姉ちゃんに勝って欲しかった…でも、
  手を抜いたらお姉ちゃんは怒る…だから、本気でやったんだよ」

照「そうだね、それで、お姉ちゃんは咲に勝てなかった
  お姉ちゃんは弱かったんだ、今日はこの中で一番弱かった」

咲「違うッ!そんなわけない!お姉ちゃんが一番強いんだよ!」

照「咲は何が言いたいの?」

咲「……」

穏乃「咲さんは、お姉ちゃんなら、宮永さんなら全力の自分を
   超えてくれるって思ったんだよね?インターハイのときみたいに」

咲「…うん」

憩「けど超えられへんかったと。それが咲ちゃんは悔しいねんな。
  気持ちはわかるけど、それ負けたもんには酷やで?」

咲「……わかってます、でも、…ごめんお姉ちゃん」

381: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 21:34:39.92 ID:uRZC998Po
照「みんなが、咲が、荒川さんが、高鴨さんが、私より強かった。
  ただただそれだけのことだよ。私は、弱かった」

憩「いや、あんな、宮永さん一つ言わせて」

照「なに?」

憩「うち、2位にはなったけど宮永さんより強いなんて思ってへんから。
  まだまだ敵わへん、今回はたまたまや」

照「素直に勝ったって喜んでよ」

憩「そういうわけにはいかへん、そんな楽天家ちゃうんです」

穏乃「な、なら私もです!たまたま順位が上になっただけで!」

咲「私もだよお姉ちゃん、…お姉ちゃんより強い高校生なんていない」

照「…ありがとう、みんないい子だよね…ほんと、いい子だ」

382: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 21:35:51.96 ID:uRZC998Po
照「これからはみんなの時代になる。だから、頑張ってね」

穏乃「は、はい!が、頑張ります!!」

憩「宮永さんってそういう人でしたっけ?」

照「さぁ?」

咲「…お姉ちゃん、私、…頑張るね」

照「うん、頑張れ咲」ナデナデ

照「咲なら、もっと強くなれる。
  元々、小さい頃は咲の方が強かったでしょ?ね、頑張れるよ」

咲「ありがとう…お姉ちゃん//」



照「…ねぇどうしてかな?」

咲・憩・穏乃「「「え??」」」



照「私は負けたのに…清々しいんだ…すごく、気持ちがいい」

383: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 21:36:56.78 ID:uRZC998Po
照「(予感は当たってしまった。でも、やっぱりそうだよね。
   そう思えてしまうから、悔しさは思ったほどじゃない)」

照「(負けたお前に価値はないと言われるのかもと思うけど恐いけど
   でも、今はそんなことよりも軽くなった心がふわふわしている)」

照「(ふわふわと心地よくて、いい気持ち、何かから解き放たれたような気がする。
   このままどこかへ行ってしまえたらいいのにね)」

照「(3人は私に勝ったとは思わないと言ったけど、でも、私は負けたんだ。
   それは事実で、私はあの時あの3人より弱かったんだよ)」

照「(私は大好きな麻雀をこれからも続けていくと思う。プロにだって行きたい。
   そう思うと、この負けは必要不可欠だったのかもしれない)」

照「(だって、まだまだ強くなれるってわかったから。もっと強くなりたい。
   まあ、なんにせよ……私は、楽しかったよ。)


照「(咲、おめでとう)」

388: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:38:53.12 ID:WoS1hTACo
控え室


ガチャリ

バタン


照「…ごめん」

セーラ「お疲れ様、照」

菫「ほら、お前の好きなオレンジジュースだ」

淡「お菓子もあるよ!」

真佑子「と、とりあえず座ってください」

照「ありがとう、みんな」

智葉「……よくやったよ、お前は」

照「そうかな…」

セーラ「そうや!当たり前や!」

照「…ありがとう」

菫「素晴らしい試合だった、それは事実だろ?」

照「…うん、そうだと思う。負けといてあれだけど、楽しかったよ」

389: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:39:18.61 ID:WoS1hTACo
セーラ「な、言うた通りやろ?」

淡「あ、うん…」

真佑子「…みたいですね」

照「え、なにが?」

セーラ「試合後のお前の顔見てたら、あぁ、楽しかったんやろなぁって」

菫「この2人は本当に楽しかっただろうか?と疑問に思ってたみたいでな」

照「そうなんだ、でも、楽しかったよ」

淡「照…かっこよかったよ」

照「ありがとう、淡」ナデナデ

セーラ「ただ、ちょっと…」

菫「ん?」

照「なに?」

390: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:39:52.53 ID:WoS1hTACo
セーラ「……いろいろ、なんか、思うことあるから、グスッ」

智葉「おいおい…」

セーラ「やっぱ、ちょっと、悔しいな…ヒック」

照「ごめん、不甲斐ない」

セーラ「いや…」

照「ごめんね、セーラ」ギュッ

セーラ「や、うん…グスッ、、ズズッ」

菫「…泣き虫、グス」

セーラ「うっさい…お前もやろ」

淡「……みんな」

391: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:40:26.38 ID:WoS1hTACo
智葉「はぁ…終わってしまったな」

真佑子「……私も、グス、楽しかったです」

淡「グス、うん、楽しかった…ヒック、最高だったよ!」

智葉「ったくお前ら泣きすぎだろ…ズズッ」

照「…だね、グス」


セーラ「(俺らは6人、この部屋でしばらく延々と涙を流していた)」

セーラ「(負けてしまった悔しい気持ちも当然やけど、きっとそれ以上に…)」

セーラ「(それ以上に、喪失感が大きかった。
     終わってしまったという気持ちが、涙に拍車をかけていた)」

セーラ「(表彰式のために、とスカートのままでいたのに、
     4位の俺らが表彰式に出ることはなかった)」

セーラ「(そうして、俺ら3年生は3年間の高校麻雀にそっと幕を下ろした)」

392: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:41:34.35 ID:WoS1hTACo
同じ日の夜、宿舎、セーラと淡の部屋
セーラ、怜、竜華の3人


怜「ごめんなぁ、急に」

セーラ「いやええよ、俺も会いたかったしな」

竜華「大星さんにも悪いことしたかな」

セーラ「…まあ、ええやろ。照と弘世のとこ行ったんやろうし」

怜「こう、落ち着いた場所でゆっくり話がしたくてな」

竜華「会場やと、試合が終わったあとはいろんなとこに記者さんおるしなぁ」

セーラ「そやな、外野がうるさいって言うて照なんか真っ先に宿舎に戻ってたわ」

怜「まあ、宮永さんはな…うん、そらまあ注目されるって」

竜華「連勝記録が最後の最後で止まったんやもんな…びっくりしたわ」

怜「そやねん、オーラス始まる前の時点では宮永さんは2位やったけど
  最後はやっぱり宮永さんが勝つって全国の人がそう思ってたんちゃう?」

竜華「そうそう!あそこで数えの直撃なんて想像でけへんって」

393: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:42:19.58 ID:WoS1hTACo
セーラ「…照だけは、多分負けるってわかってたと思うで」

竜華「え、なんで?」

セーラ「なんとなく」

怜「なんやそれ?」

セーラ「あいつ、やっぱそうなるよなぁ…的な顔してたんよ、振り込んだ直後」

竜華「そうなん?てかよう見てるなぁ」

セーラ「それ見てな、あぁ、なんかわかってたんかなぁって」

怜「宮永さんに聞いた?」

セーラ「ううん、それは聞いたらあかんような気がする」

竜華「まあな、負ける予感あったか?なんて聞けへんわな」

セーラ「そう、それは聞いたらあかん。ただ、お疲れって言うだけや」

394: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:42:53.14 ID:WoS1hTACo
怜「そっか、あ、憩ちゃん言うてたで、こんなんで勝ったって思いたくないって」

セーラ「照に?」

竜華「うん、宮永照はもっと強いもっと、恐ろしいんやって」

セーラ「そうか…照はそんなことない、とか言いそうやけど」

怜「実際、素直に喜べばいいのにって言われたらしいけどな」

セーラ「あはは、そらそうや」

竜華「…で、セーラ、この次はどうするん」

セーラ「次?プロか?」

竜華「そう、プロに行くんやろ?」

セーラ「コクマ決勝の次の日が交渉解禁日やからなぁ…
    先輩の話やと、電話が鳴り止まんみたいや」

怜「らしいな、セーラほどやったらそうなるやろ」

セーラ「怜もやろ?あ、竜華も」

395: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:43:18.64 ID:WoS1hTACo
竜華「いや、うちらは…」

セーラ「え?」

怜「プロは行かへんねん、大学に行く」

セーラ「そうなん!?」

怜「ん、まあ…いろいろ考えたんやけどな」

セーラ「そうか…ちょっと、さみしいな」

竜華「続けるで、麻雀は。でも、プロはもう少し先の話やな」

セーラ「怜は十分通用するやろ?」

怜「監督はな、そう言うてくれはるんや。怜やったら推薦したるって」

セーラ「ええやんか、愛宕監督やったらプロにでっかいパイプもあるやろし」

怜「うん、そやねんけどな、でも、…プロになりたいかって言われると、
  今はまだ、はっきりと『なりたい!』って言えるかどうか」

竜華「卒業して、すぐに麻雀を仕事にって私もやけど、怜も
   そういう風にはまだ考えられへんねん」

セーラ「なるほど…俺のところは照も弘世も俺もプロ志望やし
    大学って選択肢があんまなかったから、ちょっと驚いた」

396: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:43:45.74 ID:WoS1hTACo
竜華「3人ともプロへ行くんか、ええやん、3人ともプロ向きっぽいで」

怜「うんうん、三尋木プロが言うてたで、プロになるときに重要なんは
  強い弱いも大切やけど、プロの環境にどんだけ慣れられるかやって」

竜華「ま、最後に『知らんけど』って言うてたからどこまでほんまかあれやけどな」クスクス 

セーラ「あの人らしいな」クスクス

怜「うちらはセーラの挑戦、応援するから」

竜華「そうそう。ファンクラブ入るで」クスクス

セーラ「ん、ほな頼む」ケラケラ

怜「ほんで本題や」ニヤニヤ

セーラ「え、な、なんや?」アワワ

竜華「セーラ、あれはどないなってるん?」

セーラ「あ、あれ?」

397: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:44:32.44 ID:WoS1hTACo

怜「宮永さんに告白されたーってやつと、弘世さんのことやん」ニヤニヤ

竜華「夏休みからぜーんぜん経過報告ないねんもん!」

セーラ「あ、あぁ…まあいろいろあって」

怜「どうなん?」

セーラ「照は、断ったで。好きな人がいるからごめんって」

竜華「そんでそんで?」ワクワク

セーラ「ひ、弘世がその、好き、やから、ごめんってな」カオマッカ

怜「えらいはっきり言うたんやなー!」

竜華「セーラ照れすぎやろ、可愛いなぁ」

セーラ「う、うっさい!」

怜「弘世さんには?」

セーラ「…照の告白断るなんてって怒られて理由聞かれて、
    言うてしもたんよ、その、す、好きやって//」

竜華「へー!」

怜「意外と大胆や!」

398: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:45:06.97 ID:WoS1hTACo
セーラ「けど、その前に聞いてたんや、弘世には好きな人がいるって。
    そやから、玉砕覚悟な告白やったよ」

怜「そうなんや…」

竜華「ちょい、きついな」

セーラ「でもええやん、好きは、その、好きやしな…照れるけど」

怜「で、返事は?」

セーラ「聞いてない。今は聞きたくないってずっと返事聞かずや。
    コクマもあったし、何かと忙しかったからなぁ」

セーラ「でもどうせ断られるやろ、好きな人おるんやろうし」

竜華「誰なんやろなぁ、心当たりは?」

セーラ「さぁ…照かと思ったけど、それは違うって言うてたし」

怜「ほな、セーラやろ」キッパリ

セーラ「はあ?なんでそうなるねん、あいつ俺のこと好きちゃうやろ」

竜華「あぁ、でも怜の言う通りかも」ナルホド

399: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:45:38.25 ID:WoS1hTACo
セーラ「あいつが俺を好きになるとは思えへんし、
    だいたいあいつ照の応援しとったんやで?ありえん」

怜「そんなん宮永さんに遠慮してただけかもしれへんやろ?」

セーラ「ま、まあそうやとしても、いや、ないって」

竜華「まあ、うちらの全然知らん子かも知れへんけどなー」

セーラ「そ、そうやろ…そうに決まってるわ」

怜「…そうかなぁ」

セーラ「まあ、でも…大会も終わったし、俺は返事を聞くときやって思ってる」

竜華「うん、ええんちゃう?先延ばしはどっちもしんどいしな」

怜「もし、もし、弘世さんがセーラを好きやったらどうするん?」

セーラ「どうって…嬉しい…んちゃうの?」

竜華「そやんな、うん」

400: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:46:12.67 ID:WoS1hTACo
怜「私は竜華と一緒におれて幸せやで、せやからセーラも幸せになってな」

竜華「怜…うちも幸せやで」

セーラ「ノロケかい。でもうん、ありがとう怜」

怜「…じゃ、頑張ってや」

竜華「そうやで、すぐに報告してや?心配やし」

セーラ「はいはい、わかった」


コンコン


セーラ「ん、誰やろ?」

淡『セーラ、そろそろいい?』

セーラ「淡か、ええよー!」


ガチャリ

バタン

401: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:46:42.05 ID:WoS1hTACo
淡「ごめんね、邪魔して…照がもう寝るからって」

セーラ「いやいや俺こそ、よそへやってごめんな」

怜「大星さんごめんな、邪魔して」

竜華「うん、うちらももう帰るし」

淡「あ、あの園城寺さん!」

怜「ん?」

淡「今日は負けちゃったけど、でも次は絶対勝つから!」

怜「ええ顔してるなぁ、熱いなぁ」

セーラ「そやろ?うちのエースさんやからな」ナデナデ

淡「え、えへへ//」テレ

402: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:47:07.66 ID:WoS1hTACo
竜華「ほな、そろそろ」

怜「うん、じゃあまたなセーラ」

セーラ「おう、遅いし気をつけてな」

怜「うんありがと、でも、うちの宿舎もすぐ近くやし」

竜華「じゃあ、また」

淡「またね!2人とも!」

セーラ「またな、おやすみ」


ガチャリ

バタン

408: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 17:25:04.49 ID:ZdUpYjC9o
セーラ「さて、シャワー浴びて寝るかぁ」

淡「何の話をしてたの?」

セーラ「進路とかやな」

淡「へー…園城寺さんプロ行くの?」

セーラ「いや、大学やって」

淡「そうなんだ…ちょっともったいないね」

セーラ「ま、怜の人生やし、病弱やからな」

淡「そっか、そうだね」

セーラ「あ、そや。淡が先にシャワーでええよ」

淡「いいよ、セーラが先で」

セーラ「そう言うけど、眠そうやで?」

淡「そ、そんなこと…でも、先に入るね」

セーラ「おう、そーしとけ」ナデナデ

409: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 17:25:46.06 ID:ZdUpYjC9o
淡「ね、セーラ…セーラにとってさ、」

セーラ「ん?」

淡「私って…後輩、だよね?」

セーラ「えぇ?それは至極当たり前やけど、なんで?」

淡「う、ううん!なんでも!シャワー入るね!」

セーラ「あ、でも」

淡「え?」

セーラ「ただの後輩ちゃうで?誠子も尭深も可愛いけど、でも、
    淡は特別ちゅうか、…こんなん言うたらあれやけど」

セーラ「俺にとっては一番可愛い後輩やし、…やっぱ、大事な存在やで
    何回も助けてもらったし、感謝してる」

淡「そっか…うん、こちらこそありがとう、セーラ」ニコッ

セーラ「どういたしまして」ナデナデ

410: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 17:27:05.20 ID:ZdUpYjC9o
淡「…でも、私は、私は、…私はね、」

セーラ「私は?」

淡「ただの先輩だって思ってないよ、大好きな先輩って思ってる」

セーラ「そうかーありがとうなぁ、淡」

淡「…世界で一番大好きな、先輩だよ…
  ううん、先輩とか後輩とかじゃなくて…」

セーラ「えっ?」

淡「私、…セーラのことが好きだよ…大好き//」ギュウッ

淡「セーラのかっこよくて、優しくて、面白くて、
  色んなところにいっぱい憧れて、好きになったんだよ…」

淡「…セーラがどう思っているかはわからないけど、
  でも私は、セーラが大好きだよ…えへへ//」テレ

411: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 17:29:05.13 ID:ZdUpYjC9o
セーラ「あ、淡…え、あ、えっ…」ポカーン

淡「あ、えっと…ごめん、シャワー浴びてくるから…」スッ

セーラ「あ、うん…」


バタバタ

ガチャリ


セーラ「(えっ?えぇ?えーーーー!!!?)」

セーラ「(は?え?今、淡は何て言うた?好き?だ、誰が?俺が?)」

セーラ「(え?いやいやそんなわけ…でも、好きって…)」

セーラ「(あんなに顔を真っ赤にして照れて…それってやっぱり…)」

セーラ「(っちゅうか大会の最終日にホテルでこんなん言われるとか
     激しくデジャブなんやけど…え、これどないしよ!?)」

セーラ「(弘世に返事を聞くとかそういうこと言うてる場合ちゃうやろこれ!)」

412: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 17:29:39.82 ID:ZdUpYjC9o
コンコン


セーラ「え、誰や?…はーい?」

菫『江口か?淡はいるか?』

セーラ「(えぇっ!!?こんな時に来んなや…)」

セーラ「ちょ、ちょっと待ってや」


ガチャリ

バタン


菫「あぁ、これ淡の忘れ物だ」ハイ

セーラ「お、おう…淡はシャワーやわ」

菫「そうか、なら渡しておいてくれ」

セーラ「わ、わかった」

菫「…?どうした?」

セーラ「え、いや?別に何も?」

413: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 17:30:31.31 ID:ZdUpYjC9o
菫「そうか?…あ、そうだ照なんだが」

セーラ「照?」

菫「心ここに在らずというかぼーっとしててな、
  さっきも淡が部屋にいたがほとんど話さなかったよ」

セーラ「そうなんか…大丈夫か?」

菫「気が抜けているような感じなのかもしれないな」

セーラ「もう寝たんやろ?また明日になれば元に戻るんちゃうかな」

菫「まあ、それを願うよ」

セーラ「うん、照は強いから大丈夫や」

菫「あぁ、じゃ帰るよ」

セーラ「おやすみ、弘世」

菫「…そうだ江口、あ、いや、なんでもない、おやすみ」

セーラ「ええの?まあ、いいけど…じゃ」


ガチャリ

バタン

414: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 17:32:18.86 ID:ZdUpYjC9o
セーラ「…はぁ、どうしよう?」ボソッ

セーラ「(まさか淡がそんなこと考えてるとは…
     いつからやろ?まあ、ベッタリなんはわかってたけど、)」

セーラ「(それは先輩として懐かれてるだけやって思ってたで…
     好きって、そんな…そこまで想ってくれてたなんてなぁ)」

セーラ「(…ごめんな、淡。全然気付いてへんかった…
     人を好きになるって辛いし苦しいよなぁ、淡もそんなこと思ってたんかなぁ)」

セーラ「(やっぱりちゃんと言うべきか…好きな人がいるって。
     でも、後輩を傷つけたくない…なんて、それは俺のエゴか…)」

セーラ「(…待つのはしんどいよな、なら、もうちゃんと本当のことを…)」


セーラ「…うーん」

417: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 22:28:46.60 ID:ZdUpYjC9o
しばらく経って…


ガチャリ

バタン


淡「お先~。あがったよ~」

セーラ「お、おお。な、なぁ、淡…」

淡「…待って、さっき言ったヤツなんだけど、忘れて」

セーラ「は?」

淡「気の迷いだよ、言うつもりなかったのに言っちゃった。
  だから、全部忘れて…ね?」

セーラ「…いや、忘れられるはずないやろ」

淡「じゃ、じゃあウソってことで!
  ごめんねウソついて、びっくりしちゃったよね!」アワアワ

セーラ「お前、バカにしてんのか!?」イラッ

418: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 22:29:28.78 ID:ZdUpYjC9o
淡「してないよ!でも、でも、セーラの顔見たらわかっちゃったんだよ!」

セーラ「なにが!?」

淡「あぁ、断られるんだろうなってすぐわかったよ!
  だから何も聞きたくない、だから全部忘れてよ!」

セーラ「…なんやそれ」

淡「…お願い、セーラ」

セーラ「あかん、そんなんあかん。忘れられへんし」

淡「……」

セーラ「俺を好きでいてくれたんやろ?嬉しいで、淡」ナデナデ

淡「……」

セーラ「全然気付けへんくってごめんな。俺、鈍感ってよう言われるし…。
    ちょっと戸惑うけど、でも嬉しいで?」

419: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 22:30:02.42 ID:ZdUpYjC9o
淡「セーラが私を、…後輩にしか思ってないことはわかってたよ…
  でも、…もしかしたらって思って口が滑っちゃったんだよ」

セーラ「言うつもり、ほんまになかったん?」

淡「少しは…あった、けど…」

セーラ「なら、やっぱり忘れへん。はい、心に刻みましたー」

淡「むぅ…」

セーラ「断られるのが恐いなんてみんなそうやろ?
    それでも伝えたくて言うんやんか」

淡「…それはそうだけどさ、やっぱり聞きたくないもん」

セーラ「うーん、気持ちはめちゃめちゃわかるんやけどな」

淡「え?」

セーラ「でも、俺は後悔はしてないし、忘れて欲しいとも思ってへん」

淡「どういう意味?」

420: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 22:30:47.51 ID:ZdUpYjC9o
セーラ「てかさ、淡が忘れろーって言うんはなんか寂しいって。
    お前が俺を、その、好きって言うてくれた気持ちまで、」

セーラ「全部丸ごとどっかいってしまいそうやんか。
    それまでなかったことにするんか?」

淡「そ、そんなことしないよ!…好きは好きだもん」ボソッ

セーラ「ははは、ならええけどな」

淡「…セーラ、ついさっき言ったこと、それってさ、」

セーラ「淡、はっきり言う。お前のこと傷つけたくないけど、
    でもここではぐらかしたり曖昧にしたら、」

セーラ「いつか余計にもっと傷つけることになると思うから、
    だから、ちゃんと答えようって思う」

淡「…うん、言って。聞きたくないけど、でも言って」ゴクリ

421: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 22:32:14.23 ID:ZdUpYjC9o
セーラ「淡の気持ちはめっちゃ嬉しい。ほんま、嬉しい。
    でも、俺には好きな人がいる。だから、ごめん」

淡「そっか…」ショボン

セーラ「(…照の時も思ったけど、こんなん言うのきついわ。
     胸が痛いなぁ…ごめん、淡)」

淡「ねえ、それは…誰って聞いていいの?」

セーラ「…ん、それはまあ…そのうち言うわ」

淡「内緒なんだ?」

セーラ「すまん」

淡「いいけどさ。なんとなくわかるし」

セーラ「そうか」

淡「…うん」

セーラ「けどな、そいつ好きな人がいるねん」

淡「そうなの?」

422: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 22:33:42.66 ID:ZdUpYjC9o
セーラ「そうや。気持ち伝える前にそれを聞かされたんやけどな、
    でも、それでも俺はちゃんと告白したで」

セーラ「望みなんかないに等しい告白やったけど、でも、
    さっきも言うた通り後悔してないで」

セーラ「答えを聞くのは恐いけど、言うたこと自体を
    忘れて欲しいとは思わへんのや」

淡「セーラは強いからだよ。私は弱いもん…今すぐに泣きたいもん」

セーラ「…ごめんな」

淡「あはは…ふられるのってきついね…」

セーラ「う、うん」

淡「…一人になりたいからセーラは早くシャワーにいってよ」

セーラ「あ、あぁ…淡、それでも、お前は大事な後輩やで」ポンポン

淡「そういうの、今言われるときついよ」

セーラ「ごめん…じゃあ、シャワーいくから」

423: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 22:35:15.95 ID:ZdUpYjC9o
淡「うん、…おやすみ」

セーラ「おやすみ、淡」


ガチャリ

バタン


セーラ「…はぁ。淡ごめん…」ポツリ


淡『グス、…うわぁぁ…ズズ、ヒック』


セーラ「淡…」


淡『セーラっ…』


セーラ「丸聞こえやっちゅうねん…もう」ボソッ

424: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 22:36:27.25 ID:ZdUpYjC9o
セーラ「(泣いている淡を見たくなくて、
     ゆっくりシャワー浴びてから出ると淡はすでに眠っていた)」

セーラ「(目の周りや鼻は赤くなっていて、ズキンと胸が痛む)」

セーラ「(可愛らしい寝顔を見つめ、綺麗な髪を撫でると
     淡と過ごしてきた時間が思い出される)」

セーラ「(いつも頼ってくれた、いつも甘えてくれた。
     でも、ほんまに頼れるのは方で淡で、とても頼もしかった)」

セーラ「(セーラがいなきゃとっくに辞めてると言われたときは
     やっぱり嬉しかった。そんな子を傷つけてしまった)」

セーラ「(…淡は強いから大丈夫と自分に言い聞かせても、
     淡の泣き声がふっと頭の中に浮かんでしまう)」

セーラ「(照に、弘世が好きやからごめんと言った時は辛かった。
     辛くて、胸が痛かった。)」

セーラ「(今も同じくらい、いや、後輩を傷つけてしまったと言う意味では
     それ以上に苦しい。頭を抱え、ベッドに寝転がる)」

セーラ「(…ただ願うのは、朝起きたときに淡が笑ってくれることだけ)」

428: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 21:50:24.69 ID:jOL/FZPmo
同じ夜、深夜、照と菫の部屋


照「菫…まだ寝てないの…」

菫「っ!!き、急に声を出すなよ…びっくりさせるな」

照「ごめん、目が覚めたら菫がまだ起きてるって思って」

菫「…なんだか眠れなくてな」

照「そっか、ごめんねさっさと寝ちゃって」

菫「いや、いいんだ…照は疲れているだろ。
  私は補欠で試合には出てないから」

照「でも菫は試合に出てなくても、みんなをまとめてくれてたよ」

菫「まあ、それくらいしかすることがなかったからな」

照「謙遜しちゃってさ」

429: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 21:51:14.51 ID:jOL/FZPmo
菫「…心配してたんだぞ、照」

照「え?」

菫「試合が終わってからどこか心ここに在らずじゃないか」

照「…少しだけ感傷に浸ってるだけだよ」

菫「なんでもないならそれでいいんだ…明日は解禁日だし、早く寝ないとな…」

照「解禁日かぁ…」

菫「照なら全てのプロチームが獲得に乗り出してくるだろうな」

照「そうかな、意外とバラけるよ、こういうのって」

菫「まあ、バラけてくれないと私や江口がプロに行けないからな」

照「まあ、そうだよね」

菫「楽しみでもあり、恐くもあるな…」

430: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 21:51:56.31 ID:jOL/FZPmo
照「…ねぇ、菫、せっかくだから聞いてもいいかな
  大会も終わったし、もういいと思うんだよね」

菫「えっ?」

照「明日には東京へ帰るし、2人でこんな話をゆっくりできることなんて
  もうあまりないだろうから、はっきり聞くよ」

菫「…あぁ、言えよ」


照「菫はさ、セーラが…好きだよね?」


菫「……なぜそう思う?」

照「そういう返しは認めているのと同義だと思うんだけど」

菫「質問に答えろ」

照「なぜそう思うかは、菫を見ていれば分かる、でいい?」

菫「は?」

431: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 21:52:53.68 ID:jOL/FZPmo
照「だから両想いだよね、菫とセーラって」

菫「いやいや、お前はさっきから何を言っているんだ」

照「私に遠慮しているから返事をしてあげないの?」

菫「いや、あのなぁ、照」

照「私はいつも自分のことで精一杯だったんだ、
  だから菫が誰を好きでどう思っているとか、」

照「そういうことはあんまり見えていなかったんだよ。
  菫に話を聞いてもらって、それで満足しちゃってて、」

照「菫だって話したいこととか相談したいこともあったろうにさ、
  私って自分のことばっかりだったんだよね」

菫「そんなことはない。私がそれでいいと思っていただけだ。
  照は、麻雀以外のことだと少し打たれ弱いところがあるから、」

菫「私が照を支えなくちゃと自惚れていただけだよ。
  だから、照はそんなこと考えなくていいんだ」

432: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 21:53:32.22 ID:jOL/FZPmo
照「相変わらず優しいよね、そうやって自分の感情を殺してる。
  本当は好きな人がいるのに見ないふりをして」

菫「そんなことはない、私は別に…」

照「セーラを好きで好きで仕方がなかった私だったけど
  きっぱりとふられて、目が覚めたところはあったんだよね」

照「セーラが好きなのは菫だって聞かされてさ、そこで初めて
  あぁ、なら菫にも好きな人っているのかなって思ったの」

菫「……」

照「ほんと、最低っていうか、そこでようやく
  自分がどれだけ菫に頼りきりで、」

照「自分のことしか見えてなかったんだろうって気付いたんだ」

菫「…それで?」

照「戸惑ったよ、セーラが菫を好きなんて、きついよね。
  きついっていうか、辛かった。気まずかったよ」

433: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 21:54:15.81 ID:jOL/FZPmo
照「でも、それじゃいけないって。私は菫ともセーラとも
  そういう感情抜きにずっと親友でいたいって思ったし、」

照「それで、私は気持ちを切り替えることが出来たよ。
  まあ、少しずつだけどね。簡単に割り切れることでもなかったから」

菫「…あの日、お前がもう麻雀はやらないって言い出した日、
  『親友でしょ?』と言ってくれたのは嬉しかったよ」

菫「理由がどうあれ、私はお前とはもう友達に戻れないんじゃないかって
  そう怯えている部分もあったのは確かだ」

菫「私を好きだと言った江口をやっぱり少しは恨んだし、
  自分自身も責めていたよ。照を傷つけてしまったって」

照「そんなこと…」

菫「それでも照は、親友と言ってくれた。それが嬉しかった。
  また3人で仲良く出来るのかもしれないと思えたよ」

照「そうだね、私もほっとしてた。それで、少し冷静になれた私は
  菫はセーラの告白をどう思ってるんだろうって考え始めた」

434: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 21:54:48.64 ID:jOL/FZPmo
照「普段のセーラは告白したことなんて全然気にしていないフリをしてたけど、
  それでもよく見ていると、いつも菫のことを気にかけていたように見えたよ」

照「それで、今まで見えていなかった菫のこともよく見ているうちに…
  あれ、菫ってセーラのこと好きなんじゃないかって思うようになった」

菫「そこがまず間違ってるぞ」

照「ううん、間違ってない。菫は何かにつけてセーラに世話を焼くよね。
  面倒だって言いながら、顔はそんなに面倒くさそうじゃない」

菫「気のせいだろ」

照「なんだかんだ言って、悪態ついたり怒ったりしてても
  菫はセーラが気になるんだって思えたし、」

照「たまに見せる笑顔はやっぱり、好意のそれだったと思うよ
  だから、私が、私自身がなんだかモヤモヤしてた」

照「両想いなんじゃないか。なのになにをモタモタしてるんだろうって。
  早く気持ちに応えてあげればいいだけなのに、なんでだろうって」

435: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 21:55:31.36 ID:jOL/FZPmo
菫「つまらない勘違いもいい加減にしろ、照」

照「ううん、私は2人を一番近くで見てきて、
  これが勘違いだとも間違いだとも、気のせいだとも思えない」

菫「その自信はどこから出て来るんだよ」

照「私は2人が大好きだから」

菫「はぁ、なんだよそれ」

照「このことは大会が始まる前から気付いてたよ、
  でも、大会に影響が出るかもって思って黙ってた」

菫「それは賢明な判断だったな」

照「そうやって誤魔化していればいいけどさ、
  そんなことばっかり言ってるとほんとに、」

照「ほんとにいつか淡にとられちゃうよ、それでいいの?」

436: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 21:56:25.89 ID:jOL/FZPmo
菫「なぜここに大星が出て来るんだよ」

照「淡はセーラが好きじゃん、菫も知ってるでしょ?」

菫「まあ、あいつは態度に出るから…見ていれば分かる。
  今日も告白まがいことをを言っていたし…」

照「そうそう。積極的で可愛い後輩に迫られたら
  セーラも菫より淡を選ぶかもしれないよ?ほんとにいいの?」

菫「そうならそれでいいだろ、私には関係ない」

照「本気でそう思ってるの?」

菫「いいか照、私が江口を好きだとかいう決めつけから
  そんなことを言うのはやめろ。全部、照の勘違いなんだよ」

菫「私は江口のことなんて、好きでもなんでもない。
  もちろん、友人としては好いているが、それ以上の感情はない」

照「どうして?どうして認めないの?私に遠慮しているの?
  私はもういいんだよ。二人を応援したいって思ってる」

照「だから、本当の、菫の気持ちを教えてよ」

437: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 21:57:01.52 ID:jOL/FZPmo
菫「…あいつは親友で、恋愛感情はない。
  遠慮しているとすれば、あいつを傷つけたくないという遠慮だ」

菫「江口は強がるところがあるから、好きにはなれないと言っても
  笑って礼を言われるだけで終わるだろう」

菫「でも、泣くんだよ。一人でこそこそ泣いて、
  気持ちをぶつけるとこがなくなって自己嫌悪に陥る」

菫「私はそんな江口は見たくないし、だからこそ傷つけたくない。
  今あるのは、照に対する負い目よりも、そっちの感情だ」

照「じゃあ、全部私の勘違いなんだね、菫はセーラを好きじゃない。
  そういうことなんだね。わかった、わかったよ」

菫「…そういうことだ」

438: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 21:57:28.97 ID:jOL/FZPmo
照「ごめんね、変なこと言って。私、暴走してたみたいだ」

菫「いや、…わかってくれればそれでいい」

照「じゃあセーラはふられちゃうんだね、悲しいね」

菫「あいつにふられたお前も一緒だろ」

照「うん、じゃあふられたもの同士くっつけるかなぁ…」

菫「さあな」

照「あぁ、でも淡に先越されちゃうかも…」

菫「…私は寝る」

照「うん、おやすみ菫」

菫「おやすみ、お前は疲れているんだからゆっくり寝ろ」

照「ありがとう、…つまんない話なんかしてごめん」

菫「…いや、いいんだ。おやすみ、照」

439: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 21:58:30.60 ID:jOL/FZPmo
菫「(私はとんでもない意地っ張りだと思う。
   本当のことを言われると違うと言いたくなる)」

菫「(そのことが真に迫ったものであればあるほど、
   強く否定したくなってしまう)」

菫「(そうして誤魔化すようにぺらぺらと話しているうちに、
   思ってもいないことが、スラスラと零れてくる)」

菫「(平気な顔をしてウソをついてしまう。
   心配してくれている友達に対して、本当に最低なことをしている)」

菫「(それでも、それをウソだとわかっていても
   友達は身を引いてくれる。わかったと納得してくれる)」

菫「(今日は少し粘られてしまったけど、でも最後には引き下がってくれる。
   その優しさに甘えて、私は真実を覆い隠す)」

440: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 21:59:38.53 ID:jOL/FZPmo
菫「(私はどうしても素直になれない。あまのじゃくで、気難しいのが私だ。
つまり、私なんかを好きになってはいけない。いいことなんか一つもない)」

菫「(だから、私はあいつの気持ちを受け取らない。
   今のままがちょうどいいんだ。3人でいるがちょうどいい)」

菫「(あいつが誰を好きになろうが、誰と付き合おうが
   私には関係ない。このままがいいんだから)」

菫「(…私は、誰も好きじゃない。私は、……これでいい)」



菫「(すまない…江口)」

445: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 22:57:21.45 ID:kKwDjGyro
朝、セーラと淡の部屋


セーラ「んっ…朝か…」


淡「朝だよ、セーラ」

セーラ「あれ…もう起きてたん?」ムニャムニャ

淡「うん、冴えちゃって」

セーラ「そ、そうか」

淡「あのさ、」

セーラ「う、うん?」

淡「あの、えっと、…い、今までどおりでさ、えっと」

セーラ「今までどおり、お前は俺の大事な後輩やで。
    そのことに、何の変わりもない」

淡「…ありがとう」

セーラ「うん…普通で、いこうや。今までと、一緒や。
    下手に勘繰られるんもイヤやろ?」

淡「そうだよね、…うん」

446: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 22:58:20.05 ID:kKwDjGyro
セーラ「最初は難しいやろうけど…でも、俺はそうしたい。
     淡はどうしたい?」

淡「私もそれでいいよ…けど、忘れないで欲しいんだ」

セーラ「え?」

淡「私はずっと、セーラが…好きだから」

セーラ「あぁ…うん、その気持ちは俺にはどうのこうのできひんし…」

淡「覚えててね?」

セーラ「あぁ」

淡「よし、じゃあもう辛気臭い話やめやめ!セーラ顔洗ってきなよ~
  お腹すいたしご飯食べよ?」

セーラ「はいはい、ほなちょっと待っててや」バタバタ

淡「うん、早くねー」



淡「…普通に、か」ボソッ

447: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 22:58:57.18 ID:kKwDjGyro
朝、菫と照の部屋


照「菫、昨日あれから少し考えたんだけどさ」

菫「またその話か、もういいだろ」イラッ

照「よくない。納得したふりはしたけど、してないから」

菫「…で、何が言いたいんだ?」

照「私は…やっぱりセーラが好きだし、菫は大親友なんだよ」

菫「……うん」

照「セーラは菫が好きで、菫もセーラが好きでしょ?だから、」

菫「おい待て、それはもういいだろ。違うって言ってるじゃないか」

照「とりあえず黙って聞いて」

菫「わかったよ…」

照「え、っとそれで、私は昨日菫にさ、セーラを淡にとられていいの?
  って聞いたでしょ?そうなってもいいのって」

菫「あぁ」

448: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 22:59:32.81 ID:kKwDjGyro
照「菫はセーラが誰を好きでも気にしないし関係ないとか言った」

菫「そうだな、全くその通り」

照「…でもさ、気付いたことがあって」

菫「なんだよ」

照「セーラを淡にとられてイヤなのは自分なんだって気付いたんだよね」

菫「え?そりゃ…当たり前のことじゃないのか。お前はあいつが好きなんだから」

照「違うそうじゃなくて、私はセーラが好きだけどある程度の諦めはある。
  無理だってことはちゃんと理解してるつもり、だけど、」

照「それはセーラが菫を好きで、菫もセーラが好きで、お似合いで、
  自分は入っていけないし、応援したいって思ってるから諦められるんだよ」

菫「いやだから…」

照「2人の親友だからこそ、そう思うんだよ。でも、淡、いや、淡だけじゃなくて
  他の誰とも2人にはくっついて欲しくない、と思ってるんだよね」

菫「…難解なことを言うなぁ、お前」

449: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 23:00:08.25 ID:kKwDjGyro
照「だからつまり、セーラが菫と付き合うのは応援できるけど
  他の人じゃダメ、私が納得できない…という私のワガママだね」

菫「かなりのワガママだな、お前」

照「それに自分自身も悪いと思うよ、菫の気持ちを知りもせずに
  一方的に相談を持ちかけて話を聞いてもらってたんだから」

照「そのときからきっとセーラのこと好きだったんでしょ?
  ごめんね、自分のことで精一杯だったんだ」

菫「……」

照「だから菫が本当のことを言い出しにくいのはわかるよ。
  わかる、でも、…もう素直になってもいいんじゃないのかな」

菫「いや、…私は、」

照「何が怖いの?素直になるのが…怖いの?」

菫「…何が言いたいんだよ」

450: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 23:01:02.46 ID:kKwDjGyro
照「心を晒すのが怖いってこと?私にすら、言えないこと?」

菫「……」ギリッ

照「私に言えなかったら誰に言えるの?他の人なら言えるの?」

菫「照や江口以上の友達は…いないよ」

照「ならさ、言って?昨日の夜は菫を思って引き下がったよ。
  そうするのが正解だと思ったし、私自身なんかイラついてたし」

照「でも!やっぱりこんなのおかしいよ、菫!」

菫「…今日も引き下がってくれ、頼む」

照「それは認めてるのと同じことだよ」

菫「あぁ、もうそれでいいから引き下がれ」

照「いや」

菫「…大切な友達だからこそ、聞き入れてくれ」

照「だからこそ、それはできない」

451: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 23:01:34.41 ID:kKwDjGyro
菫「頑固なやつだな」

照「菫ほどじゃないと思う」

菫「……もう少し待ってくれ」

照「え?」

菫「心の整理がつかない。もう少し、待って欲しい」

照「わかった、…わかったよ」

菫「照…ありがとうな」

照「なにが?」

菫「…いや、なんでもない」

照「……じゃ、朝ごはん行こっか」

菫「ん、だな」

照「…菫、私は菫の味方だから」

菫「私も、お前の味方のつもりだよ」

照「ふふ、ありがと」

菫「こちらこそ」クスッ

452: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 23:02:23.05 ID:kKwDjGyro
照「さて、そろそろ電話が鳴り出す頃かな」

菫「だな…少し、緊張する」

照「うん、けど…今の私には2人の方が心配かな」

菫「将来とつまらないことを一緒にするなよ…」

照「つまらなくないよ、大事じゃん」

菫「ま、まあ…」

照「さ、行こうか」

菫「って携帯持てよ、かかってきても出られないだろ」

照「ご、ごめん…」

456: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 23:28:17.66 ID:Wh3D97VTo
大阪駅、新幹線ホーム


怜「ほな、しばらくのお別れやな」

竜華「年末には帰ってくるやろ?」

セーラ「その予定や、また初詣行こうや」

怜「そやな、楽しみにしてるわ」

竜華「元気でな、セーラ」

セーラ「お前らもな、勉強頑張れよ?」

怜「セーラもちゃんと卒業でしなあかんで?」

セーラ「うっ…わ、わかってるわ」

菫「園城寺さん、もっと言ってやってくれ。
  このバカは目を離すとすぐサボる」

竜華「あはは、セーラ変わらへんなぁ」ケラケラ

怜「コホン、ほな…セーラしっかり勉強するんやで?」

457: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 23:28:45.04 ID:Wh3D97VTo
セーラ「ひ、弘世め…余計なことを」

菫「事実だろ」

セーラ「くぅ…ところで、電話が1回鳴ったきり鳴らへんのやけど…」

菫「私も契約に関する話をしたいという電話は1度だけだな」

怜「解禁日やのに寂しいなぁ」

竜華「まあ、ほとんどあっちに…」ユビサシ

菫「そうだな、あいつは朝から鳴りっぱなしだ」

セーラ「まあ、照はしゃーないか…」

458: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 23:29:24.64 ID:Wh3D97VTo
照「見送りなんて、よかったのに」

洋榎「ん、うちもそう言うたんやけどあの2人がな」

照「園城寺さんたち?」

洋榎「まあな」

恭子「宮永さんはプロ行き、ですよね?」

照「うん、さっきから携帯が鳴り止まなくて…
  ちょっと面倒になってきた…」スッ    prprprprprブチッ

洋榎「解禁日やもんな、うちのも鳴り止まへん!」

恭子「…いや、朝から2回くらいしか鳴ってませんよ」

洋榎「あ、アホ余計なことを!」

照「ふふ、まあ、私は強いからね?」ニヤリ

洋榎「な、なんやとー!くそー!プロでは負かしたる!」

照「うん、楽しみにしてるよ。あ、直接戦ったことないもんね?」

459: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 23:30:18.07 ID:Wh3D97VTo
洋榎「そやな、覚悟しとけよー」

セーラ「アホか、お前が照に勝てるわけないやろー」

洋榎「な、なんやとこの男女!」

セーラ「あぁ?」

照「……変わらないね、ほんと」

恭子「じゃれ合う子猫みたいなもんですよ」

照「ふふ、あぁ、…確かに」クスクス

恭子「ほんまは仲ええんです」

照「そうみたいだね」クスッ

460: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 23:31:19.10 ID:Wh3D97VTo
智葉「相変わらず常に騒がしい連中だな」

絹恵「みんな、なんだかんだ言うて仲良しなんです」

智葉「えっと…愛宕の妹だったか」

絹恵「はい、愛宕絹恵です。今回はメンバーに入れなかったんです」

智葉「そうだったな、まあ2年生なんだからまだまだ伸びるだろう」

絹恵「えっ…あ、はい…」

智葉「ん?」

絹恵「いや、ちょっと…びっくりして」

真佑子「あ、辻垣内さん見た目恐いけど優しいんです」

智葉「こら、余計なことを言うな。って別に怖くないだろ」

絹恵「そうなんですか!へー!」

461: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 23:32:15.93 ID:Wh3D97VTo
真佑子「私ずっと同部屋だったんですけど、すっごく紳士的なんですよー」

智葉「だ、だから余計なことを言うな、ていうか紳士的って私は女だろ」

真佑子「あの身のこなしは紳士のそれです!」

智葉「なんだそれは…」

絹恵「なんかイメージ変わりました!」

智葉「あぁ、そうかそれはよかったのかどうか」

洋榎「絹、そいつに近づいたらやられるで!」

智葉「…どんなイメージだこらぁっ!」

洋榎「おー恐い恐い!絹に近づかんといてや!」

智葉「お前なぁ!」

絹恵「ううんお姉ちゃん!辻垣内さんってめっちゃ優しい人らしいで!」

洋榎「えぇーほんまかー?それ」

智葉「…あぁ、もうめんどくせぇ」

462: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 23:33:52.42 ID:Wh3D97VTo
淡「みんな元気だなぁ」

憩「あれ、大星さんは元気ちゃうん?」

淡「え、そんなことはないけど…」

憩「そうかーほなええんやけど」

淡「こうやって話すのはインターハイ以来だよね、個人戦」

憩「あぁ、そうやったなぁ。あの時大星さん泣きだしたし焦ったわぁ」

淡「な、泣いてないし!」

憩「えぇ?トップになれへんかったって泣いたん誰やっけ?」

淡「さ、さぁ知らない!」

憩「ふふ、ま、ええけどなぁ」

淡「ね、そんなことよりも、照はやっぱり強かった?」

憩「強かったで、優勝した宮永さんの妹ですら、
  『お姉ちゃんに勝ったとは思えないし、思わない』って」

淡「へぇ、そうなんだ…さすが照」

463: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 23:34:30.57 ID:Wh3D97VTo
憩「うちもそう思うで、宮永さんはあんなもんやない。
  もっとなにか恐ろしい…って言うたら怒られるか」クスッ

照「怒らないけど、傷つくかなぁ」

憩「わっ!」

照「なんて、そういうことは言われ慣れてるんだけどさ」クスクス

憩「も、もう、急に現れんといてくださいよ」

照「ごめんごめん、私の名前が聞こえたからさ」

淡「照はやっぱり強いって話だよー」

照「そっか、うん、みんなそう言ってくれるし、
  プロのスカウトの人にもあの1敗で評価が変わるわけじゃないって言われた」

憩「そらそうですよ。宮永さんだけですよ、自分は弱いとか言うてんの」

照「だってさ…咲こそ恐ろしいんだよ?みんな知らないんだ」

464: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 23:35:38.09 ID:Wh3D97VTo
淡「知ってるよ?私、インターハイで戦って勝ったじゃん!」

照「眠っていたものが少しずつ瓦解していくようなイメージかな、
  咲の能力はね。インターハイのときよりも強くなってるように思えたよ」

淡「じゃあ、もっともっと強くなるのかな」

照「そうだね、だから淡はもっと頑張らなくちゃ」

憩「あーあ、来年も3年生になったから言うて
  優勝できるっちゅうわけやないんやなぁ…」

淡「えへへ、私が勝つ!」

憩「あはは~お手柔らかにな~」

470: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:45:36.61 ID:cMmzJslgo
照「…さて、そろそろ新幹線がくる時間だね」」

淡「あ、ねぇ照…お願いがあるんだけど」

照「ん?」

淡「あのさ、これ…交換して欲しい」スッ

照「指定席の切符?どうして?」キョトン

淡「えっと、それは、…菫と!そう、菫に話があって!
  ゆっくり話がしたいなって」

照「あぁ、ならいいけど…じゃあ、私の隣の席はセーラだね」

淡「う、うん、ありがとう照」

471: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:46:14.79 ID:cMmzJslgo
照「どういたしまして。…ところで淡、昨日の夜はごめんね」

淡「え?」

照「せっかく部屋に来てたのに、私黙ったままで…」

淡「いいよそんなの、気にしてない。照は疲れてたんだし」

照「そっか、ならいいんだけど」

淡「あ、ちょっと飲み物買って来るね」

照「うん。遅れないようにね」

淡「わかってるー」スタスタ

照「…何かあったかな、これは」

472: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:46:40.37 ID:cMmzJslgo
照「ねぇ、菫、淡が席を替わって欲しいって言うから
  菫の隣は淡になったからね」

菫「ん?そうか、どうしてまた?」

照「菫に話だって」

菫「大星が?…?なんだろう」

照「さぁ、わからない」

菫「まあ、わかったよ」

セーラ「ん、何の話ー?」

照「あぁ、淡がセーラの隣はイヤだって」

セーラ「えっ…」

照「うそうそ、冗談だよ。菫に話があるんだって」

セーラ「そ、そうか」

照「え、何かあった?」

セーラ「いや、別に?」

照「そっか、ならいいけど(…隠し事が下手だよね、淡もセーラも)」

473: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:47:39.59 ID:cMmzJslgo
出発前


照「じゃあ、行くね」

怜「ほなまたな、宮永さん」

洋榎「次会うんはジュニア代表かな」

照「選ばれたらね」

恭子「そら選ばれるでしょ、宮永さんは」

絹恵「お姉ちゃんも絶対選ばれるで!」

セーラ「ないない!」

竜華「まああれは監督好みもあるみたいやけど」

洋榎「恨みっこなしやな!」

照「そうだね、うん」

474: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:48:27.47 ID:cMmzJslgo
菫「じゃあまた」

淡「あ、私は高校100年生だから選ばれるよ!」

憩「なんやそれ、あんたいくつやねんなー」

真佑子「あ、じゃあ失礼します」

竜華「気を付けてなー、家に帰るまでが遠足やでー」

怜「おばちゃんみたいなこと言うてるで竜華」

セーラ「似合ってるけどな」ゲラゲラ

竜華「あ、アホ!なんでそんなん言うんよ!」

智葉「…見送りどうも」

475: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:48:56.83 ID:cMmzJslgo
新幹線内、淡と菫


淡「でも残念だよね、大阪観光したかったなぁ」

菫「そういえばインハイの後は姫松の連中に東京を案内したな」

淡「そうそう!私も大阪を案内して欲しかったよー」

菫「仕方ない。今は夏休みじゃないし、本来なら授業があるんだぞ」

淡「ま、その点は嬉しいけど…」

菫「帰ったら大量の宿題と向き合うことになるぞ」

淡「げっ…やだなぁ、もう」

菫「そういうものだ、諦めろ」

淡「うぅ…勉強きらーい」

菫「学生が何を言うか」

淡「この堅物さんがー」

476: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:49:57.85 ID:cMmzJslgo
菫「…で、お前話ってなんだよ?」

淡「いや、別に何も」

菫「ん?じゃあ、なんで席を変わったんだ?」

淡「別に何でもいいじゃん」

菫「いや、まあいいけど…気になるだろ」

淡「…」

菫「あ、江口とケンカでもしたか?
  …いや、でも今朝から別にそんな風でもなかったか」

淡「ケンカなんかしないよ」

菫「じゃあどうした?」

淡「しつこいなぁもう」

菫「な、何なんだよ…」

477: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:50:39.46 ID:cMmzJslgo
淡「私、少し寝るね。あんまり寝てないから」

菫「寝ていないのか?どうして?」

淡「もう、菫って質問ばっかり」

菫「気になるものは仕方ないだろ」

淡「いろいろ考えてたら寝られなくて、それだけ」

菫「そうか、私と、…私と一緒だな」

淡「えっ?」

菫「いや、もう何も聞かないからゆっくり寝ろ。私もそうする」

淡「あ、うん…じゃあおやすみ」

菫「おやすみ、大星」

478: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:51:31.70 ID:cMmzJslgo
少し離れた席、照とセーラ


セーラ「元気になってよかったわ、照」

照「え、私が?ずっと元気だよ」

セーラ「アホ言うなよ、弘世が心配しとったで」

照「あー…うん」

セーラ「ほれ見てみい」

照「元気がなかったっていうか、少し感傷に浸ってただけっていうか」

セーラ「まあ、昨日はいろいろあったからな」

照「でも、もう平気だよ。朝からいっぱい電話がかかってきてさ、
  もう感傷がどうとかそれどころじゃないっていうか」

セーラ「すごい数みたいやんか」

照「まあね…」

479: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:52:28.80 ID:cMmzJslgo
セーラ「どこのチームがいいとか決めた?」

照「どうかな…世界ジュニアのあとかな、決めるのは」

セーラ「そうか。さすがにそっちは一緒に行けそうにないから
    頑張るんやで、ほんま」

照「あ、でもそもそもジュニア代表に選ばれるかどうか…」

セーラ「おいおいまたそんなこと言うて…照が選ばれへんかったら誰が選ばれるんや」

照「ありがと、まあ、選ばれた気でいるよ」

セーラ「当たり前や。高校麻雀の大会は終わりやし、部活は卒業やけど
    ジュニアは特別やから、頑張ってな」

照「日本を代表するんだもんね、特別だよね」

480: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:53:43.76 ID:cMmzJslgo
セーラ「ところで…淡やねんけど、ほんまに俺がイヤとか言うてない?」

照「淡がそんなこと言うと思う?」

セーラ「いや…ない、よな」

照「ないない」

セーラ「…そやんな」

照「セーラから切り出すとは思わなかったからあえて聞くけどさ、
  何かあったの?傍目にはよくわからないけど」

セーラ「まあ…あったけども」

照「みんながセーラみたいに素直ならいいのに…で、何があったの?」

セーラ「…普通にしようって、今までどおりにって約束したんやけど
    なかなか難しいな。そういうのはお前んときと全く一緒やわ」

照「まさか…」

セーラ「激しくデジャヴやったんやぞ…
    全国大会の最終日、ホテル、同じ部屋…やから、その、」

照「…わかった、もう言わなくていい」

セーラ「ん…」

481: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:54:21.92 ID:cMmzJslgo
照「そうか…そう、か…」

セーラ「照なんか知ってたん?」

照「まあ……なんとなく。まさか言うとは思ってなかったんだけど」

セーラ「俺も驚いた。ていうか完全ノーマークやったし」

照「いや、それはそれでどうなの…で、セーラはなんて?」

セーラ「…断った。俺には、心決めたやつがおるわけで//」テレ

照「そう、そっか…よかった」

セーラ「よかった?」

照「私は、自分が負けるのは菫しか嫌だから」

セーラ「そ、そうか…前もそんなん言われた気がするわ」

照「うん、言った」

セーラ「ま、俺が勝手に弘世しかないって決めてるだけやし、
    …実際どうなるか知らんけどな」

482: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:55:34.95 ID:cMmzJslgo
照「菫は…菫にはちゃんと聞かなきゃね」

セーラ「それはわかってるんやけど…淡のことがあるし…」

照「聞いた私もあれだけど、…こういうことを
  正直に打ち明けてくれるのってさ、」

照「親友としては嬉しいし、力になりたいって思う」

セーラ「…ありがとう」

照「私は菫とセーラのこと応援してるし、大丈夫。
  でも、淡は知らないわけだし、すごく辛いと思うんだ」

照「平気に振舞っててもやっぱりきついと思うし、
  だから、淡のことは気長に見守ってあげようよ、ね?」

セーラ「そやんな…」

照「大丈夫だよ、淡もそのうち吹っ切れるって」

セーラ「う、うん……はぁ…うーん…」

照「……(菫はセーラにこんなに想われてるんだよね…)」

照「(早く素直になろうよ、あとは菫次第なんだよ)」

照「……はぁ」

483: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:57:21.24 ID:cMmzJslgo
東京に到着


智葉「じゃあ、私はここで」

淡「智葉、また遊ぼうよ!」

智葉「はいはい、また今度な」

淡「ありがとー!」エヘヘ

智葉「うん、そうだ、そうやって笑ってろ」

淡「…ほんと、ありがとう」

智葉「いや…いいんだよ」

照「あの、辻垣内さん…優勝できなくてごめん」

智葉「バカを言うな」

照「でも、私は大将だしキャプテンで…」

智葉「誰か一人のせいじゃない、そんなことわかってるくせに
   いちいちつまらないことを言うな」

照「ありがとうね、ほんと」

484: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:58:10.24 ID:cMmzJslgo
智葉「ほら、多治比行くぞ」

真佑子「あ、はい!」

セーラ「多治比ちゃんもまたなー」

真佑子「お世話になりました!たくさん勉強になりました、
    来年は…もっと頑張ります!」

淡「よろしくね?」ニヤリ

真佑子「う、うん」アワワ

照「じゃあ、2人とも気をつけてね」

智葉「あぁ、じゃあ」

真佑子「失礼します」ペコッ

485: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:59:33.76 ID:cMmzJslgo
菫「ん、ちょっと待って、何故二人で帰ったんだ」

照「…そういえば。確か、家の方向全然違うよね?」

セーラ「あ、ほんまや!」

淡「え、デキてんじゃないの?」

菫「え、そ、そうなのか?」

照「えぇ…」

セーラ「なるほど!」

菫「知らない間にそんなことに…」

照「ずっと同部屋だったからかな…だって今までに接点ないでしょ?」

淡「うん、ないっぽいよね」

セーラ「ま、お似合いなんちゃう?」

菫「辻垣内の家にさえ引かなければ、まあ上手く行くだろ」

淡「え、あの噂ほんとなの!?」

セーラ「ほんまやで、やばいやばい」クスクス

照「もう、好き勝手言って…」

490: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 23:15:04.67 ID:z+N9uB4no
数日後、白糸台高校、麻雀部部室


菫「さて、世界ジュニアに向けた代表メンバーが発表されたわけだが」

セーラ「照と淡おめでとー!」

照「あ、うん、ありがと」

淡「ありがとー!」

尭深「おめでとうございます」

誠子「先輩おめでとうございます!淡も!」

淡「えへへ、だってほら私は高校100年生だしとーぜん!」

セーラ「はいはい、ほんで、他のメンバーは?」

淡「えぇ、セーラが流したー!」

菫「ちょっと静かにしろ」

491: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 23:15:36.41 ID:z+N9uB4no
照「咲と、荒川さん、あとは天江衣さん」

セーラ「天江衣!?」

尭深「コクマは辞退したと聞きましたけど…」

誠子「こっちには出てくるんですね、あのちびっ子」

淡「年上だけど私よりちょーちっちゃい!」

菫「小鍛治プロがどうしても代表に入れ、と口説き落としたらしいぞ。
  どうやったかは知らんが」

照「それ聞いた、かなり恐ろしいよね」

尭深「え、口説き落とすことが恐ろしいんですか?」

誠子「い、一体何が…」

照「まあ、麻雀を楽しまされるよね…あの化け物に」

セーラ「すでに化け物級の照にそう言われるってあの人何者やねん」ケラケラ

492: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 23:16:20.94 ID:z+N9uB4no
菫「レギュラーに3年生はお前だけだな、照」

照「あぁ、うん…主将を任されたから頑張ってくるよ」

セーラ「あぁ、なんか心配や…」ソワソワ

照「え、なにそれどういう意味?」ムッ

菫「同じく、心配だ…今度ばかりはついていくわけにはいかないからな」

淡「照のお友達2人はほんと過保護だよねー」クスクス

照「まったくもって!」

セーラ「まあ頑張れよ、日本代表」

照「任せて!」

淡「同じく!」

尭深「あれ、…私も少しだけ心配になってきました」

セーラ「やろ?そやろ?」

照「尭深…」

493: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 23:16:49.70 ID:z+N9uB4no
淡「わ、私はしっかりしてるって!」

照「ちょっと、私は、ってどういう意味なの淡」

淡「さ、さぁ?」

誠子「まあでも、補欠の2人は3年生ですし…」

セーラ「そやそや!辻垣内がおるんやったわ、ほな大丈夫や」

菫「そうだな、だいぶ安心感がかわってくるというものだ」

照「なんだかいろいろ納得できないんだけど…」

セーラ「辻垣内は気合入ってるやろうなぁ、コクマではあれやったしな」

菫「噂では臨海女子側が代表にねじ込んできたとか」

淡「へぇ、そうなんだ?」

菫「まあ、噂の域を出ないがな」

照「なるほどね…でも、私はそんなことしなくても
  十分に選ばれる選手だと思うけどなぁ」

セーラ「うん、俺もそう思うわ、失礼な噂やな」

菫「まあ、みんな噂話が好きなんだよ」

494: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 23:17:20.52 ID:z+N9uB4no
尭深「もう一人は姉帯豊音さん、宮永先輩が闘ったんですよね」

照「うん、そうだったね」

淡「あ!その人めっちゃ背が高いの!ちょーびっくりだよ!」

セーラ「いや、それ麻雀の試合の感想ちゃうから…」

照「ジュニアの監督が宮守女子の監督さんだった熊倉さんだからね」

尭深「あぁ、そういえばそうですね」

菫「監督の好みを出しやすいのが補欠というわけか」

照「補欠なら文句も出にくいしさ」

誠子「なるほど」

495: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 23:17:48.56 ID:z+N9uB4no
セーラ「あいつ悔しいやろなぁ」

淡「愛宕さん?」

セーラ「あぁ、うん。選ばれる気でおったみたいやし」

照「まあ、恨みっこなしだよこういうのは。愛宕さんもそう言ってた」

菫「そうだな、仕方がない。…とにかく、白糸台を代表して頑張ってきてくれ」

照「そのつもり。私は、白糸台のために頑張るよ」

淡「日本代表なのに?」

セーラ「照は白糸台にしか興味ないからな」

照「そういうこと」

淡「そっか…がんばろうね、照」

照「うん、そうだね。咲と同じチームっていうのも楽しそうだ」

499: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 22:52:34.03 ID:LVXBJQwgo
セーラ「(1週間後、照と淡は事前合宿へと旅立った)」

セーラ「(麻雀部は2年生を中心に春季大会へ向けての基礎固めを進めていて、
     3年生で部に顔を出しているのはプロ志望の俺と弘世だけやった)」

セーラ「(照も淡もおらへんし、弘世に返事を聞くなら今がいいって
     思うけど、でもなかなか言えずにいた)」

セーラ「(怖いのもあるし、このままでいいと守りに入ってしまっていた。
     それじゃあかんってわかってるのに、難しかった)」

セーラ「(その中で、将来のかかったプロ行きも着々と進行し続けてた)」

セーラ「(…それでも、近いとはいえすぐには来ない将来のプロ行きよりも
     やっぱりそばにいる好きな人という存在は大きかった)」

500: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 22:53:02.59 ID:LVXBJQwgo
菫「江口、昨日のプロとの面談はどうだった?」

セーラ「あぁ、あれなぁ…」

菫「うちの監督も同席したんだろ?上手くいかなかったのか?」

セーラ「いや、まあいい評価もらったし悪い話ちゃうけど…」

菫「なんだよ?」

セーラ「さすがにあの服はNGやろ…贅沢言える立場やないけども」

菫「大宮な…あれは確かに…キツイ」

セーラ「そういう方針のチームなんやったら
    声かける相手間違ってるような気がするんやけど…」

菫「お前は一番対極にいるからな。スカウトが血迷ったか」

セーラ「ま、照が獲得候補の1番らしいからまだ決まらへんけどな」

菫「照もあの服は着ないだろ…」

セーラ「そう思うよなぁ、で、弘世はどーや?」

501: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 22:54:23.55 ID:LVXBJQwgo
菫「私は2チームから話を聞いたが、照が決めない限り
  各チーム、他の選手には具体的な話ができないようだ」

セーラ「えげつないやつやなぁ、照って」

菫「別格中の別格、あいつ一人が加入することで
  プロチームの勢力図が大きく変わるとまで言われている」

セーラ「結局あいつに土つけたんは下の学年やしな、
    俺らの世代やったら文句なしの1番や」

菫「一応、声をかけてもらってはいるが…
  やっぱり、不安なんだな。本当に通用するのか、と。」

セーラ「別に今が一番強いってわけちゃうやんか。
    プロへ行って伸びた選手も多いんやし、気にすんな」

菫「あぁ、・・・ありがとう。お前にそう言われると大丈夫な気がしてくる」

セーラ「ま、俺も不安あるけどやっぱポジティブにいきたいやんか」

菫「そうだな…」

502: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 22:54:59.74 ID:LVXBJQwgo
セーラ「で、お前自身はどこのチームがええとかあるん?」

菫「まあ、それなりに」

セーラ「どこなん?」

菫「…私はやっぱり、地元、東京がいいと思っている」

セーラ「そうか…」

菫「地元を離れたことがないし、幸い東京には声をかけてもらっているし
  まあ、そうなるのが一番いいんじゃないかと…うん」

菫「さっきも言ったが照次第ってところも大きいんだけどな」

セーラ「…俺は、やっぱり大阪やな」

菫「…戻るのか?」

セーラ「ん、それがええのかなって。真っ先に電話かかってきたし…
    条件もかなりええんや。…なんて、ちょっと思い出すな」

菫「ん、何を?」

503: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 22:56:22.05 ID:LVXBJQwgo
セーラ「や、こんな話をな…怜と竜華にしたことがあったんや」

菫「ほう」

セーラ「高校をどこへ行くか、しばらく悩んでてな…それで
    千里山とか姫松とか、いろいろ迷ってたんや」

菫「決め手は何だったんだ?」

セーラ「こんなん言うたらあれやけど、やっぱり条件やな。
    ほかより断然白糸台やった」

菫「まあ確かに金銭的なことや環境は文句なしだからな」

セーラ「あと、小鍛治プロに匹敵するような力を持ったやつがおるって」

菫「照か」

セーラ「気になってたんよなぁ。ほんまにそんなやつおるか?って」

菫「まあな、普通は信じられない」

セーラ「実際そんなやつがおって、びっくりしたけどなぁ」

菫「あいつが仲間で心強いかったよな」

セーラ「うん」

504: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 22:58:00.03 ID:LVXBJQwgo
セーラ「いろいろ悩んだし、辛いこともなかったわけちゃうけど、」

菫「ん?」

セーラ「ここへ来て、よかったと思ってる。後悔はないわ」

菫「同感だ。…私も、よかったと思っているよ」

セーラ「まあその…お前にも、会えたしな」

菫「……ん、あぁ」ウツムキ

セーラ「(あ、ヤバイ、勝手にそんな空気になってしもた!
     余計なこと言うんやなかった…)」

セーラ「(だいたい会えたって、俺と弘世は元々顔見知りやないか!
     何を言うてるんや俺は…アホかっちゅうねん)」

セーラ「(や、でもこれはチャンスか?
     この先こんな空気になることはない気がするし…)」

セーラ「(勇気出せ、どうせふられる、そんなんわかってるやろ
     そやったら、もうさっさとそうなった方がスッキリするし…)」

セーラ「(…1回告白はしてるんやし、返事聞くだけやねんから、
     早く言え、言え俺…!)」

505: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 22:59:20.48 ID:LVXBJQwgo
セーラ「あ、あんな弘世…あの、せっかくやから言うんやけど」

菫「なんだよ」

セーラ「こ、この前…っていうかもう結構前になるけど、その、
    お、俺が言うた、あの…こ、告白的なあれなんやけど…」ドキドキ

菫「…あ、うん」

セーラ「その、返事はしばらくええからって言うてたやろ?
    で、でもその、そろそろ…聞きたいな、と…」

菫「ちょっと待て」

セーラ「え?」

菫「…ちょっと待て」

セーラ「う、うん?」

菫「正直に言う。…実は照にも急かされた
  自分や大星がいない間に全部終わらせた方がいいってな」

セーラ「え、そ、そうなん…?」

菫「だが、本当に言わなきゃいけないことを
  今はまだちゃんと伝えられないような気がする」

506: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 23:00:11.22 ID:LVXBJQwgo
セーラ「ん、それどういう意味?」

菫「とにかくもう少し待って欲しい」

セーラ「それはええけど…でもお前…」

セーラ「(うぅ、自分で自分の傷口に塩塗りこむようなもんやけど…)」

セーラ「す、好きな人がいるんやろ?なら、元々脈なしなんやし…
    さっさと断ってくれた方が気が楽っちゅうか…なんやけども」モゴモゴ

菫「とにかく待ってくれ、今はまだ何も返事が出来ない」

セーラ「おぉ…」

セーラ「(え、これどういうことや…やっぱり好きな人がいるから
     ごめんって言われてそれで終わるって思ってたんやけど…)」

セーラ「(待つのはええけど、俺は一体何を待つんや…?)」

セーラ「(こいつは何を考えとるんやろ??)」

507: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 23:01:02.52 ID:LVXBJQwgo
怜『ほな、セーラやろ?』


セーラ「っ!」

セーラ「(そういえば怜がなんかそんなこと言うてたな…
     弘世の好きな人はセーラやろって)」

セーラ「(好きな人がいるくせに返事を待ってくれって
     …ほんまにそういうことなんか?いや、でもまさか…)」

菫「すまん…」

セーラ「や、ええけど…ほなまた、言うてや?」

菫「あぁ、その時が来たら」

セーラ「…う、うん、わかった(まさかな…)」

508: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 23:01:54.72 ID:LVXBJQwgo
その日の夜、セーラの部屋、電話


セーラ「っちゅうことやねんけど…照なんか知らんの?」

照『さあ、わからない。何を待って欲しいんだろうね』

セーラ「あ、そうや、弘世を突付いたらしいやん。ようそんなことするわ」

照『前に言ったこと覚えてないの?』

セーラ「え?」

照『私は自分が負けるなら菫がいいの』

セーラ「淡のことか?それはもう断って…って
    お前も知ってるやろ」

照『でも、淡は諦めてないでしょ。淡には申し訳ないけど、
  淡のことは応援できないし』

509: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 23:02:30.65 ID:LVXBJQwgo
セーラ「…なんか、気が抜けたわ」

照『どうして?』

セーラ「振られてスッキリさせるつもりもあったんやけど
     肩透かしっちゅうか…なんちゅうか」

照『菫にも何か考えがあるんだよ、待ってあげて』

セーラ「それは待つけど…あ、ごめんな照。
     試合も近いのにこんなしょうもないこと…」

照『全然しょうもなくないから』

セーラ「ありがとな」

照『ううん、どういたしまして』

514: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:47:34.99 ID:8V9Y9OR/o
数週間後、白糸台高校、麻雀部部室


淡「たっだいまー!!」

誠子「わかったから…声のトーンを下げろって」

照「元気すぎるよ、淡」

セーラ「おかえり~」

菫「おかえり。いやぁ、凄まじい闘いだったな」

尭深「すごくドキドキする展開が多かったですね」

照「そうだね、世界はやっぱりすごいよ」

誠子「宮永先輩があんなに苦戦するとは思いませんでしたよ」

照「そのおかげで楽しかったよ、あぁ、世界は広いなぁって
  私はまだまだだなぁってそう思えたしね」

515: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:48:20.48 ID:8V9Y9OR/o
淡「それ、私も!高校101年生っぽいやつもいたし!」

セーラ「なんやねんそれは…ガキやなぁお前」ケラケラ

淡「むっ!違うし!」

尭深「決勝戦での淡ちゃんの相手は変則的な打ち手だったものね」

淡「たかみーちゃんと見てくれてたんだね!ありがと!
  あの人超強いよ!でも私、白糸台のエースだしもっと頑張る!」

誠子「うん、頑張ってくれよなぁ淡~」ナデナデ

淡「任せてよ!」フフン♪

菫「やけにご機嫌なんだな、大星」

照「友達ができたもんね、淡」

淡「そうそう!照の妹とも仲良くなれたし、
  憩も優しいし、智葉怖いけどやっぱりいい人だし、」

淡「豊音なんかあんな大きいくせに可愛いもの好きだし、
  あと、ころたん!」

516: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:48:58.21 ID:8V9Y9OR/o
尭深「…ころたん」

誠子「ころたんって天江衣か?」

セーラ「また可愛らしい名前付けてからに」

照「…私もそう呼ばされたんだけど」

菫「うわ、恥ずかしいなお前」

淡「えー可愛いのにー」

照「対局になるとキャラ変わるけどね、天江さん」

セーラ「ころたんって呼んだれや」クスクス

照「も、もう勘弁してよ…」

菫「それにしても、照も淡も顔つき変わったな」

セーラ「うんうん、たくましくなったな」

照「そ、そうかな」テレ

517: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:49:39.86 ID:8V9Y9OR/o
淡「なんと!私は高校150年生に達したんだよ!」

セーラ「ま、アホは置いといて…照は恐ろしいことになってそうやな」

誠子「もう敵なしですね」

照「咲にも似たようなことを言われたよ。
  決勝の後だったかな、今のお姉ちゃんに勝てる気しないって」

菫「妹さんが言うならまあ間違いないんだろうな」

尭深「世界ジュニアも終わりましたし…あとは進路ですね、先輩方」

誠子「まだ決まってないんですよね?」

セーラ「ん、まあな。照が決めへんから滞り中や」

照「そんな言い方しないでよ…悩んでるんだからさ」

518: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:50:11.59 ID:8V9Y9OR/o
菫「ちなみに発表があった新入団選手は広島の佐々野だけだ。
  あとは全然決まってないみたいだな」

尭深「あれはイロモノ枠ですね…」

誠子「た、尭深はきついなぁ」

セーラ「ま、積極的に否定できんのが佐々野やな」クスクス

淡「でもちゃちゃのん可愛いよー!って豊音は言ってた!」

照「…プロかぁ、どうしたものかなぁ」

菫「まだ時間はある、よく考えろ」

照「ごめんね」

セーラ「ええから、気にすんな」

照「うん…ありがと」

522: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 00:44:07.24 ID:N6ucj99Yo
12月、白糸台高校寮、セーラの部屋


照「お邪魔しまーす」

セーラ「どーぞ」

照「お、この部屋前より綺麗になってる」クスッ

セーラ「お前らが汚い汚い言うから…」

照「そりゃ汚かったもん」クスクス

セーラ「しかし寒いなぁ、暖房入れるわ」ガサゴソ

照「もう12月だしね、早いね」

セーラ「お前らが外国に行っとる間にぐっと寒くなったんよ」

照「だよね、空港降りた瞬間、すごい寒かったもん」

523: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 00:44:33.17 ID:N6ucj99Yo
セーラ「そんで、今日は何の話なん?」

照「菫のこと」

セーラ「お、おぉそっちが来たか」

照「わかってたくせに」

セーラ「あいつ待ってくれって言うたきり
    その話については何の音沙汰もなしや」

照「私もいろいろ話してみるけど、
  待ってくれって言われるだけなんだよねぇ」

照「(菫はセーラを好きだって間接的に認めたけど…
   セーラはそのことを知らないんだよね)」

セーラ「いつまで待てばいいんかな…俺も返事は言うなって
    先延ばししてきたわけやし、催促するんも変やろ?」

照「変ってことはないけど、セーラからは言いにくいかもね」

セーラ「やんなぁ…」

524: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 00:45:07.40 ID:N6ucj99Yo
照「で、ほら、もうすぐあれがあるじゃん」

セーラ「あれ?」

照「クリスマスだよ、聖なる夜だって!」

セーラ「あぁ、そういえばそうやな」

照「もう、そういえば程度の認識なの?」

セーラ「だってそんなん意識したことないもん。
    えっと、去年は何かしたっけ?」

照「部でパーティーやったかな、確か」

セーラ「おーそうや!弘世がサンタの服着せられてたな」

照「可愛かったよね、嫌がってたけど、似合ってた」クスクス

セーラ「そうやそうや!あいつ背が高いんもんやから
    スカートがえらい短くていつもは見えへん太ももが…」

照「…えっちだね、セーラ」

セーラ「わ、ちょ!ち、違うって!そんな別に必死で見てへんから!」

525: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 00:45:41.64 ID:N6ucj99Yo
照「ほんとかなぁ…ってそれはいいとして、
  デートに誘ってみたらどうかなって思ったんだよね」

セーラ「誰が、誰を?」

照「あのさぁ…セーラと菫以外にいる?」

セーラ「あ、あぁ…」

照「もう、しっかりしなよ。世話焼いてる私がバカみたいでしょ」

セーラ「お前、ほんまにええんか」

照「なにが?」

セーラ「俺らのこと後押ししてくれるんは助かるし、
    相談相手とかおらん俺には貴重な存在やけど、でも、」

照「何回も言うけど、私はセーラが菫以外と付き合うなら
  思いっきり邪魔するよ。2人だから、おせっかいしちゃうの」

セーラ「じゃあ、まあそれに甘えるけども…」

照「いいんだよ、それで」

セーラ「…ありがとうな」

照「はいはい」

526: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 00:46:08.99 ID:N6ucj99Yo
セーラ「で、デートやっけ?俺があいつを誘うってこと?」

照「うん、待って欲しいって言われたけど
  別に誘っちゃダメってことはないでしょ?」

セーラ「ま、確かにそうやな」

照「クリスマスのデートなんかに誘われたら菫も意識するよ、きっと」

セーラ「…やとええんやけど」

照「これ聞いたことなかったから聞きたいんだけど、
  セーラは菫と付き合いたい、キスしたいって思うの?」

セーラ「なっ//」

照「顔赤いよ」

セーラ「お、お前が変なこと言うから!」

照「変じゃないし。好きなんだったら普通じゃない?」

セーラ「ま、まあ…その…考えたことはあるけど」

527: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 00:46:34.53 ID:N6ucj99Yo
照「可愛いねぇ、セーラ」

セーラ「う、うっさい//」

照「セーラってほんとはすごく可愛いから、
  いざ付き合うとなったら菫がリードしそうだね」

セーラ「そ、そうか?//」

照「うんうん」

セーラ「でも、付き合うなぁ…ちょっと想像しにくいけどな」

照「セーラはなんでかよくわからないけど弘世が好きって
  確か私にそう言ったと思うんだ」

セーラ「そやな…//」

照「今ははっきりわかる?菫のどこが好き?」

セーラ「顔やな」

照「え、なにそれ…」ヒキ

528: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 00:48:42.80 ID:N6ucj99Yo
セーラ「ひ、引くなや」アワワ

照「引いてないけど?」

セーラ「目が引いてるやろー。いや、顔…ええやんか。
    あいつ、目が怖いし睨んでくるけど、顔は…その、好きなんよ//」テレ

照「まあ、セーラの好みだからそれでいいけど、他は?」

セーラ「月並みやけど、一緒にいて楽しいこと…かな」

照「なるほどね。それ、顔を先に言わない方がいいよ」クスッ

セーラ「うぅ、わかった…」

照「とりあえず、デートに誘ってプレゼントでも渡して
  もう一度好きって言えばいいんじゃないかな」

セーラ「それって結構恥ずかしいな…できるんかなぁ」

照「無理はしなくていいけど、いつまでも受け身で
  待ったままでいるのはセーラが辛いと思って」

セーラ「う、うん…そやな、誘ってみるわ!」

照「頑張れセーラ、大丈夫だよ」

529: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 00:49:18.17 ID:N6ucj99Yo
セーラ「プレゼントとか、その、また相談のってや?」

照「もちろん」

セーラ「ほな、頑張る!」

照「上手く行くといいね」

セーラ「そうやな…っておい、照!大事なこと忘れてるで!」

照「え、なに?」

セーラ「プロやプロ!お前さっさと決めんかい!」

照「あぁ…」

セーラ「なんやそのつまらなさそうな返事は」

照「んー…どうしたものかな」

セーラ「俺と弘世がどうのよりお前の将来の方が大事やん」

照「それはそうかもしれないけど…うーん」

530: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 00:49:53.63 ID:N6ucj99Yo
セーラ「何を悩んでんの?話すだけ話してみてや」

照「あ、うん…咲がね…一緒に暮らしたいって」

セーラ「ほえ?え、じゃあ…」

照「長野、地元に帰ろうかな、とは思ってるんだけどね…」

セーラ「ええやんか、俺も地元に帰るつもりやし」

照「あぁ、大阪に行きたいって言ってたよね」

セーラ「弘世もほら、東京がええみたいやし」

照「みんなバラバラだね…寂しいよ」

セーラ「いつまでも一緒ってわけにはいかんやん。
    この話は前もしたやろ?」

照「そうだけどさ…卒業したくない」

セーラ「いつまでも決めへんのはそれが理由か?」

照「それもあるけど…言わば選び放題なわけでしょ?
  その中からあえて長野を選び取るだけの理由があるかって言われたら…」

531: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 00:50:42.82 ID:N6ucj99Yo
照「家族以外の理由もないし…いや、それも大事な理由だけどさ。
  咲に言われるまでは関東で選ぶかなぁ、とぼんやり考えてたんだよね」

セーラ「えらい悩んでるな」

照「うん。私って主体的に何かを選ぶことがほとんどなかったから、
  すごく悩んじゃうの。」

照「長野は好きだよ、咲もお父さんもいるし、
  でも、ほんとにそれでいいのかって考えるとね…」

セーラ「そんでなんも決められへんってか」

照「まあね…選択肢が多いのも難しいよ」

セーラ「なんちゅう羨ましいことを…」

照「どうしようかなぁ…」

セーラ「何にせよ、お前が決めへんと他の交渉が進まへんのは確かやし
    出来るだけ急いだ方がええで?」

照「う、うん…ね、セーラと一緒のチームっていうのはどうかな?」

セーラ「いや、ええけど…でもそれでええの?」

照「うーん…」

セーラ「まあ、大事なことやし監督やお母さんとよう相談せーよ?」

照「う、うん…」

534: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 23:56:19.00 ID:N6ucj99Yo
次の日、朝、通学路


菫「ふわぁ…眠いな」

セーラ「夜更かしかー?」

菫「うんまあ…いろいろ考えることが多くてな」

セーラ「たとえば?」

菫「進路だよ…どうなるのかなと」

セーラ「そうやなぁ…照には昨日、早く決めろって
    言うたけどどうなるか」

菫「照なぁ…」

セーラ「ん…」

照「お、おはよ」

菫「あぁ、照おはよう」

セーラ「おはよ、照」

照「うぅ、眠い」

535: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 23:57:42.40 ID:N6ucj99Yo
セーラ「お前も寝不足か?」

照「あ、あのさ!!私…決めた」

菫「え?何を?」

セーラ「ん??」

照「プロチーム、決めた」

菫「ほ、本当か!?」

セーラ「ど、どこや!?」

照「…長野、に決めた」

菫「おぉ、帰るのか」

照「うん、…決めたよ」

セーラ「そうなったか、うん」

照「今日の放課後、仮契約の話をすることになった」

セーラ「え、なんやそれめっちゃ早いな」クスッ

536: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 23:58:45.60 ID:N6ucj99Yo
照「向こうの人涙声でめっちゃびっくりしてた…」

菫「そりゃなぁ…あれだけ競合したからな」

セーラ「びっくりもするわな」

菫「じゃあ…私たちの進路も決まるか」

セーラ「そうやな…希望通りいくとええな」

菫「あぁ、そうだな」

照「時間かけすぎてごめんね…」

菫「気にするな」

セーラ「そーそ」

照「う、うん。2人にも朗報が届くことを祈ってる」

菫「ありがとう」

セーラ「おおきに、照」

537: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 23:59:23.86 ID:N6ucj99Yo
照「あ、それでお母さんとも相談したんだけどね、
  ここまできたらもう好きにしろって言われてさ」

照「…咲には寂しい思いも辛い思いもさせたし、
  一緒にいて欲しいって言うならいてあげたいなって」

菫「そうか、咲ちゃんも喜ぶだろうな」

セーラ「そうやなぁ」

照「今朝少し話したら、涙声でさ、可愛かったよ」ニコニコ

セーラ「シスコンやなぁ、お前」

照「え、そうなのかな?」アセッ

菫「いいじゃないか、仲がいいのはいいことだ」

照「そ、そうだよね!」

538: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/06(木) 00:00:21.42 ID:wozCq3zuo
放課後


照「じゃあ、仮契約の話をしてくる」

セーラ「監督室か?」

照「そうだよ」

菫「頑張れよ、いや、何を頑張るかわからないけど」

照「ありがと」

セーラ「まあ、待ってるわ」

菫「そうだな」

照「え、悪いよ」

セーラ「ええのええの」

照「そ、そう?じゃあ、行ってきます」

菫「あぁ、いってらっしゃい」

539: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/06(木) 00:00:47.43 ID:wozCq3zuo
菫「さて、部室にでも行くか?」

セーラ「いや…ちょっと話あるねん、いいか?」

菫「うん、じゃあ、どこか行くか」

セーラ「校庭でも行こうや」

菫「え、外は寒いぞ?」

セーラ「ええやん、たまには」

菫「まあ、いいけど…コート取ってこよう」

セーラ「あ、俺も!」

540: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/06(木) 00:01:13.61 ID:wozCq3zuo
校庭、ベンチ


セーラ「よっこいしょ」

菫「おっさんか、お前」

セーラ「つい」

菫「寒いけど、なんだか頭がすっきりするな」

セーラ「今はどこも暖房で暖かいからな~」

菫「暖かいのはいいが頭がボーっとするし、
  眠くなってしまうのが難点だな」

セーラ「だから、たまには寒空でおしゃべりもええやろ?」

菫「たまにはな…で、話って何だ?」

541: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/06(木) 00:01:42.69 ID:wozCq3zuo
セーラ「あ、うん…弘世さ、今月の24日って予定空いてるか?」

菫「え、それは…えっと…」

セーラ「や、あの!そ、その、で、で、デートでも…どうかなと」

菫「で、デート!?」ガタッ

セーラ「わ、ちょ、声でかいって!」アセッ

菫「す、すまん…24日って…お前それイヴじゃないか」

セーラ「まあ、…そやな。どうやろうか」ドキドキ

菫「どうって…」

セーラ「予定は?もう入ってる?」

菫「どうした?らしくないな、江口」

セーラ「え、なにが?」

菫「お前はそういうことを積極的に誘ってくるタイプじゃないだろ」

セーラ「や、そんなことないで」

544: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/06(木) 00:03:22.46 ID:wozCq3zuo
菫「いや、おかしい。あ、照だろ…?」

セーラ「さぁ、どうやろなぁ~」

菫「なるほどな」

セーラ「な、なんやねん!誘ったらあかんのか!」

菫「いや、そんなことはないけど…」

セーラ「そら積極的にもなるわ!…お前のこと、す、好きやねんからな」ボソッ

菫「…う、うん…すまない」

セーラ「いや…で、予定は?」

菫「予定は…今のところ何もない」

セーラ「ほな、行こうや?な?」キラキラ

菫「うぅ…どこ行くんだ?」

セーラ「あ、それ何も考えてへん」

菫「なんだそれ…まあ、うん、…行くか」

545: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/06(木) 00:03:49.70 ID:wozCq3zuo
セーラ「ほんま?よかったぁ…場所はちゃんと考えとくから!」

菫「あぁ、頼む」

セーラ「うわぁ、楽しみやな、な?」

菫「…まあな。お前のそういう顔、久しぶりに見た気がする」

セーラ「え?」

菫「そういう、なんていうか…無邪気な感じの顔だよ」

セーラ「そ、そうか?…照れるわ//」

菫「……ふむ、デートかぁ」

セーラ「うぅ、さすがに身体の芯から冷えてきた」ブルッ

菫「場所を移そう、私も寒い」

セーラ「ん、そやな」

ブーブーブー

菫「私の携帯だ…ちょっと電話してくる」

セーラ「おう」

548: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:47:29.20 ID:qn3Rt9jlo
しばらくして…


タッタッタッ


菫「え、江口!聞いてくれ!」

セーラ「ど、どした!?」

菫「東京が仮契約の話がしたいって!」

セーラ「ほんまか!?やったなぁ!」

菫「よかった…ほんとによかった…」グスン

セーラ「うん…よかったな」

菫「照の、ズズッ、長野入りが、業界内で一斉に伝えられたみたいで、
  それで、私に話が来た…ヒック、嬉しいっ」

セーラ「俺もなんかめっちゃ嬉しいで弘世!」ナデナデ

菫「必死で背伸びまでして撫でるな…いや、ズズッ、なんか可愛いな、お前」ナデナデ

セーラ「なっ!!?//」カァァ

549: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:48:13.36 ID:qn3Rt9jlo
菫「とにかく決まりそうでよかったよ…あとは江口だな」

セーラ「そ、そやな…希望通りに行けばええんやけど」

菫「そうだな…ってすまん、校舎に入ろう寒いだろ」

セーラ「嬉しくてなんか身体熱いわ」メラメラ

菫「…実は私もだ」クスッ

セーラ「もうちょっとここに座ってよか」

菫「ん、…だな」

セーラ「なー弘世ー」モタレカカル

菫「なんだよ、重いぞ」

セーラ「おめでとう」ボソッ

菫「…ありがとう」

550: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:49:09.67 ID:qn3Rt9jlo
さらにしばらくして…


照「ごめん、お待たせー結構時間かかっちゃった…ってあれ?」

セーラ「…zzz」グーグー

菫「バカが寝てしまった」ナデナデ

セーラ「…zzz」スヤスヤ

照「え、こんなところにいて寒くないの?」

菫「それが意外とそうでもない」

照「それ、菫が恥ずかしいからでしょ?だって膝枕なんて…」ジー

菫「や、別にそんなんじゃ…」アワワ

照「可愛いね、菫。そんなに髪を撫でちゃってさ」

菫「うるさいっ…いや、その、つい//」テレ

551: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:49:36.68 ID:qn3Rt9jlo
照「セーラがやって欲しいって言ったの?」

菫「いや、しばらくは私にもたれ掛かってたんだが
  バランスを崩して受け止めたらこうなってしまった」

照「あぁ、それでなんだか不自然な形なんだね…
  で、セーラも起きないんだね…すごいね」

照「あ、それで仮契約を済ませたよ。細かい話はよくわかんないから
  お母さんと監督が聞いてくれてたけど、まあ上手くいったみたい」

菫「そうか、よかったよ。これでお前もプロ雀士だな」

照「うん、…実感わかないけど、嬉しいな」

菫「それで私なんだが、さっき東京のチームから電話を頂いたよ」

照「え、ほんと?」

菫「仮契約の話を明日、することになった」

552: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:50:08.85 ID:qn3Rt9jlo
照「よかったね菫!やったじゃん!」

セーラ「…zzz」ムニャムニャ

菫「ちょ、照、声っ。江口が起きてしまう」

照「ご、ごめん…ほんとよかったね」

菫「まあな…江口も喜んでくれたよ」

照「そっか」

菫「それから…」

照「ん?」

菫「…24日、デートに行くことになったよ」

照「そっか、セーラ頑張ったかー」

菫「やっぱりお前の入れ知恵か」

照「でも嬉しかったでしょ?積極的なセーラも」

菫「……まあその、ありがとう」

照「どういたしまして」

553: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:51:13.76 ID:qn3Rt9jlo
セーラ「…zzz」スピースピー

菫「……なぁ、こいつ、今起きたら恥ずかしがるよな?」

照「だろうね、顔真っ赤にして走り出しちゃうんじゃない?」クスッ

菫「しかし…まあ、なんで、…私なんか…」ボソッ

照「なんか、とか言わない方がいいよ」

菫「あぁ…うん、でも…」

照「早く素直になれば楽だよ」

菫「…わかってるよ」

照「わかってるならいい」


セーラ「………・ん?」

照「あ、起きた?セーラ」

セーラ「ん…んん??」ポカーン

554: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:52:24.46 ID:qn3Rt9jlo
菫「そろそろ起き上がってくれないか、さすがに腿が痺れてきた」

セーラ「え、ん…あぁっ!!?」ガバッ!!

照「お、慌ててる慌ててる」クスッ

セーラ「ど、どういうことやこれは…!?」アワワ

菫「お前は私にもたれ掛かったまま寝てしまったろ?」

セーラ「え、そうやっけ…あ、そうや…//」カァァ

菫「前のめりにバランスを崩したお前は私の腿の上に倒れこんできたから
  私は受け止めてやったというわけだ」

照「セーラ、すごくよく寝てたよ」

セーラ「うわ、うわぁぁぁぁ!!!」ダッシュ

555: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:52:59.32 ID:qn3Rt9jlo
照「ほんとに走り出した…」

菫「ふふっ、可愛いやつだな…」

照「え?」

菫「え?」

照「今、セーラのこと可愛いって言った?」

菫「え、あ…//」カァァ

照「そういう菫が可愛いよ」クスッ

菫「う、うるさい…うぅ」


セーラ「わぁぁぁぁぁぁ!!!」


照「ちょっとセーラ静かにしてー!!」

559: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 21:31:16.16 ID:IvKRzhAso
次の日、放課後、麻雀部部室


セーラ「……」ズーン


淡「え、なに?なんであんな沈んじゃってるの?」

照「あぁ、うんちょっとね…」

尭深「何かあったんですか?」

照「ほら、今日は菫が仮契約の話でいないでしょ?
  昨日、向こうから連絡があったからなんだけど、」

誠子「あぁ、はい」

照「セーラには電話がなかった。
  私が決めかねてたせいで各チームの新入団が遅れてたんだけど、」

照「私が長野に決めたことでこう、情勢は動いたわけでしょ?」

淡「そだね」

照「でも、セーラにはどこからも連絡がなかった。
  私が辞退した場合には是非って言われてた大阪は今朝になって、」

照「愛宕洋榎さんの入団を発表した」

560: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 21:35:07.67 ID:IvKRzhAso
尭深「え、そんな…」

誠子「うわぁ、それちょっとひどいですね…」

淡「セーラ可哀想…なんでなの?」

照「別に1チームに2人以上の入団が禁止されてるわけじゃないけど、」

尭深「例年通りなら各チーム1人ですよね」

照「うん…それでセーラは今朝からあんな感じで…」

淡「セーラがプロに行けないなんてことないよね?ね?」

照「うーん…各チームが続々と新入団の発表をしているし…
  セーラが滑り込めるチームがあればいいんだけどなぁ」」

誠子「あの、ひょっとして…江口先輩が白糸台だからですか?」

淡「え、どういうこと?」

誠子「いやほら、白糸台は東京だし…」

淡「セーラが大阪の高校じゃないからって?なにそれそんなことで?」

尭深「でも淡ちゃん、地元の高校の選手を優先させるというのは聞くよ?」

照「うん、それは聞いたことある」

淡「なにそれ…バカじゃん!」

561: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 21:36:15.38 ID:IvKRzhAso
セーラ「なぁ、淡、打とうや」

淡「あ、うん!」

照「じゃあ私も」

セーラ「尭深か誠子どっちか入ってーや」

誠子「じゃあ私が!」

セーラ「よーし、トップ取るでー」

照「負けないよー」ゴッ

セーラ「手加減してや~照」

照「えぇ、だめだめ」

誠子「容赦ないっすね」

照「みんなのためだよ」

セーラ「…はいはい、ほなサイコロいくで~」

562: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 21:36:50.49 ID:IvKRzhAso
さらに次の日、朝、登校日


菫「そうか、そんな様子だったか…」

照「から元気だよね、私まで辛かったよ」

菫「私が決まったことであいつもプレッシャーを感じるよな…」

照「気にしないふりしてるけど、気にしないはずないよ」

菫「無事に決まるといいんだが」

照「うん…」

563: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 21:37:53.75 ID:IvKRzhAso
セーラ「おはよ!お二人さん!」

菫「なんだそのテンション」

セーラ「おう、聞いて驚くなよ!」

照「え、契約の話?」

セーラ「そや!決まったぞ、プロ行きやー!…たぶん」

菫「ほんとか!?決まったのか!?」

照「どこ?ってたぶんってなに?」

セーラ「ふふーん♪トッププロがいらっしゃる最強のチームやで!」

菫「トッププロ?お前まさか大宮か!?」

照「うそ!?あのユニホーム着るの!?はやりんなの!?」

セーラ「ちゃ、ちゃうちゃうそことちゃう!」アセッ

564: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 21:40:18.15 ID:IvKRzhAso
セーラ「大宮は昨日発表あったやろ」

照「あ、そういえば。福路さんだっけ」

菫「あぁ、そうだった。で?お前は?」

セーラ「ここは東京、さて、左隣は?」

菫「左?神奈川だろ…はっ!まさかお前!」

照「え、ひょっとして横浜!?」

セーラ「ふっふーん♪そうや!三尋木プロ直々にお電話頂いたで!」


昨晩、セーラの部屋


咏『セーラちゃんさーまだ決まってないってマジなのかい?』

セーラ『は、はい!…本命に振られてもうてってなんで俺の携帯の番号を!?』

咏『それはまあいいとして、振られたってのは大阪だねぃ~。
  じゃあさ、うちに来なよ!』

セーラ『へ?』

咏『大丈夫大丈夫任せとけってー』

565: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 21:42:13.39 ID:IvKRzhAso
セーラ『お、俺が横浜に?え、ええんですか!?』

咏『なんかねぃ、おたくの照ちゃんが獲れなかったから
  今年の新入団はナシって感じになりそうなんだよね、知らんけど』

セーラ『知らんのかい!あ、すんません!』

咏『いいよーいいよー。新人ゼロってのはねぇ、どうかと思うんだよねぃ。
  うんうん、やっぱ君、うちに合うわー。わからんけど』

セーラ『どっちやねん!あ、いや、ありがとうございます』

咏『明日うちのスカウトがそっちに行くからパパっと決めちゃってー。
  がっつり君の宣伝しとくからー。お姉さんに任せとけい!』

セーラ『でもなんで俺なんか…照とは比べものにならんくらい弱いし…』

咏『セーラちゃんらしくないねぃ。君のやる気、情熱、根性、その他諸々が
  気に入っちゃったってだけだって!知らんけど』

566: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 21:42:50.65 ID:IvKRzhAso
咏『あ、でも大きな理由が1つあった!セーラちゃんと私と共通点わかるかい?』

セーラ『俺と三尋木プロ…?…あ、火力ですか?』

咏『せーかい!その火力、ドドーンと見せてくれぃ』

セーラ『は、はい!…ほんま、嬉しいです。俺、頑張ります!』

咏『おう!頑張ってくれぃ!そんじゃ、横浜でね~♪』


セーラ「と、こんな感じや」

菫「す、すごいなお前!あ、あの三尋木咏だぞ!?
  全日本の先鋒、エースなんだぞ!?直接電話だと!?」

セーラ「見る人が見たらわかるっちゅーやつな!」ドヤァ

照「ふふ、一日で元気になったね」

セーラ「昨日は変なテンションでごめんな」ペコッ

567: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 21:43:24.42 ID:IvKRzhAso
照「いいよ、そんなのもう。私、今はすごく嬉しいよ!」

菫「あぁ、お前が私のことを祝ってくれたように
  私もお前におめでとうって言うよ!江口おめでとう!」

セーラ「お、おう!まだ詳しい話は聞いてないけど
    このまま上手くいくはずや!だからたぶんって言うたんやけどな」

照「でもよかったね、横浜と東京なら近いし」

セーラ「や、それは別に関係ないっていうか…」

菫「そ、そうだ、、何言ってんだ照」

照「素直じゃないねぇ」

577: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/12(水) 22:33:40.57 ID:QkXYYNwmo
同日、セーラの部屋


セーラ「おう、そやねん。ほんで、今日仮契約や」

竜華『おめでとうセーラ!けど急やねんなぁ、そういうもんなん?』

セーラ「いや、異例やって言われたで?だいたい俺は、
    元々横浜って声をかけられてへんかったしなぁ」

竜華『ほな、三尋木プロさまさまやなぁ。すごいな、あの人
   さすがのトッププロや。えげつない権限ありそうや』

セーラ「頭上がらへんで~ほんま。さっきお礼の電話したらな、
    『いいってことよ!』ってめっちゃ軽いねん」クスッ

竜華『イメージそのまんまやな』クスクス

セーラ「けど昨日まではめっちゃ落ち込んでたんやで?」

竜華『あぁ、洋榎ちゃんなぁ、しゃーないというかなんというか。
   やっぱこっちでは人気者やねん、洋榎ちゃん』

578: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/12(水) 22:34:39.08 ID:QkXYYNwmo
セーラ「そうか…でもそら地元の選手の方がええってかー。
    大阪のスカウトの人は是非来てくださいって言うてたんやけどなぁ」

竜華『けどこんな出会いもあったわけやん、結果オーライちゃう?』

セーラ「ま、今思えばそうやけどなぁ」

竜華『それに、弘世さん東京なんやろ?ほな、横浜やったら近くやん』

セーラ「え、それ関係ないやん!」

セーラ「(照と同じこと言いよるなぁ)」

竜華『関係大有りやって!遠距離はしんどいで』

セーラ「ま、まだ付き合うとか決まったわけちゃうし…」ブツブツ

竜華『そうやとしても、好きな人の近くにいられるんやから』

579: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/12(水) 22:35:25.62 ID:QkXYYNwmo
セーラ「そ、そやな…うん。そうかも」

竜華『ふふ、素直やん』クスッ

セーラ「うるさいなぁ、竜華」

竜華『はいはい』クスクス

セーラ「ところで怜元気なん?」

竜華『いや、…最近ちょっといまいちみたい』

セーラ「そうか…コクマで無理しよったからなあ」

竜華『うん、そうやねん…ほんま心配ばっかしや』

セーラ「竜華もしんどいかもしれへんけど、支えたってな」

竜華『当たり前や!怜はうちの一番大事な人や』

セーラ「そうか、ほな大丈夫やな。元気出せって言うといて」

竜華『うんわかった。プロ行き決定も言うとく』

セーラ「頼むわ、ほなそろそろ切るで」

竜華『うんおやすみ。ほんま、おめでとうな』

セーラ「ありがとう竜華、おやすみ」

ピッ

セーラ「怜は大丈夫かな…まあでも竜華がおるし大丈夫か…」

580: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/12(水) 22:36:48.43 ID:QkXYYNwmo
数日後、麻雀部部室、放課後


淡「それでは3年生3人のプロ行き決定とクリスマスパーティーを
  兼ねまして……せーの、!」


部員「カンパーイ!!」


淡「照おめでとう!菫おめでとう!セーラ超おめでとう!」

照「ありがとう、淡」

菫「おい、江口にだけ超がつくのはなんでだ」

セーラ「俺が一番めでたいってことやんな?」

淡「セーラは1回凹んだから超つけてみた!」

セーラ「なんやとこらー」

581: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/12(水) 22:39:24.67 ID:QkXYYNwmo

尭深「でも本当によかったです、白糸台から3人もプロが出るなんて」

誠子「これはすごいことですよね!」

淡「すごいすごい!私、来年から横浜の応援するよー!」

照「え、長野も応援してよ…」

菫「おいおい、お前は元々東京のファンだったんじゃないのか」

淡「えーそうだったかなぁ」キャッキャ

セーラ「おう、ばっちり応援頼むで!ま、しばらくレギュラーは無理やろうけど」

菫「数年は仕方がないな、そういうものだし」

尭深「高卒でいきなり活躍できる人は限られていますよね」

照「最近だと戒能プロくらいだよね、あの人は強いから…」

セーラ「俺は、照も十分活躍できるって思うで?」

誠子「はい!それはもう!」

照「そうかなぁ」

582: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/12(水) 22:40:05.29 ID:QkXYYNwmo
淡「照も頑張れ、菫も頑張れ~!」キャッキャ

菫「お前何がそんなに楽しいんだよ、でも、ありがとう」

淡「うんうん」ニコニコ

セーラ「ご機嫌さんやなぁ、淡」

尭深「最近ずっとこんな感じで」

誠子「麻雀も絶好調みたいだしなぁ、淡」

淡「だって、」

照「んー?」

淡「だって、来年になったら3人にはほとんど会えなくなるもん」

583: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/12(水) 22:40:52.66 ID:QkXYYNwmo
セーラ「まあな、授業ほとんどないし…」

淡「会える時くらい、元気で可愛い私を見せたいもん」

菫「大星…」

照「淡、ありがとうね。いい後輩を持ったよ」

淡「う、ううん…ほんとは、すごく、寂しいから…でも、
  でもそんなところ見せたくないし…だから、これでいいの!」ビシッ

セーラ「ははは、ありがとうな、淡」ナデナデ

淡「うん…」

584: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/12(水) 22:41:36.26 ID:QkXYYNwmo

帰り道、通学路、3人


菫「あれだけ祝ってもらうと嬉しいものだな」

セーラ「そやなぁ、後輩って可愛いもんやな」

照「そうだよね、楽しかったなぁ」

菫「オレンジジュース美味しかったなぁ、も付け加えないと、照」

照「い、いいじゃんか」

セーラ「飲みすぎやん、どんだけ好きやねん」ケラケラ

照「美味しいんだもん」

585: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/12(水) 22:42:42.65 ID:QkXYYNwmo

照「あ、今日ね、みんなにおめでとうって言われながら、
  私たちが1年生の時のこと思い出してたんだ」

菫「1年生?」

照「インターハイで初優勝したとき、嬉しかったなぁって」

セーラ「あぁ、そやなぁ。あのときもみんなに祝ってもらったなぁ」

菫「懐かしいな、あのときは挑戦者、がむしゃらだった。
  まあ、これから先はずっと挑戦者だけど…」

照「私は公式戦自体が初めてで、あんなに勝てると思ってなくて
  周りの反応以上に自分が信じられなくて、ふわふわしてたの」

セーラ「昔のお前は自信なさげやったよな」

菫「初めて会ったとなんておどおどしてたぞ」

照「だって…ホントに自信がなかったし…でもそれは菫もじゃない?」

セーラ「そういえば、1年の時の弘世は確かにメンタル弱かったな」ゲラゲラ

菫「う、うるさい!そりゃ…1年生だったんだし…変なこと思い出すな!」

照「いいじゃん、思い出なんだからさ」

586: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/12(水) 22:43:18.71 ID:QkXYYNwmo
セーラ「ま、そんなお前もインハイの3年連続チャンピオンで
    日本のジュニア代表の主将やで?」

照「なんだか出来すぎだね」

菫「しかも、プロの全チームから声がかかった」

照「…ほんとに私なのかなって時々思っちゃうよ」

菫「ま、どれだけ強くなっても…私たちから離れていくことがあっても、
  照はそのままの照でいて欲しいな」

セーラ「うんうん」

照「少し前の私は…勝てば勝つほど孤独っていうか、
  自分の殻に閉じこもりがちだったよね。そんな私を、」

照「いつも支えてくれてありがとう、菫。
  そんな私を叱ってくれてありがとう、セーラ」

菫「…いいんだ、気にするな。礼なら私が言いたいくらいだ」

セーラ「どういたしまして、照。でも俺も…
    照のおかげで頑張れた、ありがと」

照「…うん」

587: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/12(水) 22:43:46.79 ID:QkXYYNwmo

菫「私たち、来年はプロへ行くんだよな…」

照「実感がわく?」

セーラ「いや、全然や」フルフル

菫「今はまだあまり考えられないな」

照「でも、それでも私たちは白糸台を卒業して別々のチームへ入って
  いつか敵として戦うことになるんだよね…」

セーラ「ん、そやなぁ」

菫「想像できないな…本当に卒業してしまうなんて」

照「…無理でありえないとはわかっていても、
  みんなずっと一緒がいい、なんて思っちゃうんだ」

セーラ「このまま3人、ずーっと喋ってられそうやもんな」

菫「でも、いつかは…別々の道を行くんだよな」

588: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/12(水) 22:44:44.06 ID:QkXYYNwmo
照「…やっぱり、寂しいね」

セーラ「あーあ。それ、言わんとこうって思ってたのに」

菫「そうだぞ、照。口に出すと余計に思うだろ?」

照「ごめん…でも、そう思っちゃうよ」

セーラ「そうやなぁ…」

照「…ずっと、親友だよね私たち」

菫「私は、そのつもりだ」

セーラ「同じく、そう思ってるで」

照「そうだよね、…ありがとう」

592: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:22:50.22 ID:keJwkaQro
クリスマスイブ、当日、午前、駅前


セーラ「うーん、遅いなぁ」トケイチラチラ

セーラ「20分も過ぎてもうた」ハァ


タッタッタッ


菫「はぁはぁ、すまん!」

セーラ「や、ええけど、なんかあったんか?」

菫「いや…その、乗り換えを間違えて…//」カァァ

セーラ「そうか、ええよ。気にすんな」

菫「ありがとう、で、今日はどこに行くんだった?」

セーラ「おっ………」ポカーン

593: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:23:35.38 ID:keJwkaQro
菫「え、なんだよ?江口?」

セーラ「…ん、その、服ええな」ジー

菫「あ、あ…まあ、うん//」テレ

セーラ「ミニスカートとかあんま見たことないし…
    うん、可愛い。可愛いなぁ」デレデレ

菫「そ、そうか、それはよかった//」

セーラ「ロングブーツとか弘世は背が高いから似合うなぁ」

菫「そうか?」

セーラ「俺、照とかお前と比べたらチビやし…」

菫「身長なんか気にしてるのか、今さらじゃないか」

セーラ「そら、まあそやけど」

菫「お前はそれでいいんだよ。変なこと考えるな」

セーラ「ほんま?」

菫「あぁ、そうだよ」

594: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:24:28.19 ID:keJwkaQro
セーラ「ってごめんな、俺あんまおしゃれとかしてへんわ」

菫「大丈夫だ、お前にそこは期待していない」

セーラ「じ、事実だけに言い返す言葉もないけども…」

菫「さて、遅れてしまったし、そろそろ行くか?」

セーラ「お、おうそやな」

菫「あ、結局どこに行くんだ?全然聞いてないぞ」

セーラ「とりあえず映画でも見よか」

菫「映画?今日はどこも混んでるんじゃ…」


ワイワイガヤガヤ


セーラ「アホ、誘うからには席用意してるっちゅうの」ドヤァ

菫「用意がいいじゃないか」

セーラ「そら、で、デートやしな。ほら行くで~」

菫「はいはい」

595: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:27:44.11 ID:keJwkaQro
昼下がり、公園、ベンチ


セーラ「ふぅ、休憩や~」

菫「お前食べすぎなんだよ、ほら水でも飲め」

セーラ「ありがとー」ゴクゴク

菫「で、次はどこに行くんだ?」

セーラ「ん~、ブラブラと買い物かな?」

菫「何で疑問系で返すんだよ」

セーラ「や、映画見て昼飯食べて、
    …あとは適当にって思ってて」

菫「適当って…まあ、江口らしいけど」

セーラ「それにあんま遅くにはなれへんし」

菫「あぁ、寮の門限があるもんな」

セーラ「そやなぁ、めんどいわ」

596: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:28:27.91 ID:keJwkaQro
菫「あれ、お前いつ大阪に帰るんだ?」

セーラ「ん~、明日か明後日か…気分で」

菫「そこも適当か」

セーラ「ぜーんぶ決めてしまうと息苦しいしなぁ」

菫「なるほどな」

セーラ「なー弘世ー」

菫「なんだよ」

セーラ「俺は今めっちゃ楽しいっていうか、
    そんな気分やねんけど、弘世はどうやー?」

菫「…楽しいよ。誘ってくれてありがとう、来てよかった」

セーラ「そうか、それはよかった」ニコッ

597: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:29:45.09 ID:keJwkaQro
菫「なぁ、江口…」ゴクリ

セーラ「んー?」

菫「…今日は、話をしなくちゃいけない。いいか?」

セーラ「…そら早く聞けるに越したことはないけど、
    今楽しいし、落ち込むんはイヤやな…」

菫「なんでそうやって落ち込むって決め付けるんだ」

セーラ「あ、当たり前やろ!」

菫「自分に自信はないのか?」

セーラ「そんなんないわ…」

菫「そうか…でもまあ…だよな」

セーラ「お前好きな人がいるって言うたやんか、
    そやから俺は…その、自信とかあるわけないし…」

598: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:30:44.76 ID:keJwkaQro
菫「…まあな、確かに好きな人はいるよ」

セーラ「ほら…」シュン

菫「その話をさせて欲しい。江口に聞いて欲しい」

セーラ「…そうか」

菫「いいか?」

セーラ「弘世が、その、いいんやったら…」

菫「江口が今日誘ってくれて、言うきっかけというか
  先延ばしにしないで済みそうだ。決心も出来てる」

セーラ「…うん」

菫「コクマが終わってからずっと考えてたんだよ、
  どうすることが私たちにとって一番いいんだろうって」

菫「いや、もっと前からだな。モヤモヤすると言った照に、
  江口のことが好きなんじゃないのかとアドバイスしてから、」

菫「ずっとずっと、自分と葛藤を続けていたよ。
  私はどうしたい?でも、ホントにそれでいいのか?って悩んでた」

599: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:31:40.00 ID:keJwkaQro
セーラ「…葛藤?」

菫「でも、これ以上はお前を待たせるわけには行かないと思うから。
  お前は、秋には気持ちを伝えてくれていたわけだしな」

セーラ「そうやな」

菫「で、単刀直入に言えば…」

セーラ「う、うん…」ゴクリ

菫「江口、私は好きな人がいる」

セーラ「そ、そう…」ショボン

菫「その人はバカでお調子者だが、優しくて楽しい人だ」

菫「私は……そんな、お前が好きだよ」キリッ

セーラ「…は???」ポカーン

菫「照に突付かれ、お前に催促され、…気持ちは1つしかなかった。
  でも決心がつかないし、お前に気持ちをちゃんと伝えられるか不安だった」

菫「だけど、ちゃんと伝えたい。…返事が遅くなってごめん、
  私は、…江口セーラが好きだ」

600: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:32:24.40 ID:keJwkaQro
セーラ「…待て、いや、そんなわけは…」

菫「どうしてそう思う?」

セーラ「だってそんな…いやいや!」

菫「思い返せば、私は中学のときからお前が気になってた」

セーラ「あ、アホ、そんな取ってつけたような…」

菫「事実だ。憧れていたんだよ、お前は強かったし」

セーラ「え…ほんま?」

菫「あぁ。一緒の高校に入ることになって、嬉しかったよ」

セーラ「けどそんな素振り一回もなかったやん…
    どっちかと言えば邪険やったし…」

菫「まあ、聞けよ。長い話になりそうだ…寒いし場所を変えようか?」

セーラ「…いや、ここでええわ」ドキドキ

601: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:33:06.46 ID:keJwkaQro

菫「じゃあ、まず…照だな」

セーラ「え?照?」

菫「私にとって照はお前とは少し違う意味で特別なんだよ。
  あいつには私が必要だって自惚れてたし、」

菫「そんな自分のことは嫌いじゃなかったんだ。
  だから照と江口が付き合うなら、それもアリだと思った」

菫「そう思っていたからこそ照を応援できたし
  江口を諦める事だってできてた。これでいいんだって納得してた」

セーラ「あ、諦めってお前ほんまにそんなに前から…その、あれなん?」

菫「そうだって、さっきから言ってるじゃないか」

菫「…ずっと好きだったと思う。照が好きになる前からずっと好きだったよ。
  言うつもりはなかったけど、気持ちはな」

セーラ「うわぁ…全然知らんかった…」

菫「照と江口が幸せになるのなら、それで私も幸せだと思っていたんだ」

602: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:33:59.88 ID:keJwkaQro
菫「なのにお前が…あんなことを言い出して
  最初は嬉しいなんて思えなかったし、自分を責めたよ」

菫「お前は『自分を責めるな、悪いのは俺や』って言ったけど
  そう言われたって…そんなのは無理だろ?」

セーラ「…そうか。俺はそうなるのだけは嫌ったんや。
    でも、しゃーないか…」

菫「なんてことを言うんだ、照を傷つけてしまったじゃないかと思った。
  江口のことを恨んだし、どうしたらいいかわからなかった」

菫「それに、私がお前を好きだからってじゃあ、付き合いますって
  言えるわけないだろ?照は江口を好きで、私は応援していたんだから」

菫「照を、親友を裏切るようなマネは出来ないし、
  そのことでだいぶ苦しんだ。でも結局はやっぱり嬉しかったんだよ」

セーラ「え?」

菫「納得して割り切っていたはずなのに、好意が自分に向いていると知って
  苦しんで悩むのは、結局その好意を喜んでいたってことだ」

603: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:34:45.56 ID:keJwkaQro
菫「そんな自分が許せなかった。何を喜んでるんだ、照は苦しんでるのに。
  照は練習にも来ないほど落ち込んでいるのに、って自己嫌悪したよ」

セーラ「…ごめん」

菫「どうして謝る?」

セーラ「だってなんか…」

菫「気にするな。照が言ってたろ?親友なんだからって。
  私はそれに救われたんだ。…気が楽になった」

セーラ「あぁ…そやったか」

菫「コクマの後、東京に帰る前の夜にな、照に言われたんだ。
  『菫が好きなのはセーラでしょ?』ってな」

セーラ「知ってたんか、あいつ…それでデートなんて…」

菫「その時は認めなかったけどな。それは違う、そんなはずないだろって。
  必死で否定してた。言えば言うほどそうだって言ってるようなものなのに」

604: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:35:24.55 ID:keJwkaQro
菫「照だってそんなことわかってたろうに。私は必死だったんだよ。
  事実を素直に認められなかったんだ。だってそんなこと、」

菫「そんなこと、照の前で認められるわけないだろ?
  それに、…私は天邪鬼だからな」

菫「素直に認めることが出来なかった。恥ずかしかったし、
  そんな私なんかが江口にはふさわしくないと思っていたよ」

菫「だから…このままでいいってそう思おうとしてた。
  3人でいつまでも友達でいれればいいって」

菫「照は、…他の誰かにとられてもいいのかって言ったけど
  このままでいいんだから、誰とくっつこうが関係ないって言い訳してたんだな」

菫「関係ないはずないのに。イヤだって思うくせに。
  やっぱり素直じゃないんだ、私は」

セーラ「ほんまに意地っ張りやな、筋金入りや」

菫「…嫌いか?」

セーラ「いや、それも弘世らしさやし」

菫「そう言ってもらえると助かる」

605: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:36:03.88 ID:keJwkaQro
セーラ「ちゅうかお前、考え込みすぎや。もっとシンプルでええやん」

菫「そうもいかない…」

セーラ「このクソマジメ」

菫「うるさいっ…で、続きなんだが、」
 
菫「次の日の朝だったか、他の誰かが江口とくっつくのは許せない、
  私と江口なら応援できると照は言ってくれた」

菫「勝手言うなよ…とは思ったよ。でも、…そこまで思ってくれる友人なんて
  ほかに居るわけはないし…照には本当に感謝でいっぱいだ」

セーラ「照はなぁ…ええヤツすぎてたまに心配になるわ」

菫「…だな、少し分かる。もっとワガママでいいのにな。
  いや、最大のワガママを引き止めたのは私たちだったか…」

セーラ「麻雀は辞めるってやつか」

菫「そう、…間違ってなかったよな?」

セーラ「と、思ってる。間違ってない」

菫「…だよな」

606: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:37:49.40 ID:keJwkaQro
菫「で、まあ…照が色々後押ししてくれて…
  私は自分に素直になろうと思えた…すごいことだよ」

セーラ「俺が返事聞きたいって言うたときは?」

菫「素直になるつもりはあった。でも、何を言えばいいか
  何から話せばいいのか整理がつかなくて…」

菫「言いたいことがちゃんと言えなきゃだめだし、
  それには少し時間が必要で…待たせてすまなかった…」

セーラ「ううん、今このとき、俺は幸せやし?」ニヒヒ

菫「…ありがとう」

セーラ「な、寒いしそっち行っていい?」

菫「え、あぁ」

セーラ「ほな失礼して…」ゴソゴソ…ピタ

菫「う、うわ、ち、近いな//」

セーラ「…弘世、俺、お前のことが好き」モタレレカカル

菫「…ん、私も」

607: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:38:32.59 ID:keJwkaQro
菫「今日一緒にいて、やっぱりお前が好きだと…思った。
  卒業しても、これからも…そばにいたい…」ボソボソ

セーラ「俺も同じ気持ちや、めっちゃ嬉しい」ニコニコ

菫「そ、それはよかった…//」テレ

セーラ「な、弘世、…名前で呼んでくれへん?」

菫「え…」

セーラ「頼む、な?…す、菫」

菫「…わ、わかったよ…せ、セーラ」

セーラ「……うわ、やばい//」

菫「こ、こっちのセリフだろ…//」

セーラ「こ、これからもよろしく…」

菫「こちらこそ…よろしく、セーラ」

608: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:39:56.45 ID:keJwkaQro
セーラ「…なぁ、菫?」

菫「ん?」

セーラ「渡したいもの、あるから目閉じて?」

菫「あぁ、私もプレゼントが…」ゴソゴソ

セーラ「ちょ、ええから早く閉じろって」

菫「なんだよ…はいはい」スッ

セーラ「……」ゴクリ

菫「早くしろよ」

セーラ「……ちゅっ」

菫「え……」

セーラ「…や、あの//」

菫「お、お前、な、何を…!!」

セーラ「べ、別に何も?(や、柔らかかった…うわぁぁぁ)」

菫「そ、そんなわけないだろ!(い、今のってまさか…うわぁぁぁ)」

609: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:42:05.53 ID:keJwkaQro
セーラ「…あ、そんで、これ(顔見れへん、やばいやばい!)」ハイ

菫「…あ、ありがと…これなんだ?(ダメだ、顔を上げたら真っ赤だ…!)」」

セーラ「開けてや?」

菫「じゃ、じゃあ、私からも。これ」スッ

セーラ「ありがとう…なんやろなぁ」

菫「ん…これって」ガサゴソ

セーラ「あぁ、ひろ、いや、す、菫が普段してる皮のブレスレットの
    色違いというかなんというか…似合うかなぁと」

菫「ありがとう、いい感じだ…つけてくれ」

セーラ「あ、うん…お前、手首細いなぁ」サワサワ

菫「ちょ、やめろ//」

セーラ「ご、ごめん//…これで、よし」カチッ

菫「おぉ、いいな。うん、気に入った」

610: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:42:46.85 ID:keJwkaQro
セーラ「そらよかった…っと、こっちは…ストラップ?弓かー」クスッ

菫「そういうの、実はあんまり売ってないし…そ、その…ええっと…」ゴモゴモ

セーラ「なんや?はっきり言えって」??

菫「ゆ、弓矢を見れば私を思い出すかなあ…と//」カァァ

セーラ「クスッ、なんやそれ」ケラケラ

菫「わ、笑うなら返せ!」グイッ

セーラ「あ、あかん!嬉しいから、ほんま!ありがとう!」

菫「ったく…」

セーラ「へぇ、うん、可愛いやんこれ」

菫「そりゃよかった」

611: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 21:43:56.67 ID:keJwkaQro
セーラ「…ところでそろそろ寒いな」

菫「長いこと喋っていたからな。ありがとう、ちゃんと聞いてくれて」ペコッ

セーラ「こちらこそ、話してくれてありがとう…さて、移動する?」

菫「そうだな、ブラブラするんだっけ?」

セーラ「そうそう」

菫「よし、じゃあ手を出してくれセーラ」

セーラ「え?」

菫「ほら、こうすると…温かいだろ」ニギッ

セーラ「あわわわ!//」

菫「行くぞ?」グイッ

セーラ「う、うん//」テレ


セーラ「(り、リードされてる…う、嬉しい、かも…)」

619: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 20:52:06.83 ID:IMiqpSv+o
次の日、寮、セーラの部屋


菫「おぉ、かなり片付いているじゃないか」

セーラ「もうここにいる時間も長くないしなぁ」

照「そうだね、あと2ヶ月…か」

セーラ「それに、明日から大阪やし…と、思ってたんやけど
    実は止めようかと思って」

菫「え、帰らないのか?」

照「…菫、嬉しそう」クスッ

菫「ば、バカそんなんじゃ」アセッ

620: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 20:52:46.33 ID:IMiqpSv+o
セーラ「実はな、怜があんま調子よくないらしくて…
    そんなときに帰ったら気を使わせそうかなって」

照「あぁ、園城寺さんは結構無茶しちゃう人だしね」

セーラ「そもそもコクマで淡相手に無茶しまくりやったから、
    それがたたってるんかなぁって竜華とは言うてたんよ」

菫「なるほどな、お前が帰って行くと出迎えたりしそうだからな」

セーラ「そら会いたいけど、無理させたくないし…うん、
    そやからこっちに残るわ。うちの家族もそんでええって言うてたし」

照「そっか、うんそれがいいかも。あ、私も長野に帰るのは延期にしたの」

菫「咲ちゃん待ってるんじゃないのか?」

照「そうなんだけどね…来年からあっちに住むわけだし、
  まあいいかなぁと思って」

セーラ「そっか、ほな年末は3人とも東京ってわけやな」

照「うん、そうなったね」

621: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 20:53:17.56 ID:IMiqpSv+o
セーラ「あ、で、…うん、照にここに来てもらったんは他でもなくて…」

照「なに?もう、昨日の夜から聞く準備万端なんだよー?
  なのに2人とも全然連絡してこないし…」

菫「す、すまん。明日、つまり、今日に2人から話そうと思っていて…」

セーラ「そうなんや、ごめんな。世話になりっぱなしやのに」

照「それは別にいいけどね、さて…どんな話?」ゴクリ

菫「ん…昨日、私の気持ちを伝えたんだ」

照「…うん」

セーラ「それで、…俺と、…菫は付き合うことになりました!」

照「うん、そっか、よかった。うん、おめでとう」ニコニコ

菫「…ありがとう照、照のおかげだと思う。感謝してもし足りない」

照「ふふ、いいの。言ったでしょ?2人なら応援できるって」

セーラ「いろいろありがとうな」

照「ううん、いいの…ほんといいから…。ん、あれ?」

622: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 20:54:49.96 ID:IMiqpSv+o
菫「どうした?」

照「セーラ、今なんて言った?」

セーラ「へ?いろいろありがとうって」

照「や、その前」

菫「なんだ?照?」

セーラ「その前?うーん…菫と付き合うことになりました?」

照「そ、それだよ!え、いつから?菫って呼んでるの!?」

セーラ「え、あ、…まあ//」テレ

照「あれ、じゃあ菫も?」

菫「まあ…そういうことになったっていうか//」

照「そうなんだ、いいねなんだか。可愛いよ、2人とも」

セーラ「あ、ありがと」

菫「…ありがとう、照」

623: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 20:55:22.20 ID:IMiqpSv+o
照「はぁ、じゃあ私これで完全に失恋だね」

セーラ「あ、そう…なるん?」

照「まあね」

菫「ごめん」

照「どうして謝るの、もう。すっきりした気持ちだよ。
  全部リセットできた!…だから次は新しい出会いでも探さなきゃ!」

セーラ「照ならすぐやろ?」

照「どうかなぁ、でもしばらくは咲に甘えようかな、えへへ」

菫「それがいいな、咲ちゃん可愛いし」

照「ほんとにおめでとう。2人は色んな遠慮を今でも感じるかもしれないけど
  でも、ほんとに何も気にしなくていいんだよ」

照「幸せになってね、私はずっと2人の味方だし親友だよ?」

セーラ「うぅ、照ぅ…グス」

照「あぁ、もう泣いちゃった」アハハ

菫「あ、ありがと、照、わ、私もずっと親友だっグス」

照「うんうん。2人とも泣き虫だねぇ、もう」ヨシヨシ

624: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 20:56:00.60 ID:IMiqpSv+o
同日、夜


セーラ「うん、そう、それで…付き合えることになった」

竜華『おっめでとう!やったなぁ、セーラ』

セーラ「おう、やった。ほんま嬉しい」

竜華『心配してたんやで、めっちゃ心配してた』

セーラ「ありがとうな、感謝してるで」

竜華『そんなん!私何にもしてへんし』

セーラ「いや、怜も竜華も話を聞いてくれたやんか。
    俺はそれだけで嬉しかったんや」

竜華『ふふ、そうか。ほなよかったけど』

セーラ「あ、ほんで…怜はどうや?」

竜華『うん、前よりだいぶようなってるで。』

セーラ「そうかぁ、よかった…心配でたまらん」

625: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 20:56:52.08 ID:IMiqpSv+o
竜華『ほなあとで電話してあげて?声聞きたがってるで』

セーラ「ん、わかった…あ、それで年末やねんけど、
    怜に負担かけるんもあれやし帰省せんとこうかと思って」

竜華『あぁ、そうか…会えるん楽しみにしてたけど、
   セーラ帰ってきたら怜は無茶するかもしれへんなぁ』

セーラ「そやろ?だから、こっちにおることにするわ。
    怜には用事ができたし帰れへんって言うとくし」

竜華『うん、わかった。でも、また3人で遊ぼな?』

セーラ「もちろんや。…じゃあ、怜に電話するわ」

竜華『そうしてあげて。セーラ、改めておめでと』

セーラ「…ありがと、竜華。ほなまた」

竜華『うん』


ピッ


セーラ「ふぅ…ほな怜に…」

626: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 20:57:25.09 ID:IMiqpSv+o
怜『はい、セーラ?』

セーラ「おう、俺や。どや、元気か?」

怜『まあまあやな…久しぶりやん』

セーラ「体調悪いって聞いてたしなぁ」

怜『ありがと、優しいな』

セーラ「俺はいつでも優しいで?」

怜『ふふ、そやったなぁ』クスクス

セーラ「あ、竜華から聞いたやろうけど横浜入り決まった」

怜『うん、聞いた…すごいなぁ。三尋木プロに誘われたんやろ?』

セーラ「まあな…びっくりしたけど、嬉しかった」

怜『頑張ってな、これは来年横浜のファンになってしまうかもしれへん』

セーラ「なってくれなってくれ、ファンクラブあるで」

627: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 20:57:56.71 ID:IMiqpSv+o
怜『けど、ちょっと寂しいな…遠くへ行くみたいやん』

セーラ「そんなことない、俺はいつでも怜の親友や」

怜『うん…ありがとう、嬉しい』

セーラ「それで…あの、弘世のことやねんけど、」

怜『おぉ、弘世さん』

セーラ「…付き合えることになった!」

怜『おぉぉー!おめでとー!』キャッキャ

セーラ「ありがとう、竜華にも怜にも感謝でいっぱいや」

怜『大したことしてへんけど、うん、どういたしまして』

セーラ「気持ちが通じるってなんかええよな//」

怜『セーラもそんなこと言うんやな』ケラケラ

セーラ「ちょ、笑うなや//恥ずかしいやん」

怜『ごめんごめん、でもほんまよかった…』

628: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 20:59:05.71 ID:IMiqpSv+o
セーラ「あ、ほんで、年末やねんけどこっちで用事ができて、
    帰省できんようになってしもた、ごめんな」

怜『ううん、ええよ。こうやって話せるだけでも嬉しいで』

セーラ「そうかー。電話してよかった」

怜『そやで、セーラの声で元気になるんや』

セーラ「…また3人でどっか遊びに行こうな」

怜『うん、ええなそれ。旅行も行きたい』

セーラ「うんうん、ええ案や」

怜『じゃあセーラ、寒いけど体調に気をつけてな』

セーラ「アホ、それは俺のセリフやぞ」

怜『確かにな』クスクス

セーラ「元気で会おうや」

怜『うん、ほなまた』

セーラ「またな、怜」

632: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:52:29.52 ID:3qbaT6qHo
数日後、夜、菫の部屋


セーラ「…あかん、これはあかん//」モゾモゾ

菫「なんだ、うるさいぞ」ペラッ

セーラ「あかんって菫!」

菫「なにがだよ?」ペラッ

セーラ「なんかええ匂いするし緊張する!」ドキドキ

菫「何回か来たことあるだろお前」ペラッ

セーラ「あかんあかん、そんなもん友達と恋人はちゃうやろ」

菫「こ、恋人って…//」

セーラ「ってお前さっきから雑誌ばっか見よってからに!」

菫「だって別にすることもないし…」

セーラ「喋ろうやー、な?そのほうが緊張せんですむし」

菫「今更喋ることもそんなにないだろ…」

633: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:53:39.03 ID:3qbaT6qHo
セーラ「ちゅうか俺、ここにしばらく泊まるんよなぁ」ドキドキ

菫「あ、帰るか?」

セーラ「いやいや!年明けまで外泊届け出してるから帰れへんって!」アセッ

菫「いいじゃないか、用事があってとか適当に理由をつければ」ペラッ

セーラ「菫が年明けまでうちに泊まればいいとか言うたんやろうがー」

菫「そうだけど…居心地悪いなら無理にとは言えないだろ」ペラッ

セーラ「わ、悪いとは言うてへんやん」

菫「そうか?ならいいけど…あ、お前ベッド使っていいからな」ペラッ

セーラ「え、なんで?」

菫「なんでってお母さんがお客さんはベッドでーとか言ってたから」ペラッ

634: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:54:13.55 ID:3qbaT6qHo
セーラ「…ん、いや、あの」

菫「なんだよ?」

セーラ「ほら、このベッド大きめ?やし?」

菫「はっきり言え」

セーラ「…一緒にどうでしょうか」

菫「は?」

セーラ「や、…ほら、一緒に寝るというのは」

菫「…いや、無理無理!!!」

セーラ「そんな思いっきり否定せんでも…」シュン

菫「だ、だって…そんなことしたら寝れないし…//」テレ

セーラ「…確かに」

菫「だ、だろ?やめとこう」

セーラ「まあ、ええけど…お、もう9時かあ」

635: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:56:00.29 ID:3qbaT6qHo
菫「と、とりあえず布団敷くな」

セーラ「お、おう」

菫「もう少し広ければゆったりもできるんだが、すまん」ゴソゴソ

セーラ「いや、十分やって。それに…広さどうのようりも、その、」

菫「んー?」シーツピーン

セーラ「一緒に同じとこにいるってのが、大事っちゅうか…うん//」ウツムキ

菫「…かもな、よし、できた」パンパン

セーラ「いつもは何時に寝てんの?」

菫「だいたい11時までには。勉強もするしな」

セーラ「そうなんか、俺は早い時やと8時には寝てる」

菫「早すぎだろ…勉強しろよ」ハァ

セーラ「えぇ、めんどいし…あ、ほら!」

菫「あぁ?」

636: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:56:46.11 ID:3qbaT6qHo
セーラ「勉強なんかせんでも高校も入れたし就職もできたし!」ドヤァ

菫「いや、高校を卒業しないと就職できないぞ」

セーラ「…わかってるけども、それはまあ大丈夫…のはず」

菫「卒業はちゃんしなきゃな。年明けのテストさえ頑張れば大丈夫だ」

セーラ「うぅ…わかった」

菫「教えるから、やる気出せ」

セーラ「うん……めんどくさいなぁ」

菫「園城寺さんも心配してたろ」

セーラ「…あぁ、そういえば」

菫「変な心配かけないように頑張れ」

セーラ「そやな…俺、頑張る!」

菫「よし、その意気だ。…さてと、」

セーラ「どした?」

637: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:57:26.27 ID:3qbaT6qHo
菫「セーラ、お前話をしようって言ったろ?」

セーラ「あぁ、うん。でも、緊張ほぐれてきたかも…」

菫「そうか?じゃあもう寝るか?」

セーラ「とりあえずベッド入る…悪いな、ベッド」モゾモゾゴソゴソ

菫「気にするな。私は床も嫌いじゃない。あ、電気消すぞ」ゴソゴソ


パチン


セーラ「…なぁ、初詣行く?」

菫「唐突だなあ、まあ、行ってもいいな」

セーラ「照も誘おうや」

菫「そうだな、うん。3人で来年の活躍を祈ろう」

セーラ「ええなぁ。楽しそうや」

菫「あぁ。3人でどこかへ出かけられるのはもう数少ないだろうし」

638: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:58:12.18 ID:3qbaT6qHo
セーラ「…なぁ菫、俺…やっぱ幸せや」

菫「私も。こうして2人で私の部屋にいることが、何より幸せだよ」

セーラ「来年は俺、横浜に行くんやなぁ」

菫「近いよ、すぐだ。私はここにいるから」

セーラ「うん…」

菫「私は意外と不安じゃないんだ」

セーラ「なんで?」

菫「なんとなく、大丈夫だと思える」

セーラ「なんやそれ…でも、そういうのも大事なんかな」

菫「セーラ、私に言っただろ。シンプルでいいって。
  だから、なんとなくでも、その直感を信じたくてな」

セーラ「なるほど、ええ心がけやな」

639: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:59:02.39 ID:3qbaT6qHo
菫「私の思考はつい悪い方とか深い方へ行ってしまうけど
  お前の存在がそれを止めてくれると思う、助かってる」

セーラ「おぉ、なんか嬉しい。でもそれやったら俺も。
    ただ優しいだけじゃない菫が俺には大切やで」

菫「…ありがとう。私も嬉しい」

セーラ「あのさ、」

菫「なんだ?もう寝るか?」

セーラ「…やっぱ、こっちで寝ようや」ポンポン

菫「…いやそれは」

セーラ「菫と一緒がええの」

菫「う、うぅ……わかったよ」スッ

菫「じゃあ失礼して…」ゴソゴソ

セーラ「いらっしゃい、って菫のベッドやけど」

菫「な、なあ、もっと壁際にいけよ。狭いだろ」

640: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 23:00:12.98 ID:3qbaT6qHo
セーラ「イヤや。ほら、こうしたら狭くないし」ギュウ

菫「ちょっ!!」ドキドキ

セーラ「こうしてくっついたら狭くないやん?」ナデナデスリスリ

菫「や、あの、えっと…は、恥ずかしい…てかやっぱり狭い…」コゴエ

セーラ「…なぁ、キスしよ?」グイッ

菫「そんなこと聞くな…ムードってもんが、」ちゅっ

セーラ「…おぉ、やっぱ柔らかいな//」ドキドキ

菫「う、うるさい…てか顔が近い…息がかかるじゃないか」

セーラ「そらキスもできる距離やし?…あ、もっかい」チュッ

菫「……もう…一度」

641: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 23:01:08.99 ID:3qbaT6qHo
セーラ「ん……ペロ」

菫「な、舐めるなよ…」

セーラ「ええやん、ちょっと進化したキスやし」

菫「進化って…んっ、はぁっ」

セーラ「はぁ、んっ…もっと…していい?」

菫「勝手に、しろ……ちゅっ……んぁ」

セーラ「はむっ…」

菫「んむ…ちゅ…(だめだ、何も考えられない…気持ちいい)」

セーラ「(この音やらしいなぁ…俺何してんのやろ…でもやっぱ…気持ちいなぁ)」

645: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/20(木) 21:44:15.20 ID:3Q4SMyK6o
大晦日、夜、照の部屋



TV『さぁ、新しい年へのカウントダウン!
   5、4、3、2、…1!!ハッピーニューイヤー!!』


菫「おぉ、明けたか」

照「新しい1年の始まりだね」

セーラ「んー…そやなぁ。あっけないなぁ…」

菫「毎年そうなんだよな、意外にあっけない」

照「そういうものだよね、年明けって。
  さて、そろそろ準備しようか」

セーラ「うぅ眠い…」ゴシゴシ

菫「だから昼間に寝ておけとあれほど…」ガミガミ

照「まあまあ。セーラ、どうする?止めてもいいよ?」

セーラ「ううん…行く。眠いけど、初詣行く…うぅ、寒い」

646: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/20(木) 21:45:16.19 ID:3Q4SMyK6o
照「はいはい、じゃあコート着て」

菫「しっかりしろセーラ」コツン

セーラ「いたっ!」

菫「よし、起きた」

セーラ「このぉ…」イテテ

菫「はいはい」ナデナデ

セーラ「う、うぅ//」

照「私、夜の神社はじめてなんだよねー楽しみ」

菫「私は何度か…セーラは?」

セーラ「ん、去年は竜華と怜と一緒に地元の神社行ったで」

照「あぁ、園城寺さん…具合どうなんだろう?」

セーラ「昨日、本人と喋ったけどかなりマシになったって」

照「そっか、よかった」

647: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/20(木) 21:46:27.15 ID:3Q4SMyK6o
菫「ここぞとばかりに甘えているらしいぞ」

セーラ「怜は甘えるのが得意ちゃうからな、
    こういうときは甘えたらええねん」

照「ほっとしたよ。でも、寂しがってなかった?セーラが帰ってこなくて」

セーラ「あぁ、うんそれは」

照「そっか」

セーラ「怜の病状がマシになって、落ち着いたからこそ言えるけど、
     この3人で年越しができることなんてこの先ないかも知れへんし、」

セーラ「理由がどうであれ、ここに残ってよかったと思うで」

照「菫とも一緒にいられるもんね、24時間一緒」クスッ

セーラ「あわわ、そ、そういう意味やなくて!」アセアセ

菫「別に24時間一緒ってわけじゃ…//」

照「はいはい、もうこういう煽りにいい加減耐性つけてよ」クスクス

セーラ「うっ…恥ずかしい…」

菫「そ、そろそろ行くぞ!」

照「はーい。行こう行こう~」

648: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/20(木) 21:46:55.08 ID:3Q4SMyK6o
近所の神社


ワーワーガヤガヤ


セーラ「すごい人やなぁ」

照「だねぇ、まさかここまでとは」

菫「これだけ人がいれば寒さもいくらかマシだろ」

セーラ「えらい熱気や…」ボー

照「さて、お参りの列に並ぼう」

菫「ん、おい、セーラ!遅れるなよ!」

セーラ「わ、ちょっ待てー!」

菫「ボーっとするな、この年で迷子は恥ずかしいぞ」

セーラ「ご、ごめん」

照「ふふ、やっぱり菫がリードするよね」クスッ

菫「…ほら、迷子にならないように、その…」ニギ

セーラ「う、うん…ありがと」ギュウ

649: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/20(木) 21:47:21.03 ID:3Q4SMyK6o
照「熱いなぁ、別の意味でー」

菫「うるさいぞ照」

照「ごめんねー」

セーラ「全く思ってへんときのごめんねやで、あれ」

照「そーでもないけどー?」

菫「ふざけてないでほら、前に進んで」

照「わかってるー」

セーラ「あ、あとでたこ焼き食べよーや。お、クレープもありやな!」

菫「え、この時間にそれはちょっと…」

照「今日はいいでしょーさすがに」

セーラ「え?なにが?」

菫「なにが?ってお前ホントに女なのか…」

照「菫は夜にそういうの食べると太るよーって言いたいの」

セーラ「ん??いや、もっと太ってもええやろ。細いでお前」

650: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/20(木) 21:48:02.17 ID:3Q4SMyK6o
菫「なっ!これでもいろいろ気を使ってるんだぞ」

セーラ「そうなん?」

菫「はぁ…」

照「セーラはそういう人だからね、菫」

セーラ「俺は体重とか気にしたことないからなぁ」

菫「いいよな、お前太らないんだもんな」

セーラ「そうやねん、この際もうちょっと鍛えるか」

照「ムキムキなセーラはいやかな」クスッ

セーラ「えーそうかー?って照もめちゃ細いんやで?」

照「私もあんまり太らないよ?あれ、言わなかったっけ?」

菫「私は聞いたことある…ったくお前らは」

セーラ「お、もうすぐやで!」

照「うんうん、ほら、菫」

菫「わかってるよ…」

651: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/20(木) 21:48:36.50 ID:3Q4SMyK6o
ガランガラン


パンパン


セーラ「(親友の、恋人の、後輩の、みんなが幸せになれますように)」

菫「(プロの世界で大成できますように。今年一年が平和でありますように)」

照「(いつまでも、3人仲良くいられますように。いつか、運命の人に出会えますように)」

652: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/20(木) 21:49:45.04 ID:3Q4SMyK6o
セーラ「ふぅ、やっと落ち着いた場所にこれたな」

菫「本殿から離れると少しは静かになるな」

照「ね、何をお願いしたの?」

セーラ「それは言うたらあかんやろー」

菫「言ったら願いは叶わないぞ?」

照「そうだね、ごめん。叶うといいなぁ」

セーラ「ほんまにな」

菫「さて、これからどうする?」

照「たこ焼きだよね、セーラ」

セーラ「おぉ、そうや!ええやろ?」

菫「ま、まあ今日くらいはいいことにするか」

セーラ「よっしゃ、ほな行くで~」グイッ

菫「わ、ちょ、引っ張るな!」

照「ほんとイチャイチャするよね、そこ」

菫「そ、そんなつもりはないんだぞ!」

照「どーかなぁ」

セーラ「おい照~何個入りにするー?」

照「あー。えっとねー…」

656: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/23(日) 21:05:31.80 ID:FEacYc2Do
1月後半、放課後、麻雀部部室


ガラッ


淡「ふふ~ん♪たかみー今日のおやつなにー?」

セーラ「よう、淡」

淡「え、えぇ!?何してんの!?」

照「卒業までの間、どうせすることもないから
  3人で後輩を鍛えようかと思って」

セーラ「最後のテストも終わったしなー」

菫「まあ余計なお世話かもしれないが」

尭深「いえそんなこと!本当に嬉しいです!ね、淡ちゃん」

淡「ほ、ほんとに?」

セーラ「ウソついてどーすんの」

657: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/23(日) 21:06:20.76 ID:FEacYc2Do
淡「じゃあ、授業なくても毎日来てくれるの?」

菫「一応、そのつもりだ」

照「来れる範囲でだけどね」

淡「わぁ、やった!」

菫「セ、江口はテストでやらかして1月中はずっと補習だけどな」

セーラ「こら、バラすな!言わんかったらバレへんのに…」

淡「えーセーラちゃんと卒業できるのー?」

セーラ「補習さえちゃんと出席すれば…うん、なんとか」

菫「あれだけ勉強したのにな」

セーラ「…面目ない」

照「ヒヤヒヤさせてくれるよねぇ、就職決まったってのに」

セーラ「うぅ、何も言えへん…あ、でも怜には絶対内緒やで?」

菫「当たり前だバカモノが、負担かけてどうする」

セーラ「…すまん」

658: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/23(日) 21:06:46.98 ID:FEacYc2Do
ガラッ


誠子「おっはよー尭深ーお茶を…って先輩!」

部員A「み、宮永先輩!」

部員B「ど、どうされたんですか?」


説明中...


照「……と、いうことでお邪魔しようかと」

誠子「そんな!邪魔だなんて!よろしくお願いします!」ペコ

淡「じゃ、その前におやつ!」

誠子「あ、お茶もいいな」

菫「ダメだ、練習の後にしろ」

誠子「す、すいません」アセッ

淡「えぇー力でないよー」

659: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/23(日) 21:07:16.64 ID:FEacYc2Do
尭深「ほら、先輩もそう言ってるし…ね、淡ちゃん」

淡「ぶー」

セーラ「よーし、打つかー。淡、やるで」

淡「…わかったよぉ」

照「コクマのときの自覚はどこ行ったの、弛んでるよ。
  淡はこのチームの何なの?」

淡「うっ…エースです…ごめんなさい」

照「わかってるならちゃんとして。淡、先輩になるんだよ」

淡「…わかってるよ」

セーラ「照は相変わらず怒ると怖いこって」

照「なんか言った?」

セーラ「いや?ほら、お前らも卓につけー」

部員A・B「「は、はい!」」

660: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/23(日) 21:08:22.67 ID:FEacYc2Do
2月、麻雀部部室、ソファ



淡「だぁー…つ、疲れた」バタン

セーラ「おいおい、まだ休んだらあかん」グイ

淡「でもー」

セーラ「お前、今日は全然あかんやろ」ペシッ

淡「そーいう日もあるだろうし」

セーラ「あのなぁ」

淡「ねーなんで?」

セーラ「え?」

淡「教えてくれるも嬉しいし、部活にきてくれるのも嬉しいけど、
  3人とも厳しいし、冷たい。優しくない」

淡「だからあんまり楽しくない…」

661: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/23(日) 21:09:03.43 ID:FEacYc2Do

セーラ「遊びに来てるわけちゃうし、俺らもうすぐ卒業やし、
    それまでにできることはしておきたいんや」

淡「それはわかるけど…楽しくやりたい」

セーラ「俺も楽しくやりたいけど、最近の淡は楽しめるとこまでいけてないやん。
    イヤとか疲れたとか言うてそれ以上を放棄してるで」

淡「……だって」

セーラ「俺もお前にこんな厳しいこと言いたくないし、
    言うの自体ほとんど初めてやけど、」

セーラ「お前にしっかりして欲しいからやで、わかってくれ」

淡「…わかった、頑張る」

セーラ「うん、ありがとう。俺、やっぱり淡には頑張って欲しいから」ナデナデ

淡「…そうやって撫でてくれるのも、なくなっちゃうんだよね」

セーラ「寂しい?」

淡「そりゃ…」

662: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/23(日) 21:09:55.57 ID:FEacYc2Do
セーラ「でも、淡にもきっと、俺にとってのお前みたいな後輩ができるって」

淡「そんなのいらない」

セーラ「そう言うなって。俺、後輩できて嬉しかったし、
    こんなに懐いてくれて感謝してる」

淡「…う、うん」

セーラ「そんな後輩ができた時は、こうやって、
    自分がされて嬉しかったことをしてあげればええねん。な?」ナデナデ

淡「……そんなの、できるのかな」

セーラ「できるって。淡は素直でええ子やし、大丈夫」ニコニコ

淡「照れるよ…」ウツムキ

セーラ「さ、おしゃべりもしたところで卓に戻るで」

淡「…うん、頑張る」

セーラ「よし、ええ子や」ポンポン

663: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/23(日) 21:10:36.73 ID:FEacYc2Do
菫「やっぱりあいつの扱いは江口が一番うまいな」

照「私や菫が言うとなんだかんだで反発しちゃうしね…
  淡とは仲良くなれたつもりだけど、でもやっぱりセーラだよね」

菫「ただ江口のヤツ…大星に触りすぎじゃないか?」

照「そう?…なに、妬いてるの?」

菫「い、いや!別にそういうことではない!」

照「またまた~」

菫「う、うるさいんだよ!…お、おい亦野!」

誠子「は、はい!」

菫「お、お前この牌譜はなんだこれ!これじゃあ…」ガミガミ

誠子「す、すいません…」

664: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/23(日) 21:11:24.24 ID:FEacYc2Do
照「可哀想に…まあ、あの牌譜じゃ仕方ないけど」ボソッ

尭深「み、宮永先輩…誠子を助けてあげてください」

照「うーん…じゃあ、東風やろうよ。で尭深が勝ったらね」

尭深「え、それ勝ち目ないです…」

照「冗談だよ」クスッ

尭深「も、もう…」

照「ねぇ菫、もうそのへんにしてあげて。
  誠子もほら、あっちの卓に行っておいで」

誠子「あ、ありがとうございます」スタスタ

菫「あのなぁ、照これくらいは…」ガミガミ

照「え、う、うん(と、とばっちり!)」アセッ

670: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/29(土) 02:39:12.58 ID:+pTnvTgOo
2月後半、大阪、セーラの部屋


怜「おかえり、でええんかな」

セーラ「ただいまー怜ぃ~」ダキッ

怜「も、もう元気やなぁ」

セーラ「心配してたんやで?」

怜「ごめんな、でももう大丈夫」

竜華「うんうん、大学も無事合格したしなぁ」

怜「竜華と一緒に大学生や!」ドヤァ

セーラ「おめでとう、よかったな」

竜華「ありがとうセーラ、セーラも横浜入りおめでとう」

怜「おめでとうー。同級生がプロ雀士やなんてなぁ」

セーラ「へへ、なんかこう面と向かって言われると嬉しいなぁ」

671: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/29(土) 02:39:46.20 ID:+pTnvTgOo
竜華「横浜に住むんやろ?オシャレやん!」

セーラ「せやろー?」

怜「一人暮らし?」

セーラ「そうそう。寮ちゃうし、家事とかやらなあかん」

竜華「あぁ、これは…無理やな」

怜「せやな…」

セーラ「照と菫にも、無謀すぎるって言われた…」

竜華「大丈夫なん?」

セーラ「まあ、なるようになるんちゃう…?たぶん…」

怜「なぁ竜華、私心配やわ」ソワソワ

竜華「私もやで…セーラ、ちゃんとせなあかんで?」

672: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/29(土) 02:40:14.72 ID:+pTnvTgOo
セーラ「わ、わかってるって!しかしその点、菫も照もええよなぁ」

怜「なんで?」

セーラ「いやほら、照も菫も実家やし」

竜華「あぁー。ま、それはもうしゃーないなあ」

セーラ「…頑張るわ、それなりに」

怜「あ、いつ引越し?」

セーラ「卒業式の次の日には寮から出て、横浜へ行くで」

竜華「こっちにはもう戻ってこーへんの?」

セーラ「そうやなぁ、時間ないなぁ。せやから、3人で会えるんも、
    しばらくないかもしれへん」

怜「そっか…でも、セーラの仕事やねんもん。しゃーない」

竜華「うん、しゃーないなぁ」

セーラ「寂しいけど…しゃーないな」

673: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/29(土) 02:41:03.56 ID:+pTnvTgOo

竜華「あ、そういえば最近は麻雀部に顔出してるんやろー?」

セーラ「うん、そうやねん。後輩鍛えたろーって思って」

怜「セーラ、スパルタらしいやん」クスッ

セーラ「えーそんなん誰から聞いたん!?」アセッ

怜「大星淡ちゃん、メルアド交換してたんやで~」

セーラ「い、いつの間に!」

怜「や、ほとんどメールなんかしてへんけどなぁ。つい最近、
  『セーラが怖い!』ってメール来てたから」ケラケラ

セーラ「あ、あいつー!や、別に厳しいわけちゃうって!
    俺はあいつを思ってやな…」

竜華「そんなん怜もわかってるって、な?」

怜「そうや、セーラなりに考えがあるやろうし、
  大星さんのことを想ってるから厳しくするんちゃう?」

怜「とかなんとか返信したらそこそこ納得してくれたけどな」

セーラ「まあ…淡にはちょっと言い過ぎたかもと思ってたんや。
    フォローありがとうな」

怜「そんなんええよー」

674: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/29(土) 02:41:40.33 ID:+pTnvTgOo
竜華「…さて、ほな話を本題へ移そか」

怜「せやな」

セーラ「え、な、なに?」

竜華「弘世さんやん!な、どうなん!?」

セーラ「そこかい」

怜「うちら興味津々やねん、だってセーラやで?セーラの恋人やで?」

竜華「しかもあの堅物そうな弘世さんが…あかん、想像できひん!」

セーラ「うぅ…あいつの話は恥ずかしいし…」シュン

怜「あかんでセーラ!感謝してるって言うてたやん!
  感謝に報いるには話をしてくれへんと」

セーラ「…なんでそんな必死やねん、怜」ニガワライ

竜華「や、まあ無理にとはいわへんけど…どう?仲良くやってる?」

セーラ「うん、けっこう順調やと思う」

怜「ええなぁ、そんな可愛い顔してー」ツンツン

セーラ「そ、そんなことないし!」

675: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/29(土) 02:42:18.95 ID:+pTnvTgOo
竜華「うん、確かにセーラ可愛くなったよなぁ。愛の力やなぁ」ニヤニヤ

セーラ「もう恥ずかしいっちゅうの…//」

怜「弘世さんは東京やったよな、あんま離れんでよかったやん?」

セーラ「あーそれはな、ほんまによかった…。
    今、あいつと遠く離れるなんて耐えられそうにないし…」

竜華「うわぁ、ガチのノロケやで!」ウワー!

怜「あっついわぁ」パタパタ

セーラ「お、お前らが聞いたんちゃうんかい!」

竜華「ほなこの帰郷も弘世さん寂しがってんちゃうん?」

セーラ「え、あぁ…まあ…早く帰ってきてとは言われたけども…」ボソボソ

怜「どんだけラブラブなんよ、そこー」

セーラ「そ、そら付き合いたてなんやしそんなもん…ちゃうの?」

676: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/29(土) 02:42:44.66 ID:+pTnvTgOo
竜華「うーん、うちらの場合普通が何かようわからへん」

怜「私らいつも一緒やし、付き合ったから言うて
  何かが変わったってわけでもないしなぁ」

セーラ「参考にならへんやつらやのー」

竜華「セーラもこんな可愛くなったんやし、
   弘世さんも可愛くなってるんやろうなぁ」

怜「あの人クールビューティー!って感じやけど、
  どんな感じで甘えたりするん?」

セーラ「そ、そんなん言うわけないやろ!な、内緒や//」

竜華「あー照れてる!」

怜「これはめっちゃ可愛い甘え方するんやで、竜華!」

セーラ「う、うっさいでお前ら!」テレ

677: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/29(土) 02:43:43.05 ID:+pTnvTgOo
数日後、新大阪駅


セーラ「ほな、またな」

怜「セーラ、元気でな」

竜華「次はいつ会えるんかなぁ」

セーラ「わからへん…でも、絶対遊びに行こな」

怜「当たり前や」

竜華「うちらはずーっと友達やで、それはいつまでも変わらへん」

セーラ「グスッ…ありがとう」ゴシゴシ

怜「麻雀、頑張ってな」

セーラ「う、うん」

竜華「元気で、セーラらしくな」

セーラ「うん…ありがとう」

怜「ばいばい、セーラ」

竜華「バイバイ」

セーラ「…またな、怜、竜華!」

683: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:34:18.15 ID:j6f6tRg3o
卒業式前日、寮、セーラの部屋


菫「荷物はもうほとんどないんだな」キョロキョロ

セーラ「横浜のマンションに送ったんよ」

菫「そうか…あんなに汚かった部屋がこうなるのか」シミジミ

セーラ「うっ…掃除頑張った」

菫「明後日にはもう、…出て行ってしまうんだな」

セーラ「うん…ここで寝るのは後2回やな」

菫「3年住んだ場所を離れるというのは寂しいな」

セーラ「…そやな、でも、それはここへ来た時もそうやったし」

菫「もう慣れたか」

セーラ「まあ…かもなぁ」

684: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:34:56.03 ID:j6f6tRg3o
菫「なぁ、セーラ…提案なんだが…私は、
  お互いが落ち着くまではある程度の連絡は控えようと思ってる」

セーラ「え、なんで?」

菫「私は麻雀に集中したいし、セーラにもそうしてほしい」

セーラ「う、うん」

菫「すまない。でも、きっとこうする方がお互いの為…と、私は思うんだよ」

セーラ「わかったけど…でも、でも、弱音はきたくなったら電話してもいい?」

菫「あぁ、それはもちろんだ。私だって電話するかもしれないし」

セーラ「うん、よしわかった。頑張ろうな」

菫「私は、長く…お前と付き合っていきたいから、だから、な」

セーラ「あ、うん」

菫「だから、ごめん」

セーラ「もうええって。わかったし、な?」

菫「あぁ、ありがとう」

685: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:35:29.51 ID:j6f6tRg3o
セーラ「じゃあ、こうして2人でゆっくり出来るのもあと少しかー」

菫「寮の門限まで、だな」

セーラ「…うーん、寂しいなぁ」ニコニコ

菫「そんな笑顔で…やめろ」プイッ

セーラ「寂しい、けど、スタートっていうか、
    新しい世界も待ってるし…悲壮感はないで」

菫「まあ…わからなくもないけど」

セーラ「寂しい、けど、…けど、俺の気持ちは1つやし、ずっと一緒や」ギュウ

菫「わ、そんな急に//」アワワ

セーラ「ちょっと、こうしてていい?」

菫「…ん、いいよ」ギュッ

菫「私も、こうしてるから」

セーラ「うん…ありがと」

686: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:38:47.10 ID:j6f6tRg3o
菫「いや、いいんだ。…好きだよ、セーラ」ボソッ

セーラ「…俺も、好き」

菫「頑張って強くなろうな」

セーラ「当たり前や!」

菫「あぁ、そうだな…」

セーラ「将来の約束…なんて、背伸びしすぎやけど、でも、
    いつか一緒に住めたらええやんな?」

菫「いつかな、お互いがちゃんと自立できたとき、そうしよう」

セーラ「…うん、それ目指して頑張る」

菫「そんな日が早く来るといいな」

セーラ「そうやなぁ…」

687: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:39:39.15 ID:j6f6tRg3o
卒業式当日、式終了後、部室


セーラ「(3年生を送る会とやらが大々的に行われた後、
     俺と菫と照は暮れていく夕陽を見ていた)」

セーラ「(みんなもう帰ってしまった。3人しか、いない部室)」

セーラ「(…ま、気を使わせてさっさと帰ってもらった、が正しいか)」

セーラ「(けど、最後くらい…ワガママ許してな)」


菫「ここからの夕陽も、いよいよ見納めだな」

照「だね、目に焼き付けておくよ」

セーラ「…うん、そやな」

照「じゃあ、せっかくだし思い出話といきますか」

菫「いいな」

セーラ「どーせロクなこと言わへんのちゃうのー」

688: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:40:38.30 ID:j6f6tRg3o
照「えー。そうだなぁ、じゃあ、セーラに初めて会ったときのこと!」

菫「ほう」

セーラ「んーと、入学式の前の日やっけ?」

照「そうそう。確か、ここへの階段だったかな」

セーラ「あぁ…懐かしいな」ウンウン

照「部室はどこですか、って関西弁でさー、お、もしかして?と思ったの」

照「そしたら先生の言ってた大阪からの特待生、
  江口セーラだって言うからおぉ!ってね」

セーラ「いやいや、お前そんな驚いてへんかったで。
    なんや暗い子やなぁくらいに思ってたし」ケラケラ

照「むっ」

菫「当時の照は感情表現が少々不自由だったからな」

照「ふ、不自由って…」

セーラ「けど、会話の中で気付いたんや。監督が言うてた、
    小鍛治健夜にも匹敵する逸材はこいつやな、と」

689: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:41:23.59 ID:j6f6tRg3o
菫「どう思った?」

セーラ「ワクワクしてた。それはほんまかどうかもわからんかったし、
    けどほんまなんやったらどんだけすごいんやろって」

照「そっか、そんな風に思われてたかー」クスッ

セーラ「で、部室まで一緒に行ったらお前がいたわけや、菫」

菫「あぁ、騒がしいバカが来たな、と思ったよ」

照「そういえば菫も当時はいい具合に冷たかったよね」

セーラ「そーや!そうやんけ!『あぁ、江口セーラか』とかって
    澄ました顔してたやろー再会の嬉しさに打ちひしがれてたはずやのに!

菫「おいこら妄想も大概にしとけよお前」

照「でも菫は中学の時からセーラに憧れて気にしてたんだから
  あれはつまり照れ隠しだったんだよね、可愛い」クスクス

菫「ちょ、うるさいぞ!//」

セーラ「可愛いなぁ、菫」ニヤニヤ

菫「い、今思えばってだけだろ!」

690: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:41:50.99 ID:j6f6tRg3o
照「はいはい、可愛い菫は置いといて…ここで3人会って、
  私たちは友達になったんだよね」

菫「そういえば…私、セーラには菫って呼ばれたかったのに、
  菫なんて恥ずかしいしイヤとか言われて落ち込んだ」

照「あったね、そんなこと」クスッ

セーラ「えーだって恥ずかしかったんやもん。
    ずっと名字やったのにそんな急に呼べるかい」

照「でも、呼んでるよね」

セーラ「そ、それはその、…こ、恋人やし?///」

照「…恥ずかしいなら言わなきゃいいのに」

セーラ「う、うっさい!こら、菫も勝手に一人で照れてんなや!」

菫「わ、私に振るな!」

691: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:42:21.39 ID:j6f6tRg3o
セーラ「あかん、キリないでこの話」

照「そうみたいだね」クスッ

菫「よ、よし、じゃあ一番思い出に残ってることにしよう」

セーラ「お、ええな」

菫「わかった」

セーラ「ふーむ、じゃあ俺から。俺は、3年生のインターハイやな」

照「そこかー」

菫「理由は?」

セーラ「インハイそのものっちゅうより、その前に、予選の前に、
    俺ら色々あったやん?ケンカもしたし、意見の相違も激しかった」

照「そうだったね、あれはモメたね」

菫「お互い、いろいろと気付かされたように思う、あれは」

セーラ「あの頃の部活はほんまにおもんなかった、最悪やった」

照「…はっきり言うね」

692: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:43:07.72 ID:j6f6tRg3o
セーラ「今更オブラートに包む必要もなかろうに」

菫「だな、私もあの頃は常にイライラしていたよ。
  新入生の大星はやたらと自由だし、セーラは練習に気が入っていなかった」

照「私は誰も自分を理解してくれないんじゃないかって不安になってた
  菫やセーラがそばにいてくれるのに頼ろうともせず、殻の中に閉じこもってた」

セーラ「けどお前ら2人は勝つため、勝つことが全て、それが白糸台って
    そういうとこは一つで、みんなにやたら厳しかったな」

菫「それは事実だった。でも、楽しむことを忘れていた」

照「ギスギスしていた空気も緊張感と思えばなんてことはなったし、
  それが部の為になるとすら思ってた、でも、違ったよね」

セーラ「楽しいが第一、なんて俺とか淡は思ってたし、
    その差を埋めるのが、埋めようとすんのがしんどかったんやな」

照「3人で何でも話し合う、納得するまでちゃんと話をするって
  そんな単純なことができてなかったんだよね」

菫「そうだな、些細なことが積み重なって大きな歪が出来てしまっていた。
  でも私たちはそれをクリアできたじゃないか、だから今がある」

693: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:43:44.16 ID:j6f6tRg3o
セーラ「そうや、だからインハイで優勝できたし、
    俺の一番の思い出になってるってわけや、このことも含めてな」

セーラ「あれ以来照は前みたいによく笑ってくれるようになったし、
    菫は笑顔が柔らかくなったし、うん、やっぱり、必要なぶつかり合いやったんよ」

菫「言いたいことが言い合えるのも友達の特権だしな」

照「うん、遠慮し合っているうちは本当の友達じゃないのかもしれない」

セーラ「ん、このことで、俺はそれに気付けた」

照「あ、じゃあ、次は菫」

菫「私か…私は、初めてのインターハイかな」

セーラ「おぉ、あれか」

照「楽しかったよね、ほんと」

菫「全てが初めてで何もかもが新しくて、私たちはがむしゃらで、
  ただの挑戦者だった。今ほどのプレッシャーもなく、楽しかったんだ」

694: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:44:26.13 ID:j6f6tRg3o
セーラ「重圧も何もなかったからこそ、肩の力抜いて勝てたんやろなぁ」

照「うん、先輩たちもいたし、おもいっきり頼れたし、
  私たちはとにかく楽しむことしか考えてなかったよね」

菫「面白いように勝ち上がることが出来て、ふわふわしていた。
  夢か?いや、夢でもいい、とにかく楽しい、というような…」

照「なんかわかる、私なんてほら、自分に自信なかったし、
  なんで負けないのかすらよくわかってなかったし、」

照「自分は強い…?と疑問を抱えながら戦ってた。
  だからずっと夢見心地というか…あれ、また勝った…あ、優勝…って」クスッ

セーラ「お前ら幸せやな、俺も楽しかったけど
    さすがにそこまでフワフワしてへんかったわ」

菫「お前はスカートだったから、ヒラヒラはしてたけど」

照「上手くないけど上手い!」

菫「えぇ?」

695: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:45:02.76 ID:j6f6tRg3o
セーラ「ま、あれとはもうおさらば!二度とあいつに会うことはない!」

照「えぇ、はいてよ似合うんだからー」

菫「そうだぞ、今度会うときはオシャレしてこい」

セーラ「イヤや、断固拒否や!」

菫「ま、そのうちにはかせる」ニヤリ

照「頑張れ菫!」クス

菫「あ、で!とにかく、私はこの勢いだけで戦っていたころの
  心地よさが好きだったし、なんだかんだで一番の思い出だよ」

セーラ「うん、わかる」

照「プロに行けば、最初はそんな気持ちになれるかも」

菫「…なれると、張り詰めた気も抜けていいのかもな」

セーラ「難しいやろうけどなぁ…で、照は?トリやで」ケラケラ

696: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:46:43.87 ID:j6f6tRg3o
照「なんでハードル上げるかなぁ…でも、決められなくて」

菫「絞れないか?」

照「コクマか…インハイか…でもやっぱり白糸台として戦ったインハイかな」

セーラ「いつの?被りを避けるとすれば…2年?でもあれはあんま記憶にないっちゅうか」

照「ううん、全部。大好きな白糸台を背負って戦った全てが大切な思い出」

菫「それはずるいな、なら私も全部だ」

セーラ「えー!ほな俺も!」

照「…全てが、愛しい思い出だから…かなぁ。
  団体戦も個人戦も、白糸台を背に戦って、全部に勝つことが出来た」

照「これはすごいことだと思う、淡にはパーフェクトだねって言われてさ。
  あぁ、そうかそうだよなぁ…って。そのどれにも思い入れがあって、」

照「一つには絞れない…と思って。ずるい答えで悪いけど」ゴメン

セーラ「いや、ううん、照の気持ちわかるから」

照「そう?ありがとう」

697: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:47:32.66 ID:j6f6tRg3o
菫「なぁ、…ここで言うのはずるいかもしれないけど、」

照「なに?」

菫「照、麻雀辞めなくてよかったって思ってるか?」

照「…菫」

菫「ずっと不安だったんだ。辞めちゃダメだって引き止めて
  コクマにもジュニアにも行ってくれたけど、プロ行きも決まってるけど、」

菫「楽しかったってお前は言ってくれたけど、でも、
  …もし、少しでも後悔があるならやっぱりそれは申し訳ないと思うし…」

セーラ「あーほ。考えすぎや、照が楽しかったって言うたなら
    辞めなくてよかったって言うてるならそんでええやんか」

菫「で、でも!」

照「ほんと、菫って考えすぎだよ。でも、そういうところ嫌いじゃない。
  セーラも嫌いじゃないよね?」

セーラ「ま、…かもな」

698: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:48:08.96 ID:j6f6tRg3o
照「はっきりさせよう。私は引き止めてもらってよかったと思ってる。
  感謝してる。あのとき、引き止めてくれてありがとう」ニコ

菫「照…そうか、…わかった。よかった」

セーラ「泣きそうな顔してー」

菫「…うん」

セーラ「可愛いなぁ、お前ほんま」ナデナデ

菫「やめっ…バカ」

照「うん、これで、これでよかったんだよ」


菫「あー…いよいよ寂しくなってきた」

セーラ「照が〆に入るからー」

照「え、わ、私のせい?」

菫「いや…私の勝手な気分だ」

照「…そっか」

699: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:51:04.15 ID:j6f6tRg3o
ガラッ


照「え、なに?」

セーラ「だ、誰か残ってたん?」

菫「……どうしたんだ、3人とも」


淡「突然ごめん、でもちゃんと言ってなかったから!だから聞いて!
  私、頑張る!エースとして、インハイで絶対4連覇するから!」

淡「あ、じゃあ、次はたかみーね!」

尭深「あ、あの!頼りないかもしれないですけど、でも、精一杯、
   部長として、弘世先輩を見習ってみんなを支えます!」

尭深「最後は誠子!」

誠子「う、うん!虎姫には入れなくて、悔しくて悔しくてでも、
   腐らずに頑張ってきてよかったです!」

誠子「先輩たちに恥ずかしくないような麻雀で
   大星も言ったように、4連覇します!応援してください!」ペコ

700: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:52:00.73 ID:j6f6tRg3o
照「…あぁ、だめ、ずるい」グスッ

セーラ「最後に爆弾きたな、ズズ」

菫「お、お前らぁ…ありがとなぁ、グスン」ナデナデ

淡「え、えへへ…」

菫「渋谷、頼んだぞ」ナデナデ

尭深「はい…お世話になりました」

菫「亦野ぉ、お前しっかりしろよー!期待してんだぞー!」ポンポン

誠子「は、はい!!頑張ります!」

照「うん、みんな、ありがとう。頑張ってね」

セーラ「…ありがと、ほんま嬉しい」

淡「セーラ…大好きだよ、今までありがとう」グスッ

701: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:53:00.26 ID:j6f6tRg3o
セーラ「泣いたか?」

淡「う、うん…」

セーラ「はは、俺も泣いてるし、おあいこやな、グス」ナデナデ

淡「…プロへ行っても、セーラらしくね?応援するから」

セーラ「おう、任せろ」ナデナデ

淡「あ、あのね、名残惜しいからもう行く!」

セーラ「うん、わかった」

誠子「あの、お騒がせしてすいません!では、失礼します!」

菫「あぁ、ありがとう」

尭深「ご卒業、おめでとうございます!さようなら!」

照「ありがとう、尭深」ニコ


ガラッ

702: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:54:54.06 ID:j6f6tRg3o
セーラ「ふふ、なんつーか嵐みたいなやつらや」ケラケラ

菫「なんかこう、ぐっときた」

照「私も…」

セーラ「大丈夫…やんな?あいつら」

菫「私たち信じてやらなくてどうする」

照「そうだね」

セーラ「…あぁ、そやな…」


セーラ「(バイバイ、淡。バイバイ、またいつか)」


セーラ「(大切な後輩に、心の中で小さく呟いて、そっと胸にしまいこむ)」

703: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:55:19.63 ID:j6f6tRg3o
校門


セーラ「もうずいぶん暗くなってしもたなぁ」

菫「話し込んでしまったからな」

照「だね…でも、楽しかった」

菫「あぁ、私も楽しかったよ。また一つ、思い出が出来た」

セーラ「いつかきっと思い出すねんで、卒業式の日に、
    部室で話したこと、中身は覚えてなくても、そのことは忘れへん」

照「うん、きっと、そうなるよね」

菫「…あとは、帰るだけだな」

セーラ「一歩踏み出したら、もう先に進むしかなくなる」

照「ねぇ、提案があるの」

セーラ「なんや?」

菫「うん?」

704: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:57:26.62 ID:j6f6tRg3o
照「今ここでさよならしなきゃ、私たちは何かと理由をつけて、
  いつまでも離れられない気がするんだ」

菫「うん…かもしれない」

セーラ「そう…やな」

照「私は右手に行く、少し遠回りになるけどそうする」

セーラ「ほな俺は素直に正面の道で」

菫「…私は左へ行くよ」

照「今はまだ同級生で、親友だけど、でも次に会うのはきっと…」

セーラ「ライバルか」

菫「チームメイトではなく、敵として相対するわけだ」

照「そう…あぁ、ダメだなぁ…泣きそう、さっきも泣いたのに」

セーラ「泣き虫、…俺もやけど」

菫「…けど、今は耐えてくれ、私も耐えてる」

セーラ「あぁ、もう泣かへん…だから照も絶対泣くなよ、うつるから」

照「う、うん…ごめん」グッ

705: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 20:59:08.70 ID:j6f6tRg3o
セーラ「…3年間、ありがとう。俺にとって、この3年は宝物や」

照「私にだって、大切な思い出だよ」

菫「私も、一生の…絶対忘れられない3年間だったよ」

照「…じゃあ、行くから」

セーラ「おう」

菫「またな」

照「また、どこかで」

セーラ「…うん、またいつか」


セーラ「(一歩を前に踏み出すと、後ろから2人が踏み出した音も聞こえた)」

セーラ「(大切な友と仲間と…今、別々の、それぞれ道を歩みだす)」

セーラ「(どこかにあるはずのゴールを目指して今、しっかりと歩みだす)」






カン!

706: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 21:02:50.75 ID:j6f6tRg3o
以上で、セーラの白糸台シリーズ?は完結です
だらだら会話ばっかのSSを最後まで読んでくれて
どうもありがとうございました、感謝!

707: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 21:07:08.69 ID:j6f6tRg3o
実はこのスレを立てた時点では、
セーラ照菫淡の4角関係的な話にするつもりでした
だからスレタイも「引退したで」としたわけで

それがコクマが始まり、だらだらと長くなっていきました
なんでこうなったんだかよくわかりませんww

それでもやっぱり完結させないまま放っておくのは気持ちが悪かったので
今回長くなったけど無事完結できてよかったです

708: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/01(月) 21:11:32.35 ID:j6f6tRg3o
最初に投稿したのは昨年の10月です
強い子なら推薦の話もあるよなぁ、地元だけじゃないよなぁ
麻雀留学とかもきっとあるよなぁ、と考えながら書いたのが
一番最初のヤツです

安価というかアンケートにするつもりはなく
どこを選ぶか伏せたまま終わらせる予定でした

でも、白糸台に決まり、書いているとなかなか楽しかったし
読んでくれる人の反応も嬉しかったので
調子に乗っていくつもスレを立ててました

まあやっと書き終えることが出来たので
またなにか違う話でも書けたらなーと思ってます

しょうもないあとがきにお付き合いいただきましてありがとうざいます
今まで支援感想等々ありがとうざいました
ではまたー